愛知県名古屋市の夫婦問題相談室リボーン 今枝朱美です。
私は一般社団法人で離婚や別居で離れて暮らす親子の面会交流を支援しています。
両親が離れて暮らすことになると、当然子どもはどちらか一方の親と暮らすことになり、必然的にもう一方の親とは離れて暮らすことになります。
両親が仲が悪いからと言っても子どもにとってはどちらも親には変わりなく、一緒にいるときに好きであったなら離れて暮らしても好きだし、子どもにはどちらの親からも愛されて育つ権利があります。
子どもが離婚や別居で離れて暮らす親と会うことを面会交流と言い、養育費と同様に子どもが健やかに育つためには必要であり大切なことです。
じゃあ、やっと離婚できたのにこの先も相手と仲良くしなきゃダメなの!? そんなのムリムリ!!!
って声が聞こえてきそうですね。
夫婦が離婚や別居するからには、関係性が良好ということはほとんどありません。
ですから夫婦の離婚と親子関係は別、と割り切り面会交流を積極的に行うことはなかなか難しく、令和3年度全国ひとり親世帯等調査結果報告によると、現在面会交流が行われている割合がこのように発表されています。
母子世帯で約3割、父子世帯で約5割。
そもそも離婚時に面会交流の取り決めをしていない夫婦がいます。
母子世帯の母の面会交流の取り決めをしていない理由(最も大きな理由)
1位 相手と関わり合いたくない 26.4%
2位 取り決めをしなくても交流できる 16.4%
DVや虐待があった3.8%
連れ去りや虐待の可能性がある0.7%
父子世帯の父の面会交流の取り決めをしていない理由(最も大きな理由)
1位 取り決めをしなくても交流できる 30.3%
2位 相手と関わり合いたくない 17.5%
DVや虐待があった1.6%
連れ去りや虐待の可能性がある0.6%
つまり、DVや虐待があったり連れ去りや虐待の可能性があるのであれば面会交流ができない事情も分かりますが、そうではなく調査結果では子どもが離れて暮らす親と会えなくなる一番の理由は、親同士が「相手と関わり合いたくない」からです。
離婚したのですから関わり合いたくない気持ちはよくわかります。
そして面会交流を行うためには相手との信頼関係を再構築していくと私たち面会交流支援団体もお話ししています。
ここでみなさんが思い違いをしているのが信頼関係の再構築を仲良くすると思っているところです。
子どもが面会交流をすること両親が仲良くすることは違います。
子どもが嫌がることをしないことを大前提に、約束を守って社会人として当たり前の行動ができれば成り立つ話です。
子どもを物に例えるわけではないですが、例えばコンビニでお菓子を買うとします。
好きな商品をレジに持って行きお金を払えばお菓子が買えます。
そこには信頼関係がありますよね?
プラス笑顔で「お願いします。」「ありがとうございます。」くらいのやり取りがあるとなおいい。
コンビニの店員さんと仲良しではなくても最低限の信頼関係はありやり取りはできます。
離婚前に夫婦間にいろいろな葛藤があったとは思いますが、夫婦関係と親子関係は別だと割り切ってください。
離婚した後も相手と仲良くするなんてムリ!!
この発想を捨ててください。
もう夫婦ではありませんから仲良くする必要はありません。
離婚で区切りをつけたのですから子どもの親としての関係に切り替えましょう。
日程を決め子どもに負担の無いように受け渡しする。
夫婦のわだかまりは過去の事、今は子どもが楽しめることだけ考えて。
それでもまだ今は難しいと感じりたり、どんなことになるのか不安で一歩が出ない方は支援に頼ることも考えてください。
夫婦問題相談室リボーンは面会交流の相談も受けています。