衣装体験の概要

体験日:2011年3月2日

時間:10時30分から11時

いつきのみや歴史体験館さんの平安装束の衣装体験の冬物の直衣

入場料金:無料

体験料金:2000円(不課税)

衣装の内容について

平安時代の貴族の常装を設定しての冬物の直衣姿。

頭飾り:冠

単:山吹色

直衣:白色

指貫袴:紫色

実際に衣装を着付けられて

2011年3月2日、いつきのみや歴史体験館さんにて冬物の直衣の衣装体験をしてまいりました。 この時はついで訪問の形であったとは言え、冬物の直衣の衣装体験をしたいと言う事で、衣装体験をする1か月前にいつきのみや歴史体験館さんに電話をすると予約を取る事が出来ました。
 
いつきのみや歴史体験館さんはこの時は6回目の訪問ではありますが、冬物の直衣の衣装体験でと言う事であれば初めての体験になります。 いつきのみや歴史体験館と言われると平安時代系の時代行列で有名な「斎王まつり」の斎王役選考会の会場として有名な場所ですがこの時には祭とは関係の無い時期でしたが雛祭りの時期と重なっていた為に背景には雛人形や着物と言った展示品が置かれている状態になっています。

 

 

こちらの学術施設での衣装体験は衣紋道高倉流の着付けに則って行われて、前衣紋者と後衣紋者の2名のスタッフの方の着付けとなっています。 最初に控室に入って白小袖を着て足袋を履いて出ると衣紋者の方の簡単な自己紹介が行われてから着付けが開始されていきました。

 

 

最初に白小袖の着付けの手直しがされてからを指貫を穿かせて頂きました。 指貫は紫色の物になっています。 次に単が用意されましたので着付けて頂く事になりました。 単は山吹色の物になっています。 単の色の設定が山吹色の物になっていますが、年齢的な設定で言えば30歳前後の男性の設定になっていると言う事でした。

 

 

単を着付けられてからは袍を着付けて頂きましたが袍は白色の表地に縹色の裏地になっています。 袍が着付けられた時点でお腹周りの生地が整えられてから冠を着けて頂いて直衣姿としては完成します。 冠があると言う事で直衣は直衣でもより格式のある冠直衣の形式の物になっています。

 

 

いつきのみや歴史体験館さんの体験用の平安装束は後年になって知りましたが、京都の老舗装束店である黒田装束店さんの作品が使われています。 後年になってその黒田装束店さんにも訪問をしましたが、その時には店長様と奥方様といつきのみや歴史体験館さんに出されている平安装束の仕様の設定の話がされる事になりました。 男性の平安装束に関してはどの年齢の方でも合うように30歳前後の男性の設定で作られていると言う事でした。

 

 

流石に黒田装束店さんの作品であるのか、直衣の生地の状態が良くて重厚な作りになっていて、裾やお腹周りの作りもきちんとしていて、袖も綺麗に着付けられているのを見て流石は衣紋者の方の着付けであると感じさせられました。 弓なりのお腹の作り方が衣紋道高倉流ならではであろうと思いました。 これだけしっかりとした平安装束がご奉仕料金で体験出来ると言うのが学術施設系の衣装体験であるのかなと感じさせられました。

 

 

男性用の平安装束の場合は着付けをして頂く物が少ないのか短時間で着付けが仕上がって行きました。 こちらの記事を再編集している2024年3月の時点ではいつきのみや歴史体験館さんでの平安装束の衣装体験の募集も再開されるようになって新型コロナウイルスの影響から解放されているのかなと感じました。

 

新作の十二単の導入や撮影用の機材の面での進化がありましたので何らかの機会があればいつきのみや歴史体験館さんでの久し振りに十二単の衣装体験に行ってみたいと思っています。 遠方ではありますが行ってみたいと言う気持ちはあります。

 

私が十二単の体験者として行くと言うよりも夫を直衣の体験者として申し込みして頂いて私が撮影の付き添いで行っても良いのかなとも思うようになりましたが、私の場合は撮影上手で撮られ下手な所があるので撮影係の方が向いているのかなと思いました。

メイクの設定

 

学術施設系の平安装束の衣装体験ですのでメイクは事前に自力でする設定になっています。 自宅でメイクをして来ましたが、男装の設定ではありますが、貴族の設定であると考えてファンデーションをベースとしたメイクをして行く形になりました。 口紅は男装の設定に向いているナチュラルカラーの色目の物を付けての対応しています。 照明が明るいからなのか写真を明るく補整しているからなのかアイシャドウの色が飛んでいるようでナチュラルカラーに写っているような感じがしました。

 

 

ポイントメイクはアイシャドウとアイブロウとチークカラーとノーズシャドウとアイライナーになります。 アイシャドウの色を派手にしていたらもっと雰囲気が出ていたのかなと思います。 体験時期が2011年であると言う事でこちらの記事を制作している2024年の現在とは異なっていて眉毛のメイクが薄くて細いです。 写真の明るさが補整される所を考慮してもうちょっと太い眉毛に仕上げていた方が良かったのかもしれません。

 

  

こちらの記事を書いている2024年の現在ではナチュラルメイクが流行しているのかアイライナーも黒色の物では無い柔らかい色の物も良く売られています。 2010年頃にナチュラルカラーが流行ってその後派手目の物が流行って2020年代に入って再度、ナチュラルカラーが流行ってと言う感じでメイクの流行が一巡しているようですがナチュラルカラーのメイクが流行している時に男装用のメイクアイテムを揃えると言うのも良いのかもしれません。 自力でメイクする場合は常にその時代の流行を掴む必要があるのではと感じさせられました。

小道具の設定

 

小道具としては学術施設側で貸し出される蝙蝠扇を使用して身振り手振りで構図を作って行く事になりました。 冬季用の直衣であれば本来は檜扇が正しいのですが、学術施設側の設定で蝙蝠扇が用意されていた所は御愛嬌をと言う感じでしょうか。 後年になって蝙蝠扇も購入する事になりましたが何らかの機会で男性用の平安装束の衣装体験の場で用いてみたいと思っています。 男性用の平安装束に関しては意識しなければなかなか衣装体験をする事が出来ないです。

 

 

2011年の当時では小道具の持参が可能でしたが、後年になって小道具の持参が不可能になったと言う事でこの点では惜しいでしょうか。 男性用の平安装束と言う意味では貸し出される小道具は笏もしくは蝙蝠扇になりますが、自前の小道具の持参が出来ないと言う事であれば、衣装体験をする時にはきちんとそう言った小道具を設定して貸し出して頂けたら良いのかなと思っています。 冬物の直衣であるだけに檜扇が用意されたら良いと思うのですがこの点では難しいでしょうか。

自由撮影

 

着付けが終わると学術施設側のデジカメで3枚撮影をして頂いてからは約15分間の自由撮影の時間に入って行きます。 自由撮影では立ちでの構図と座りでの構図と言った感じで色々と撮影をして頂きました。 こちらの記事を再編集している2024年の現在では自由撮影をする場合は撮影係を連れて行く必要がありますが、2011年の当時ではスタッフの方に手持ちのデジカメを渡して撮影をして頂く事が可能になっていました。

 

 

自由撮影では立ち姿での構図と座りでの構図と両方撮影して頂きました。 変身店や装束専門店の本格的な平安装束の衣装体験と異なっていて、資料を残す事に対しての意義があるからでしょうか、基本的な立ちでの構図と座りでの構図を合わせて3構図分んの写真は撮影して頂けてそれをキャビネ判の大きさでプリントされた物が渡されます。 撮影時間としては15分前後の時間になっているのですがスタッフの方に色々な構図の写真を撮影して頂きました。 現在、その写真が手元にあればラミネート加工をして写真が傷まないようにしたかったです。

 

背景の設えの良さや写真の完成度を求めるのであれば変身店や装束専門店、単純の平安装束を着てみたいと思うのであれば学術施設系でしょうか。 2011年の当時ではそこまで背景に対してのこだわりが無かったですが、こちらの記事を再編集している2024年の現在では設えにこだわってしまう所が出て来ています。

 

 

変身店や装束専門店の本格的な平安装束の衣装体験で見られるような小道具類を持参するには技術的に難しいのかもしれませんがあくまでも体験をすると言う事で写真を残したいと言う場合では変身店や装束店に行っての衣装体験をした方が良いのかなと思いました。 写真はスタッフの方の撮影でしたが、撮れ高としては目瞑りを除くと着付けが出来上がってからの物では約30枚になっていました。 学術施設系の場所で30枚の撮れ高なら上々の仕上がりになりましたでしょうか。

 

2011年の当時と言いますか男性用の平安装束の衣装体験の場合全般に言えますが、どのような小道具を持参すれば良いのかと言う事が余り分からなかった思い出がありました。 小道具の持ち込みが可能な場所に限っての話になりますが、小道具類の持参については今後の課題であろうと思わせられるような衣装体験でありました。

まとめ

 

平安装束で男性用の衣装と言う意味では本格的な体験をしたと言う事では2回目の物になりましたが、冬の時期に合わせられている重厚感のあるな冬物の直衣を体験する事が出来たと言う事で収穫のある内容になりました。

 

2011年3月の当時ではいつきのみや歴史体験館さんの平安装束の衣装体験の料金はかなりのご奉仕料金になっていましたが、その料金設定であったと言う事でその当時の自宅から列車に乗って2時間以上の距離であるいつきのみや歴史体験館さんに行っても京都の本格的な変身店や装束店に行って衣装体験をする事と比較すると交通費を足しても安い設定になっていました。 今思えば本当にご奉仕料金の設定であったのかなと感じさせられます。

 

2011年3月の当時では2000円、後年になって値上げされる事になりましたが京都の変身店や装束店と比較すると安い料金で衣装体験が出来る平安装束、それも常設店舗の無い東海地方の物であると言う事でこちらのいつきのみや歴史体験館さんの平安装束の衣装体験は人気がありますが、衣紋道に則った着付けで実際に着付けられた姿としてはきちんとした物になっています。 「斎王まつり」と縁のあるいつきのみや歴史体験館さんは東海地方の平安装束の衣装体験の趣味の方には絶大な人気がある学術施設ですがこの点では流石はと感じさせられる物がありました。