先日観たテレビの感想
大正から昭和初期、貧困などの社会問題に取り組んだ二人の経済学者、日本のマルクス経済学研究の草分け河上肇さんと、厚生経済学を提唱した福田徳三さん。
二人は、論争し合いながら、外国からの輸入経済学ではなく、日本の経済学を模索します(^_^;)。
河上さんは、当時世界で一番繁栄していたイギリスに留学し、資本主義社会の矛盾を目の当たりします。
つまり、繁栄していても貧困者が溢れ、靴を磨く者と磨かせる者の絵葉書が象徴するような格差社会を実感します。
その後、『貧乏物語』を発表、この時代を代表するベストセラーとなりました。
しかし、『貧乏物語』が学者や批評家から『金持ちが倹約しても格差社会の矛盾は解決しない』等の批判を受けると、マルクス主義経済学の研究を続け、資本主義経済の枠組みそのものの変革を目指すようになります。
この河上さん著作物(思想)は、中国語にも翻訳され、毛沢東さんの愛読書になり、中国共産党の要人にも影響を与えていきます(^_^;)。
一方、ドイツで学んだ福田さんは、生存権、労働権を日本にも導入しょうと模索します。その他、『完全なる普通選挙』を主張し社会政策への強い関心を抱いていました(^_^;)。
関東大震災の直後に被災地を歩いて、教え子の学生達と社会調査を行い、『復興経済』を被災民の立場にたって構想し、『男女別の失業率の調査』、『どの職業に就きたいかの調査』、『企業と求職者のマッチング』など現在のハローワークに繋がる視点で活動します。
晩年に厚生経済学を研究し、今日の福祉国家構想の先駆けとなった福田さんの研究は、東日本大震災後、改めて注目を集めています。
福田徳三さんの『完全なる普通選挙を求める』という主張には共感します。
1925年の普通選挙は、普通選挙ではないですね(^_^;)。
女性に選挙権がありません。
供託金制度という『お金を支払わないと立候補できない』制度を設けました。
共産主義者や社会主義者や無政府主義者の立候補阻止をねらった供託金制度だけでは安心できないので『治安維持法』も制定しました。
戦後、女性も選挙できるようになり、治安維持法もなくなりましたが、供託金制度だけは残りました。
戦後は、『立候補者の乱立を防ぐ』『売名行為を防ぐ』等の理由に変わりましたが・・・(^_^;)。
福田徳三さんがご存命なら『まだ完全なる普通選挙になっていませんね』と驚くでしょうね(^_^;)。
蛇足ですが、
日本の国会議員の供託金は小選挙区300万円、比例代表600万円
イギリスは約9万円
カナダは約7万円
韓国は約150万円
オーストラリアは約2万5千円から約5万円
インドは約2万5千円
ニュージーランドは約1万5千円
アメリカは供託金制度なし
フランスは供託金制度なし
イタリアは供託金制度なし
ドイツは供託金制度なし
フランスは、約2万円の供託金がありましたが、『職業選択の自由に反する』『高過ぎる』等と批判の対象となり、1995年に廃止されました。
ある議員にとっては、供託金制度あると、優秀なライバルの出現を阻止できるのでありがたい制度かもしれません。
例えば、国立大学の医学部医学科の受験料が、一般入試300万円、推薦入試・地域枠入試600万円だったら、合格したら返金されるとしても、受験者を著しく制限する可能性が高くなります。
(法科大学院の受験料が、既修(法学既修者課程)300万円、未修(法学未修者課程)600万円だとしても同じように受験する人の質が変わる可能性が高いと思います。)
大学や大学院、そして、ある種の資格試験の受験料が供託金並みに高くなったら、『憲法に違反する』『職業選択の自由の妨げになる』と批判されることでしょう。
政治家の供託金制度は一部で批判されているだけで、大きな問題にはならず、100年近くも続いています。
その結果が、今の国会議員なのです・・・(ノ_・。)。