庭:パイナップルリリー 栽培約40年間の記録 | 和み処 のぉ~んびりと…

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このパイナップルリリーは、デジカメが存在しないフィルム写真時代から育てています。

ただ、当時の写真記録が見当たらず、前半の内容は記憶に頼っての記述となります。

 

 

 

ユーコミス (別名:パイナップルリリー

分類:ユリ(ヒヤシンス)科ユーコミス属

学名:Eucomis autumnalis

     Eucomis (ユーコミス)はギリシャ語で、「美しい頭」の意味とか…

     中型種のautumnalis は autumnale (秋咲きの)だって…

     これは、花茎頂部の幾枚もの小さな葉を乗せている姿に由来するとか…

 

 

英語名:Pineapple lily

原産中央アフリカ(1種)南アフリカ(10種) 

     自生地では、川岸や湿地に自生する。

性質:強健。半耐寒性多年草。 耐暑・耐寒性あり。 栽培は容易。 乾燥に強い。

    庭植えならば施肥や水やりナシでも特に問題なく、病害虫にも強い。

    草丈約30~80cm  (低・中・高性あり)

    葉はハマユウのようで、長さが50cm。横に大きく展開する。

    株元の地際から伸びる葉は”根出葉”と称する由。

    繁殖は分球させる。

: 1球根に1花茎。花茎約2cm。5~6月頃から花茎を伸ばし始め、花期7~8月。

    花序15~40cm。 下から上へと咲き上がる。

    花色:白、薄黄、赤紫、薄緑、ピンク。

花言葉:完璧

 

草丈約60cm

 

一応、「ホシオモト」(星万年青)という和名も存在しているようですが、ほとんど使われていないようです。

 

 

栄枯盛衰物語 in 我家 

購入

遠い昔のことで、記憶が定かでは無いけれど、最初に見掛けた面白い花姿に一球だけ即購入し、我家の一等地の花壇の一角に定植した。

時期的には、1980年代の後半頃だったか…

 

育生

定植後は、植えっ放しの球根が年々増えて、大きく生長し、何本もの花茎が林立する珍しい光景に惚れ惚れしながら楽しんでいた。

1年、2年、3年…と時は流れていった。

  

だが、約10年ほど楽しんだ頃だっただろうか…、一年中、一等地の花壇が約1.5m四方も占有されて、他の花を植え付けられない不自由さが苦痛に感じられ始めた。

 

 

放置

ある年、ついに堪忍袋の尾が切れた

  

葉が伸び始めた多数の球根を一気に全部掘り上げ、後で廃棄するつもりで軒下に球根を積み上げて、しばらくそのまま放置した。

掘り上げて空いたスペースに他の花を植えてもっと楽しみたい気持ちが勝っていたので…

球根を放置した場所は、真南向きの軒下で、地面はカチカチに締まり、雨もほとんど当たらず、年中日光浴状態の場所…

  

山積みされた球根は、球根の乾燥が進むと内部の鱗片が1枚、また1枚…と黒っぽくなって乾燥が進み枯れていく…

 

枯死?

球根の片付け作業は何ヶ月も後回しに…

球根の山は、中心部までカリカリに乾いていった…

そのまま、一年が過ぎた。

  

小山のように積まれた焦げ茶色の球根の塊が、黒っぽさを増しながら日々乾燥が進んでいった。

球根は外側の鱗片から乾燥が進んで枯れて、中心部だけが何とか湿気を保っている…かの状態で、他の球根と重なり合っていた。

  

そのまま、また2~3年が過ぎた。

球根の山は触れるとカサカサ状態だった。 一見して乾燥ゴミの山…

 

自力復活の兆し

ある年、枯れた乾燥球根の山からちょこっと緑色の芽を発見…!

よく見ると、パイナップルリリーの芽だった。 生き延びたのか?

興味が湧いたので、枯れた球根の山を、中心部に向けて様子を探っていった。

  

あぁ~ なるほどねぇ… 

生き延びようとするその必死さが伝わってきた…

理屈的には、球根の枯れた多数の鱗片の山を土壌代わりにして、球根の山の底部にあった小さくなった球根の中心部が数個だけ復活ののろしを上げたようだった。

復活球根は、乾燥状態の枯死鱗片の山が微かな水分を保持し、水分吸収活動を始めたようだ。

復活し始めた小さな球根は、当初のように、地表に放置されたままの状態なのに…

 

自力で地中に潜る

廃棄予定だった球根の山は、景観的には見苦しいけれど、作業的には全く邪魔にならないので、そのままで自力復活再生劇場を見物することにした。

再生1年目は、小さな球根は枯れた鱗片の山に包まれて、地表にあった。

  

2年目も、投棄観察すると、球根は地上に置かれた状態だった。

  

3年目は、よく観察すると、球根の下部が地中に潜り始めている(❗)ようだった。

  

4年目以降、毎冬枯れた葉を布団代わりにして、徐々にあの固い地面を球根は自力で潜り込んでいった。 これにはびっくり

 

こんな感じで…

 

復活生長再開

そして、水遣りも施肥も一切しないのに、完全に地中に潜り込んだ球根は、年々、生長と分球を繰り返し、花姿を披露し始めた。

地上部が枯れた冬期や芽が伸び始める春には、球根の状態をしっかりと観察できる。

見放したかのように世話しなかったが、でも球根は元気そのもので、毎年、順調に増殖した。

恐るべき生命力

 

2019年

 

種から?

5、6年前だったか、ある年の春先、球根から離れた場所から、とても小さな緑の芽が出始めていることに気付いた。

 

 

芽の形状からパイナップルリリーによく似ていた。

幼苗…? 種ができていた…? いつの間に…?

いつも、地上部が枯れるまでほぼ手入れナシだったので、原因は全く思い当たらない…

通路近くだったので踏み潰さないようにと、小苗を鉢上げして様子を観察し始めた。

  

親球からとても離れた場所での発芽に気付いてから4、5年が過ぎただろうか…

昨年までは花茎は1本だけだったが…

今年、その小苗が3本も花茎を伸ばしてきた。

 

 

そして、現在の姿がある

 

とても丈夫で、復活再生力が強い球根です。

 

 2024年6月 

 

今年は8花茎

 

長い葉を伸ばした横巾は約1.5m。

今年の花茎は8本… チョッピリ少ないなぁ

 

その原因、薄々ワカリマス

球根が過密すぎるンだよねぇ… それで個々の球根が十分に太れない…

過密状態を避けるには広いスペースが必要だけど、これ以上は場所を提供できないンだよ。

我慢、ガマン…

 

 

 

これが我家の

 

恐らく

 

約40年間に及ぶ

パイナップルリリーの栽培経験談

 

です

 

 

当時は

花色も

この一色だけが市場に出回り始めていたっけ…

 

珍しかったなぁ…