ガーデニングを思いっきり楽しむには土作りが大切だってコトは園芸愛好家なら当然知っていますよね。
では、何をどうやって、どのように、どんな具合に…?
これが、ガーデニングを始めた最初の頃はチョー難しかったっけ…
約40年前頃のコトでしたが…
<我が家の地層>
我が家は、南に面した山裾を開発したひな壇式の新興住宅地。
あの時、地盤を削り取る掘り込み型車庫を作った時に自宅の地盤構造を知りました。
異なった地層が何層にも重なった典型的な沖積層でした。
それぞれの地層の厚さは数㎝から数10cm、付近の地形や気候状況が比較的短期間で変化していたようです。
それぞれの地層を観察すると、昔々の太古の頃、この辺りは陸地だったり、渚だったり、湿地だったり、水面下だったり…のようだった。
土壌層、石ころ層、砂地層、粘土層、薄くて黒っぽい泥炭層…が幾重にも重なった地層だった。
<自宅の地質>
山の表土を削った我が家の敷地…
新築家屋の周囲のスペースが庭作りのスペースです。
でも、地盤が固くて、地中の大小の石ころが鍬を跳ね返す。
三つ鍬さえも跳ね返した。
掘り進めても、粘土層が鍬の勢いをくい止めた。
土を掘り起こせたのは重いツルハシだけ…
<不要物の選り分け>
カボチャ~ピンポン玉サイズの石ころが次々と掘り出されます。
ごっそりと大きな粘土の塊が掘り出されます。
粘土混じりの土の塊と、大量の石ころは付近の里山に廃棄処分…です。
<粘土塊は陶芸に再利用>
良質の粘土が掘り出されると別に分けて置き、陶芸用の粘土に作り直しました。
乾燥させ、細かく砕き、石ころを選り分け、水を加えて泥水とし、浮いたごみと沈んだ小石や砂を除去し、泥水だけを別の容器に移して、一週間ほど待って上澄み水を捨ててかき混ぜてまた一週間待ち…を繰り返して、沈んだ粘土だけを半乾きで保存し、これを作陶用粘土にする。
結構な量の自宅産粘土が採れました。
整形して焚き上げると、100%我が家産の自作陶器の完成です。
含有する鉄分のため、黒っぽい光沢のある表情が魅力的な作品となりました。
<植栽エリアの枠囲い>
ツルハシがメイン道具の庭作り作業が数年ほど続いたでしょうか…
耕し続けるエリアを固定するために、植栽エリアを通路よりも平均20cmほど高く枠囲いしました。
枠内の土壌だけを土質改良に専念できました。
<土質改善作業>
本来の土質は、花崗岩が風化した赤土系の堆積土壌…
有機質が少なく、排水性が劣り、雨ですぐに土質が締まります。
現在のように園芸資材が豊富でなかったあの頃は、真砂土(山土)や川砂を用いていたが…
その後は、保水性に優れた「鹿沼土」や「赤玉土」、「ピートモス」を混入…
でも鹿沼土や赤玉土は水分を含むと砕けるし、鹿沼土やピートモスは土質が酸性化する、という欠点がありました。
近年は、庭土に混入後も砕けず顆粒性を保ちフワフワ感を維持する「日向土」と「軽石」をよく使用する。どちらも細粒を使います。
これらに、最近は「パーライト」や「もみ殻燻炭」を混入します。
< 土質改良材 >
※保湿性向上
・鹿沼土、 ピートモス:土壌が酸性化する。 ブルーベリーやツツジ類には最適。
・バーミキュライト:酸性度へ影響せず。
・もみ殻燻炭:微生物の棲家ともなる。
※土質改良(ふわふわ化)……混入後も形状を保持
・パーライト、軽石(細粒)、日向土(細粒)、もみ殻燻炭。
赤玉土、鹿沼土は軟らかく、水分を含むと砕けやすくて土のフワフワには不適。
※肥料
・有機堆肥:各種あり。 良質な製品を選びたい。
・ぼかし:有機堆肥とともに重宝。
・骨粉:結実に必要。
※中和化……日本の気候では降雨により土壌は酸性化の傾向にあり。
・石灰、苦土石灰。
<40年後の植栽エリア>
難攻不落に感じていたあの頃の庭土も、最近では、庭も、花壇も、ミニ菜園も、どのエリアの土壌もふわふわ…です。
特に、ミニ菜園では深く耕したくて土を大きなスコップで掘り起こしても直ぐに細かく砕けます。
それでも年間を通じた土質状態や植物の生育状態をよく観察しながら、次回耕す機会があるときに適した土壌改良材を混入して土質改良を重ねています。
<読まれた方へ>
我が家での約40年間のガチガチ沖積層土壌からの土壌改良のレポートでしたが、いかがでしたか?
このような話題を取り上げた記事はほとんど見かけませんが…
皆さんチの庭の土質(粘土質土壌、風化花崗岩性土壌等)を考えながら、相応しい改良材は何かを検討の際に、この記事が何かのヒントになればうれしい限り…です。
末尾に、関連写真を羅列します。
<土壌作り> 古い写真がほとんど見つかりませんでしたが…
(左)掘り出された石ころ (右)掘り出された粘土塊
あの頃は、収納袋が次々と増えていった…
角が削られ丸みを帯びた石ころは水の流れがあった証し…
河川敷で見かける石ころと同じです
↓
そして約40年後の現在
↓
深く掘っても土はふわふわ…
耕しても塊にならず、すぐに細かく砕ける。
それでもなお
作物の生育状況を観察しながら、
現在も、改良作業が進化中…
<畝作り不要の波板枠囲い菜園>
2020年夏バージョン菜園への準備完了
まだ少々の菜っ葉類が残っていますが…
↓
2020年夏バージョンへ変身中…
菜園の周囲4辺を波板で囲んでいる。
(90cm幅波板を3等分で切断)
畝高≒20~25cm
波板側面を塩ビ管杭で補強
(長さ90cm管を2本に斜め切断)
波板の継ぎ目内側を鉢底ネットで土壌流出を防止。
利点:畝起こし作業が不要で、土壌や肥料流出を抑制する。
枠内に踏み込むと
横方向への土圧が生じるため、囲いの中への立ち入り禁止。
従って、作業に好都合な畑幅は約1m。
コーナーは、土壌流出防止のために、鉢底ネットで。
躓きやすいコーナーは瓦で保護し、内側に鉢底ネットを設置。
現在収穫中はこのキヌサヤエンドウと、少々の菜っ葉類だけ…
5月GW期間中には夏バージョンへの植え付け完了予定
生長に合わせて、台風にも耐える強固な支柱を組み上げます。
必要なら、防虫ネットも張る予定。
これまでに、連作障害の発生が’ゼロ’も自負するところ…
<粘土の再利用>
正に粘土の塊!
細かく砕いて泥水とし、ゴミや小石、砂を除去する。
良質の粘土に調整するまでに数カ月…
↓
手回し轆轤で好みの作品を造り、自然乾燥。
↓
窯焚き:赤松を燃料とする「穴窯焼成法」
窯焚きだけで24時間ぶっ通しで4日間焚き続ける。
仲間たちとの共同作業です。
(窯場:日本六古窯の一つ信楽の地)
自宅産の粘土100%を使った My 作品の一例(お猪口)
作品は、粘土に鉄分を含むために黒っぽい表情となる。
我が家のガーデニング…
とても楽しく
作業もいろいろと…
ミニ菜園は
育成方法も工夫しながら
一年中満席状態で
いつも空きスペースなし
単位面積当たりの生産効率比較なら
プロにも引けを取らないハズ…
と自画自賛しながら
庭エリアだけではなく
ミニ菜園も楽しんでいます