またこれは報告が遅れましたが、外部の人気記事ランキングを設置しました。広告画像が重いかも知れませんが、当ブログの使い勝手が少しでも改善されればと思いました。ガラケーやスマホの表示がどうなっているかわかりませんので、邪魔なようでしたら言って下さい。
さて、ブログ記事を書く作業から離れてはいても、毎日流れるニュースな話題には興味が尽きません。ということで、過去に投稿した記事の経過報道にも触れつつ、久々のメディア論です。
【水道橋博士降板騒動】
一時メディアの話題をさらった橋下府知事による爆弾発言でしたが、都議選大敗後はまた沈静化。マスメディアは問題を起こさない時の橋下を報じるつもりはあまり無いのかも知れませんね。私は橋下発言を擁護していますから少し不満でしたが、気付けば参院選が始まってしまいました。
参考:過去記事「橋下徹発言の真意」
さて、6月15日放送のテレビ大阪の番組「たかじんNOマネー」に出演した橋下が、「小金稼ぎのコメンテーター」と非難したことを受けて、同じく出演してた水道橋博士が生放送中に番組を降板するという出来事がありました。番組コメンテーターの総意は橋下不支持だったことに対して、視聴者アンケートは橋下支持が圧倒していたことを受けての発言です。ちなみに私はこの番組をYoutubeで見ましたが、まさに橋下の独壇場という印象です。
参考:Youtube動画「橋下市長vs小金稼ぎのコメンテーター NOマネー 0615」
橋下はその日の夜に発言を撤回していますが、一方の博士の降板は正式に決まったそうですよ。
参考:J-CASTニュース(2013/6/28)「水道橋博士「たかじんNOマネー」正式降板決定」
騒動から明けた16日。ニッポン放送の報道特別番組「青山繁晴・水道橋博士のニッポンを考えナイト」にて、博士自身の口から降板に至るまでの経過や、彼自身の心中が語られました。こちらも同じく私はYoutubeで聞いたのですが、少し驚いたのは博士が以前から番組のあり方に疑問を持っていたとの発言です。いずれ消されるとは思いますが、URLをアップしておきますで、ご興味ある方は冒頭30分をお聞きください。
参考:Youtube動画「2013/06/16 青山繁晴・水道橋博士のニッポンを考えナイト」
【情報のフィルタリング】
この騒動について、ネット上の右寄りの人々はアンチ博士一色でした。何しろ博士は、従軍慰安婦があったかも知れないというような発言までしていますから、同じく右寄りの私としても彼を非難したい気持ちはわかります。
しかし同時に博士は、真相は自分にはわかない、本当の所わからないというのが多くの国民の本音だという趣旨も述べています。これは全くその通りだと思いました。
しかしマスメディアは、そうした細かなやりとりまでは報じません。30分の会話全てを報じることなどできませんから、要約して報じます。重要なポイントだけを自分たちで判断して掻い摘む、つまりフィルタリングをするという事です。こうなると、記事は話題性のある見出しだけが独り歩きします。右寄りのメディアの見出しは特に凄いですね。産経は「パロディー」だと報じています。
参考:msn産経ニュース(2013.6.17 )「水道橋博士、番組「降板」はパロディーだった」
マスメディアによる情報のフィルタリングの問題は、ずっと昔から知られています。かつてそれを補完したのは書籍や雑誌でした。詳細な後追い取材が記事になることによって、私達は報道の真相を知ることができたのです。しかし今は売れません。
やがて、これに代わる媒体として期待されたのがネットです。今回の件について言えば、ネットはこれら情報源の未編集なものを誰にでも入手可能にしました。つまり、ネット住人達こそがこういうフィルタリングに対して抗えるはずでした。しかし実際は正反対なようです。
【視聴者のマスメディア化】
実際、ラジオの中で博士自身は、パロディーだったと断定してはいません。バラエティー番組の芸人コメンテーターとして、そういう思いもあったということは確かに述べていますが、他の動機も複数挙げています。特に注目すべきは、たかじんの番組批判です。現職平松市長と橋下が争った大阪市長選における報道姿勢や、バラエティ番組が政治討論を装う歪曲演出についても具体的に批判しています。特に後者については私の過去記事でも触れている問題です。
参考:過去記事「テレビがつまらない理由(1)」
ひとりの力無い芸人が大御所と看板番組を真っ向批判したのですから、私的には騒動の責任を十分に果たしたように思います。しかしネット上の多くの右寄りの人たちは、そう思っていません。
理由は明白です。大多数が真実に目を向けないからです。Youtubeにはその証拠が残されています。3時間超のラジオ放送全編よりも、誰かが3分にまとめたダイジェスト版音声の方が人気なのです。
しかし、ダイジェスト版にはどうしても編集者の意図が入り込みますから、必ずしも真実を語っていません。にもかかわらず、コメントの盛り上がり方もダイジェスト版の方が圧倒的です。都合の良い情報だけを流し、都合の良い情報だけを信じる視聴者の両者がこの構図を作り上げます。
これはつまり、ネットもマスメディア化していることを示しています。何が真実か見極めることは本当に難しいのに、素性の見えない誰かによって選択された情報だけが独り歩きします。メディアという道具は使い方次第であり、メディアリテラシー(情報識別能力)が備わっていなければ道具としての価値も損なってしまいます。
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【メディアを利用した人・得した人】
さて、次は別の話題です。女子代表選手への体罰で揺れた全柔連ですが、とうとう会長が辞任し、女性理事を3人も登用するそうですね。
参考:スポーツ報知(2013年6月24日)「【柔道】全柔連・上村会長、10月にも辞任」
ただこのニュース、柔道に詳しくないほとんどの一般市民には何が何やらさっぱりですので、調べた範囲で関係者を少し解説します。
山口香
ソウル五輪銅メダリスト。JOC理事。体罰を受けた15名のうち5名から直接相談を受け、問題解決を強硬に訴えていた。言わばこの問題の火付け役。問題が明らかとなった後、3月に全柔連強化委員に就任。さらに続いて、日本バレーボール協会の理事にも就任。
橋本聖子
スケートと自転車競技で活躍した、現自民党参議院議員。JOC常務理事。日本スケート連盟会長、日本自転車競技連盟会長。女子スポーツ界での出世頭。問題発覚当初、体罰を受けた15名の氏名公表を求めたが、山口に叩かれた後に発言の事実すら否定。
上村春樹
全柔連会長。講道館を開いた嘉納家出身でないにもかかわらず、嘉納家一族とも良好な関係を保つ。国際柔道連盟からの信用と人脈にも長け、オリンピック招致には必要な人物と言われる。しかし、強化助成金の不正受給で告発もされ、10月にいよいよ辞任が決定。
日本柔道界は、柔道の父である嘉納治五郎が立ち上げた講道館、ひいては嘉納家一族によって長らく支配されてきたと言われています。それだけに、一族出身でない上村会長は各方面から大きく期待されていたことが窺い知れます。一連の不祥事にもかかわらず、彼がずっと退任を否定してきた背景には、どうやらこうした周辺からの力学が相当影響を及ぼしてきたようです。
参考:ZAKZAK(2009/03/27)「「JUDO」否定せず…講道館の新館長、上村春樹さん」
これに反旗を翻したのが山口香ですが、私が注目したのは彼女が積極的にメディアに露出した事です。結果として、体制は確かに変わり始めましたし、彼女自身も強化委員のポストを得ました。しかし一部週刊誌では、「橋本聖子を引き摺り下ろすため」だとか、「学閥争い」だとも叩かれました。そもそも、彼女の訴えが無ければ、問題は闇から闇へと葬られていた可能性が高いはずですが、その功績は評価されないようです。
メディアが形成する世論は本当に気まぐれですので、個人が積極的にメディアを利用するのは本当に難しいと感じました。
ところで余談ですが、一連の騒動によって最も得難いポストを手にしたのは、言うまでもなく3名の女性新理事です。中でも全柔連と関係が悪化していたはずの谷亮子は、まさに漁夫の利。次期選挙は相当の苦戦が予想されますから、柔道界への復帰を果たせて前途洋々です。一時は国民栄誉賞と囁かれた人ですが、今では立派な客寄せパンダ。
【メディアの正義はどこへ?】
ところでまた話は変わりますが、過去記事でも触れた元NSA工作員、エドワード・スノーデンの話題です。日本国内では割と小さなニュースですが、私の中ではジェームズ・ボンド、ジャック・バウアー、ジェイソン・ボーン以来の興味の対象です。今のところは、飛行機代や宿泊費をウィキリークスが支援しているようですが、どうなることやら。
工作活動内容を暴露したことで追われる身となった彼ですが、米国からパスポートを取り消され、モスクワにある空港内に留まってもう2週間以上が経ちました。このニュースを聞いてこの映画を思い出した人は少なくないでしょう。
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彼はずっと亡命先を探している状態ですが、追加報道によればNSAは中国などの敵対国のみならず、欧州委員会や日本大使館など同盟国に対しても諜報活動を行っていたことがわかりました。こうなるともう、どこも彼を受け入れてはくれません。自国に都合の悪い情報を持っているかも知れない人物を受け入れ、かつ米国からの圧力にも屈しない勇気のある国は、反米エクアドルと、スノーデン隠匿の濡れ衣を着せられ怒っているボリビアくらいしか残っていないようです。
参考:AFP通信(2013年07月03日)「スノーデン元職員の亡命申請、欧州諸国が次々と拒否」
私が不思議なのは、米国マスメディアはこの問題について、スノーデンをほとんど擁護していないことです。ライバルであるネット大手を叩くどころか、スノーデンの行方をどんどん暴露しては、彼を報道によって追いつめているように感じます。それが「米国の愛国心」と言われればそれまでですが、マスメディア側にも後ろめたいことがあるのではないかと勘繰ってしまいます。
加えて、タカ派右翼と言われるジョン・マケイン上院議員(共和党元大統領候補)に至っては、スノーデン受入国へ圧力を掛けるような発言を繰り返しています。私は彼に、「外交信頼を失った自国をまず心配すべきでは?」と言いたいですね。同盟国への諜報行為に対する責任を、まず明確にして欲しいです。
参考:ウォールストリートジャーナル(2013年7月08日)「米国はスノーデン問題でばかにされている=米議員たち」
今後も、彼の動向には注視していくつもりです。なぜなら彼は、諜報していたことは暴露していても、具体的にどんな情報を手に入れたのかは全く語っていないからです。Googleが彼に何を与えたのか、Facebookは政府に何を提供していたのか。これはメディアの正義に関わる問題です。怖くてネットが使えなくなる日が、明日やってくるかも知れませんよ。
今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。
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