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この国のタブー

素人がタブーに挑戦します。
素人だけに、それみんな知ってるよ?ってこともあるかもしれませんが。
コメント、質問、大歓迎です。お手やわらかにお願いします。

先日、朝の出勤前に、ワイドショーを見ていた妻が私に質問してきました。

「アメリカって昔に比べてナメられてるよね?」

妻が私のタブー領域に踏み込んでくることは稀です。そろそろ会社に行きたいなぁと逸る気持ちを抑えつつ、真面目に以下のような回答をしました。

91年に冷戦が終わって、米国は世界唯一の超大国になったでしょ。軍事でも経済でも。でも、2001年に同時多発テロがあって、100兆円を超える予算を投じて対テロ戦争を続けたけど、首謀者はずっと捕まらなかったし、テロ組織も殲滅できなかった。これで皆、気付いたんだよ。国家としてはもう対抗できないけど、背中から撃てば意外と脆いって。
唯一の超大国による世界支配って、それはつまり世界を敵に回すことでもあるよね。でも、米国対その他って構図も、考えてみれば「その他」が勝つわけだしね。だからナメられる。

「ふ~ん。ところで、その100兆円ってどこから出てくるわけ?」

え~っと、借金。

「誰から?」

未来から買ってる。いや、具体的には銀行とか投資家とか日本とか色々。っていうか、日本だってやってるじゃん。もう1,000兆円くらい。

「それはわかるんだけどさ、結局その金ってどこから出てくるの?」

ん?最初に政府が国債を発行する。国債っていう借用書みたいなやつを書いて、それを日銀に買わせる。日銀はそれを市場で投資機関へ売ったり、銀行を通じて個人投資家に売ったりするでしょ。

「売れなかったら?」

売れなかったら、日銀は買った金額分のお金を刷るんだよ。

「え?それじゃ子ども銀行じゃん!」




え~、彼女の言う「子ども銀行」が一体何を指しているのかは謎だらけですが、それはさて置き。お金がなぜ生まれるのかという理屈は、意外とわかっているようでわかっていないところがあります。マクロ経済をご存知の方には一見呆れる話にも聞こえてきますが、いやいや果たしてそうでしょうか。もし、お金の出自を正しく理解していれば、その方は資本主義経済にきっと絶望しているはずだからです。
ということで、今回は「お金と価値」がテーマです。

ちなみに、参考書は陰謀論っぽいこれです。非常に面白い本ですよ。

金融のしくみは全部ロスチャイルドが作った (5次元文庫)/徳間書店

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【経済とお金の誕生】

経済の始まりは物々交換ですよね。しかし、物の価値は直ぐに劣化します。冷凍技術が無い時代では、一週間前に捕れた魚と今日捕れた肉を交換することはできません。そこで発明されたのがお金です。最初は希少価値の高い、金銀宝石などの希少鉱物が用いられました。あとは予め、「魚は金何グラム」という具合に価格を決めておきさえすれば良いわけです。

しかし金銀宝石は日々発掘されますので、大量発掘によってその価値が暴落したりすれば経済が破綻してしまいます。それを防ぐため、鉱物開発は王様だけの特権として管理されることとなりました。ちなみにダイヤモンドの流通量は、その価値を保つため今でもシンジケートによってコントロールされていると考えられています。
 参考:ダイヤモンドの陰影「ガリバー、デビアス」他

また、金もその純度を見分けることは一見困難ですから、王様だけが金貨の鋳造を独占していました。日本では江戸時代の徳川幕府というわけです。


【紙幣と銀行の誕生】

しかし、金銀宝石を家に大量に保管するのはいつも泥棒のリスクに苛まれます。大量の金貨を持ち歩くのも大変重くて不便です。そこで誕生したのが両替商です。両替商は村人から手数料を取って金貨を厳重に預かり、その代わりに預り証を発行しました。するとやがて預り証が価値を持つことになり、高額な取引には預り証を現在の小切手のように使うようになります。これが紙幣の始まりです。

こうなると、出し入れが減った両替商の金庫には、預かった大量の金貨が眠ることになるわけです。ある時、悪知恵の働く両替商が、それをコッソリ内緒で投資や貸付に回すようになります。これが現在の銀行の誕生です。もちろん投資で損をすることもありますが、それは内緒にしていたので全く問題ありませんでした。

これを悪事と思うのは普通の人の感覚ですが、そう考えた人がかつてユダヤ人を排斥しました。これは余談ですが、最初は両替商は汚い仕事と考えられていたので、土地を持たない移民である被差別階級のユダヤ人がこの仕事に就きました。結局、そこから成長した銀行家がやがて経済を支配したため、排斥されたという構図ですね。


【中央銀行の誕生と紙幣発行権】

預り証がお金と同等の価値を持ったのは良いですが、その書式がバラバラでは困りますし、偽造される可能性もあります。そこで銀行達が集まって、中央銀行を設立します。現在の、アメリカのFRB(連邦準備制度理事会)や日本銀行のことです。
これら組織は今でも政府組織ではないのですが、それを正しく理解している人はどれくらいるのでしょう。彼らは政府組織でないにもかかわらず、独自の判断で好きなように紙幣を発行できるのです。タブーなにおいが充満してきますね。

さて、①紙幣の誕生、②銀行の投資、③紙幣発行権という3拍子が揃うと何が起こるのでしょう。単純です。預かった金貨以上の金額を投資に回せるようになるのです。

銀行の最大の借り手は国家です。戦争や不況になる都度、国家は銀行から度々お金を借り入れるようになりました。現在の国債発行です。中央銀行は国家に言われるがまま紙幣を増刷し続けました。その結果、紙幣を銀行へ持ち込んでも、元々預けていた金貨とは交換ができなくなってしまったのです。


【ニクソン・ショック】

金貨と交換できる紙幣のことを兌換(だかん)紙幣と言います。1971年、アメリカはドルと金の兌換の停止を宣言します。いわゆるニクソン・ショックです。
 参考:Wikipedia記事「ニクソン・ショック

単純に考えれば、不換紙幣はその瞬間に紙屑になっても良さそうなものですが、そうはなりませんでした。既に世界主要国は巨大な貿易を行っており、ドルはポンドや円と交換ができましたので、ドルの価値暴落は一時的なもので終わりました。つまり、為替相場があるからドルの価値は維持されたと言うわけです。


【現在のお金とは何か】

ここで皆さんにもお考えいただきたい。お金の価値とは何でしょうか。
お金の価値は商品との交換によって相対的に決定されます。お金の価値が下がればインフレになり、上がればデフレです。マクロ経済学で言えば、それは市場、つまり需要と供給によって決まるということです。
 参考:Wikipedia記事「需要と供給

でも、私の財布にある一万円は、一万円以外の何物でもない。と普通は考えてしまいますよね。その通りです。私自身、それが最も自然なお金の解釈だと思っています。しかしその時代は40年前に終わってしまったのかも知れません。経済は既に、市民の理解を超越したところに存在しているのかも知れません。


【紙幣増刷と国債発行】

現在のアベノミクスは急激なインフレ・ターゲティングを推し進めていますが、そのひとつが紙幣増刷です。世に出回る紙幣が増えれば皆金持ちになるわけですから、景気が良くなります。しかし、景気とは本来、お金の流通速度のことです。1年間に紙幣が何度も人の手を渡り歩くこと、つまりモノが売れることが好景気です。紙幣が増えても、一旦財布に入ったそれが再び出ていくかどうかは、今のところ誰にもわかりません。
 参考:Wikipedia記事「インフレ・ターゲット

また紙幣を増刷するためには、安倍政権は大量の国債を発行しなければなりません。中央銀行と言えども、紙幣を自由気ままに刷ってしまえば通貨としての信用を無くすからです。しかし国債は借金ですから、私たちは金利を付けて将来返済しなければなりません。怖いですよね。
しかも、結果として日銀は大量の国債を保有することになるわけですが、インフレになれば国債という金融資産の価値も同時に下がります。つまり、日銀が大損をする可能性があるのです。だからその受益当事者である一部の経済学者や銀行家達は、アベノミクスに強く反対します。


【夢のお金】

ところで、紙幣と硬貨は発行者が違うことをご存知ですか。紙幣発行権は日銀にも認められているのですが、硬貨発行権は政府にしか認められていません。つまり、コインは日本政府発行です。一万円札には「日本銀行券」と記載されていますが、100円玉には「日本国」と刻印されています。つまり、王様が金貨を作り、銀行が紙幣を作る構図はかつてと全く変わっていないのです。

さて、ここからはタブーというか陰謀というか、頭のグルグルする話です。参考書には、この話をした人物は暗殺されたと書かれていますので、私の命もあと僅かです。皆さんも命がけでお読みください。



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実は、紙幣発行権は政府にも認められています。「政府紙幣」です。かつての兌換紙幣は、いつでも金貨と交換できるという根拠に基づいて、その価値が担保されていました。現在の日本銀行券は、将来返済するという債務に基づいてその価値が発生しています。しかし、政府紙幣はその裏付けすら不要です。金庫に金塊が無くても、借金をしなくても自由に発行できてしまうのです。
 参考:Wikipedia記事「政府紙幣」←面白いです

そんな訳のわからないお金を刷るのは大変だし、どっちの一万円札がより価値があるのか混乱しそうですよね。でもそんな心配は要りません。1,000兆円紙幣を1枚作り、それを日銀に渡して借金をチャラにすればお終いです。

また、そんなことをすると円の価値が暴落してしまいそうですが、それは確かにその通りです。円の為替相場は暴落するし、輸入品は高騰するでしょう。皆さんの預金は価値が下がり、対する借金の価値も下がります。つまり両方とも減ります。だから、一度に1,000兆円ではなく、何度かに分けて行う必要はあると思います。

つまりこれは夢のお金です。しかし、決して妄想の産物ではありません。日銀は政府機関ではないし、そこから借金しなければ財政が成立しない現状だって、考えてみれば異常そのものです。国家の上に銀行があるのはおかしいですよね。
だからこそ、そんな話が歴史上の水面下で、何度も真面目に議論されてきました。リンカーンもケネディもそれを主張しました。暗殺されましたけどね。


政府紙幣発行が一体どんな結果を招くのか。結局のところ誰にもわかりません。私自身、政府紙幣発行に積極的に賛成するとまでは言い切れずにいます。発行賛成派と反対派、いずれの主張を読んでみても、説得に足る論拠が欠けているように感じるからです。まさに両者とも、何かを「盲信している」ようにしか見えません。
しかし、私達自身が盲目的に信じている既存のお金だって、実際には出所がかなり怪しく、価値が必ずしも保証されているわけでもありません。お金ってそういうものだってことだけは、改めて考えてみるのも良いのではないでしょうか。
殺されない程度に。

今回も最後までお読みいただきありがとうございました。



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