愛知県名古屋市の夫婦問題相談室リボーン 今枝朱美です。
3月21日の春分の日を前に、60代の熟年夫婦が修復カウンセリングから卒業されました!
昨年の7月が初回相談で、4週間ごとに毎月欠かさず来てくれました。
相談のきっかけは娘さんがリボーンを探してご両親に勧めたとのこと。
結婚40年、毎日毎日朝から晩まで何かちょっとしたきっかけから責め続けてくる妻にたまりかねた夫がキレました。
「もう俺は家を出る!財産は全部お前にやる。」
そう言い残して夫は夜に家を飛び出し、それが娘さんに伝わりました。
娘さんは「別に離婚でもいいじゃん。」と言いながらも、「夫婦相談ってのがあるから行ってみたら?」と両親に話しました。
娘さんもお母さんには手を焼いていたようで、ちょうど第一子を妊娠した時期と重なり、こんな大事な時に両親のごたごたに巻き込まれたらかなわないと思ったようです。
妻は職場で夫に見初められ、若くして本家の嫁となります。
専業農家ではありませんが、米や野菜を作ったり広い庭の草取りをしたり、毎日の食事の支度も嫁の役割です。
皆が集まり居間で楽しそうにしていても、嫁はいつも台所でおさんどんです。
妻は家のこと親のこと新家(しんや)のことなどいろいろな問題の不満を夫に話しますが、争いごとを望まない長男の夫は妻の気持ちに寄り添う事も無く、親や弟に意見をしませんでした。
「今までお父さんが私をかばってくれたことは一度もない。みんなに何も言ってくれなかった。」
一方夫はというと
「おじいさんも今まで何も言わんかったから、嫁がやるもんだと思っていました。」
口では悪かったとは言うものの、なんでそこまでしつこく言われ続けなきゃいけないのか理解できない様子です。
そりゃいつまでたっても平行線のはず。
舅と姑が亡くなり弟が来なくなっても嫁の恨みつらみは消えません。
カウンセリングでは毎回毎回妻のたまりにたまって消化しきれていない話を夫も一緒に聞いてもらいます。
一言振ると出るわ出るわ。
妻の話は同じことの繰り返し、どれだけ話しても収まらない夫への不満があふれ出します。私が通訳しながら夫にはその時の気持ちを思い出し、今まで言葉にしてこなかったことを口に出して言ってもらいます。
繰り返し繰り返し、根気強く根気強く。
そうこうしていると娘さんに赤ちゃんが生まれました。
娘夫婦はよく話し合っているようで、自分たちのやりたい育児がはっきりしています。
妻は自分たちの意見をはっきり言える娘夫婦をうらやましく思う反面、それができなかった夫を思い出して責めたり自分にも置き換えて反省したり、気持ちがあっちこっちします。
夫婦は半年で見違えるように変わりました。
妻からの攻撃を自分を守るためにのらりくらり逃げてきた夫は、妻の気持ちを察して自分から進んで動けるようになり、思っていることを言葉でも伝えられるようになりました。
そんな夫を見て、妻もこのように話してくれました。
「今になって思うと、40年間一緒に暮らしてお父さんは私の話をとりあえず聞いてくれていました。私もお父さんに言ってもらうことばっかりを望むんじゃなくて自分で言えばよかったのかなって。お父さんのことを度胸がないって思って腹が立っていたけど私も一緒だったかなって思います。最近は介護状態にならず二人で健康に暮らしたいねって話しています。」
お互いに自分の価値観や思い込みだけで相手のことを判断していたことが、第三者が入ることでいろいろな見方ができるようになり、自分の気持ちにも気づきました。
純粋、正直、真面目、素直、一生懸命。
こんなお二人だからこそ起きてしまった問題でもあり、解決できた問題でした。
これからも末永くお幸せに。
困った時はまた早めに相談に来てくださいね。