具体的には、トマホーク巡航ミサイル打撃か無人機攻撃、あるいはステルス爆撃などの選択肢が囁かれていますが、地上部隊投入の可能性も残されています。しかしこの攻撃、サリン製造施設の破壊が目的でも無ければ、内戦終結を目指す訳でもないんだとか。って、じゃあ何がしたいんだよって言いたいです。
参考:ロイター通信(2013年 08月 28日)「米の対シリア攻撃は小規模の可能性 深入り回避、イランけん制も」
アフガンもイラクもそうですが、私にはこの国の開戦動機がいつも腑に落ちません。確たる証拠を見つける作業はさすがに歴史学者へお任せするしかありませんが、インチキ臭いなという印象がいつも拭えません。どうしても、「本当にサリン使ったの?」とか、「政府軍が使ったという証拠は?」と勘繰ってしまいます。
米国の戦争史を振り返ればそんな話はいくらでも出てきます。ちょっと並べてみましょうか。
【真珠湾攻撃】
攻撃したのは日本帝国海軍で米国側は被害者な訳ですが、「騙し討ち」と呼ぶのはどうも違うのではないかというのが最近の通説です。実際に、そう推論するに十分な文書資料や証言が数多く残されているのです。
参考:Wikipedia記事「真珠湾攻撃陰謀説」
表の歴史において真珠湾攻撃は奇襲攻撃と言われますが、真実は少し違います。それは、当時の米大統領であるルーズベルトが、この攻撃を事前察知していた可能性が高いと言われるからです。米軍は日本の暗号通信の解読に既に成功していましたし、事実上の最後通牒に値する「ハル・ノート」を先に日本へ突きつけたのは米国でした。つまり攻撃は予見できたはずなんです。
参考:過去記事「ルサンチマンと新しい日本史観」
加えて米国側にも開戦動機があります。非戦を選挙公約に掲げていたルーズベルト政権は、同盟国たる英国からの再三にわたる参戦要請に応じるだけの理由が必要でした。実際、彼は先制攻撃を敢えて回避することもせず、パールハーバーの太平洋艦隊を移動させる対応もしませんでした。これには、参戦の口実として先制攻撃を受ける必要があったからだと言われています。
一方の日本側も、実は先に宣戦布告を行う準備を進めていました。しかし不運なことに、暗号解読・翻訳を行うべき駐米大使館勤務の書記官の作業遅延により、宣戦布告は真珠湾攻撃の後に行われました。これについては、書記官らが前夜に酒を飲みトランプに遊びふけっていたという怠慢説が通説ですが、文書を受け取るべき米国側が再三に渡って大使の面談を回避したなど、陰謀説もあるようです。
参考:Wikipedia記事「真珠湾攻撃#「宣戦布告」遅延問題」
にも関わらず米国は、この攻撃が騙し討ちだとして未だに日本を非難します。9.11同時多発テロ事件の際にもこれを再び引き合いに出し、「真珠湾攻撃以来のテロ」と表現しています。
【共産主義の脅威】
1964年8月、北ベトナムにあるトンキン湾内で、米駆逐艦が2度の魚雷攻撃を受けます。これを契機に米国は南ベトナム側に参戦、ベトナム戦争が勃発しました。この時に用いられた合言葉が、「Threat of communism(共産主義の脅威)」です。
しかし、トンキン湾事件における魚雷攻撃の真実はこうです。1度目は米艦船を南ベトナム軍艦船と見誤ったために起こった誤射で、2度目は米国自身が捏造した偽装工作だったことがわかっています。ここでも米国の隠された思惑が見えてきますね。
参考:Wikipedia記事「トンキン湾事件」
やがて米国は敗れたものの、結果的には航空機メーカーのボーイングや銃器メーカーのコルトといった米国軍需産業を大いに潤しました。また枯葉剤散布は、かの有名な米国モンサント社に莫大な利益をもたらしたとされます。ちなみにこの会社、今や世界の遺伝子組み換え作物のシェア90%を握る、悪名高き巨大企業です。
これら企業群はしばしば「軍産複合体」と呼ばれ、かつて土建国家と呼ばれた日本の建設業界と同じく、巨額な消費と雇用を盾にして経済社会に暗躍しています。
参考:Wikipedia記事「軍産複合体」
【本当の騙し討ちは湾岸戦争】
1988年に終結したイラン・イラク戦争で、イラクは莫大な戦時債務を抱えました。間も無く、債務返済の滞りへの制裁として、米国は食糧輸出すらも制限。しかし当時は原油価格が極めて安値で推移していましたから、サダム・フセインは窮地に立っていました。
この事態を脱するべく、イラクはOPEC(石油輸出国機構)に原油価格の値上げを打診しますが、どうしても受け入れてもらえません。更に追い打ちをかけたのは、関係国のサウジ、UAE、そしてクウェートが、裏では協定の割当量以上を採掘していた事実です。ついに堪忍袋の緒が切れたフセインは隣国クウェートへと侵攻。これが湾岸戦争の始まりでした。
参考:Wikipedia記事「湾岸戦争」
世界から卑怯者呼ばわりされたフセインですが、実は彼、何の通告も無しに侵攻した訳ではありません。攻撃の2週間前、駐イラク米国大使へきちんと通告し、その時点で米国不介入の意志まで確認済みでした。と言うか、後に米国や周辺国はこれをただの脅しとしか見ていなかったと言い訳するのですが、にわかには信じ難いです。
しかし、米国の言質は僅か2週間で一方的に覆されました。米国を中心とした多国籍軍が速やかに組織され、一斉にイラクを攻撃したのです。ちなみに、米国参戦の言い分は「ナイラ」という少女による「イラク兵が病院の保育器に入った新生児を取り出し放置、殺害した」と涙ながらに語った証言でしたが、彼女は後に駐米クウェート大使の娘だと判明しました。つまりナイラは米国に居り、全てがデタラメだったのです。
参考:Wikipedia記事「ナイラ証言」
また当時の米国大統領は、後の9.11からアフガン、イラクまでを指揮したブッシュ大統領の父親です。彼らは石油会社の役員でしたが、開戦により原油価格が2.5倍に跳ね上がりましたので大儲けです。もちろん、トマホーク巡航ミサイル、アパッチ戦闘ヘリ、ペイトリオット迎撃ミサイルなどの新兵器も惜しみなく投入され、燃料も大量に使い、軍産複合体はしっかりと荒稼ぎしました。
これ「騙し討ち」って呼びませんかね?
【テロとの戦い】
2001年米国同時多発テロの陰謀説はもう語るべくもないでしょう。これが本当にテロだったかどうかは皆さんご自身でお考えください。ただし、これは決して対岸の火事ではなく、3,000名を超える犠牲者の中には24人の日本人も含まれていることも、しっかり述べ添えておきます。
参考:Youtube動画「9.11テロ 巨大すぎる陰謀の陰にひそむ7つの疑惑」
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息子のブッシュ大統領は、この攻撃がアル・カーイダによるテロであると断定し、「War on Terrorism(テロとの戦い)」というフレーズを掲げ、米国は再び戦場へ繰り出しました。
しかし、首謀者ビン・ラディンの殺害に10年を要し、2,000人を超える米兵が命を落としました。さらには軍規も軍法会議もない民間軍事会社へと戦争を外注、一般市民の虐殺や強姦など悪辣の限りを尽くしました。それでも、石油会社ユノカルの元役員カルザイを大統領に据え、石油パイプラインも敷設できたのだから、この国にはそれで御の字なのでしょう。
参考:Wikipedia記事「アフガニスタン紛争」
ブッシュ大統領はさらに2002年、「axis of evil(悪の枢軸)」という新たなフレーズを発表し、イラクを再び名指しで批判します。翌03年になると、今度は「Weapons of mass destruction(大量破壊兵器)」を保有していると宣言し、イラク戦争が開戦します。しかしご承知の通り、そんなものは最初から存在しませんでした。ブッシュ政権は勘違いであるかのように言っていますが、勘違いで国土を蹂躙し国民を殺された側はたまりません。
参考:Wikipedia記事「イラク戦争」
もう異を唱える方はいないでしょう。信じ難いことですが、米国は戦争がしたいのです。本当に戦争がしたくてしたくて堪らない。そのためには毎回、言葉遊びの如く新たなフレーズを作っては、懸命に世論を誘導します。他国からすれば迷惑を通り越して怒りしか残りませんが、米国民は自分達こそが正義であると信じて疑いません。
そして今もまさに、米国のプロパガンダが着々と進行中です。
【核心的利益】
「核心的利益とは、中華人民共和国が、自国の本質的な利益に直結すると見なし、自国を維持するために必要と見なす最重要の事柄、自国にとっての利益のこと。中国語表記では核心利益。」(Wikipedia記事「核心的利益」より)
この言葉を誰が最初に使ったかはともかくとして、尖閣諸島に対して中国が使い始めたかと思えば、今度はオバマ政権がこの言葉を頻繁に使うようになりました。最初は「a core national security interests(安全保障上の核心的利益)」と使われることが多かったのですが、最近では略して「core interests(核心的利益)」と用いることが多いです。
参考:msn産経ニュース(2013.8.29)「化学兵器使用は「米国の核心的利益の問題だ」 オバマ氏」
では米国の核心的利益とは、一体何のことを指すのでしょうか。
私は英語が苦手で、前述の単語を調べるだけで一杯一杯ですから、米国内の報道など知るべくもありません。しかし少なくとも彼らは、リビアは核心的利益だと言い、今はシリアが核心的利益かどうかで揉めています。ある方のブログにはこう書かれています。
(以下、同じ空の下で(2013-08-30)「「核心的利益」の正体」より引用)
「核心的利益」とは、どうやら「先制的自衛権」のことのようである。
つまり、「先制的自衛権を発動させてでも守らねばならないもの」を意味している。
(引用ここまで)
「先制的自衛権」とは、相手からの攻撃が開始される前段階で生じる、自衛のための先制攻撃権のことです。核ミサイルが発射される前に発射台を破壊する行為などが、これに該当すると思われますが、国際法上にそんな権利が存在するかどうかは諸説分かれます。
しかし、こんな屁理屈を肯定してしまえば、世界中に同盟国を持つ米国やロシアは、「核心的利益」を理由にいくらでも他国を侵略できてしまいます。
参考:Wikipedia記事「先制的自衛権」
米国はいつの時代も、戦争の理由を無理矢理こじつけてきました。それは、今回述べてきた米国現代戦争史の断片からも十分明らかです。私には、米国の核心的利益とは「戦争すること」そのものにしか見えません。だからシリア攻撃にも断固反対します。
今回も最後まで読んで下さりありがとうございました。
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