知られざる最近のお金事情(3) | この国のタブー

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 続編記事ですので、過去記事はこちらをご覧ください。
 →命を賭けて、お金の話
 →知られざる最近のお金事情(1)
 →知られざる最近のお金事情(2)



シリーズ最終回です。


「ビットコインって何?」

つい先日、日頃からお世話になっている経営コンサルタントの社長から、こんな意味不明な禅問答のようなお題を投げかけられました。彼曰く、「福井俊彦元日銀総裁に直接聞いたけど、納得できる答えは教えてもらえなかった」のだそうで。
・・・って、それを私に聞いてどうすんの・・・?w


「ビットコイン」とは、電子マネーの一種なのですが、正直、これが調べても調べても訳が分かりません。世界経済においては結構タイムリーな話題らしいのですが、関連和書はほぼゼロ。記事を書いてる私自身、書きながらとっても五里霧中な話です。



【ビットコインとは】

bitcoinは、匿名の誰かが考えた電子マネーで、単位はBTCと表記されます。この通貨は、Satoshi Nakamoto(中本哲史?)という謎の人物が考案したと言われますが、実在の名前では無さそうです。また一説には、欧米ハッカー集団が考案したとも言われます。
 参考:P2Pベースの仮想通貨 - ビットコイン

って、この時点で全く興味が失せてしまう方も少なくないでしょうが、この通貨が実際に電子商取引で使えると言うから驚きます。日経新聞のサイトには、日経MJ記者が実際にそれを利用した結果がリポートされていますが、これを読んだところで、理解・納得できる人は少ないでしょうね。そもそも発行者が不明の貨幣なんてものは、未だかって聞いたことがありません。
 参考:日経新聞電子版(2013/7/28)「仮想通貨ビットコイン 便利さ、記者も使って実感
国際決済一瞬で」


このビットコインの面白い特徴のひとつが、決済手数料が一切掛からないところです。前回記事でも触れたように、金融決済は手数料が増大し続けていて、その最たるものが電子マネーなのですが、ビットコインはそれが不要なんだとか。
ビットコインは商取引をP2P(ピア・ツー・ピア)、つまり売り手と買い手が直接処理して行います。銀行や電子マネー会社を経由する訳ではなく、取引の安全性は電子証明によって担保するそうです。実際、例えば海外から商品を買う際に通常必要となる、為替換金の手間や送金手数料が一切かからないのです。
 参考:Youtube動画「ビットコインとは?」(英語音声/日本語字幕です)



【ビットコインの入手】

このBTCはどこから入手するかと言えば、フリーソフトを使って「採掘」なる行為を行うことによって、手に入れることができるそうです。BTCを誰かから受け取るのではなく、匿名の誰かが作ったプログラムをPC上で実行することで、いわば自然発生させることができるようです。
って、説明になっていませんね。。。
 参考:世界を見渡す小さな眼「Bitcoin」

もちろん、日本円など現金をBTCに直接換金することも可能です。日本にも「Mt.Gox(マウントゴックス)」という換金所があって、ここにネット口座を開設すれば、入手は難しくなさそうですね。
 参考:Mt.Gox

これはつまり、アメゴールドと同じだと思ってもらえば良いと思います。ゲーム上で入手もできるし、現金購入することもできるという訳です。



【ビットコインの信用担保は?】

しかしそもそも論として、発行者がいないお金って、誰がどうやって信用するんでしょうか。

私自身、これを一生懸命考えたのですが、どうやら担保は無さそうです。とは言え、シリーズ記事でこれまで述べたように、そもそも日本円も米ドルも担保や保証がある訳ではないと言ってしまえば、それまでですね。他方では、ビットコインは実際に商品代金として成立するので、その意味では一定の価値が担保されています。つまり、机上の仕組みは現金と大差ありません。

これは言わばゲームセンターのコインのようで、でもそれが実際に商品購入に使えてしまうんですね。って、私自身、この記事を書いていてどんどんちんぷんかんぷんになっていきますが、読んでいる方もやっぱりそうですよね・・・?
難解です。。。



【為替相場のバブル経済】

普通、これだけ怪しい通貨だと、その価値はどんどん下がっていきそうですよね。でも実際は、ビットコインの為替相場は高騰する一方です。過去にハッキング等の事件により価値が大暴落する事件も起こっていますが、基本的には高騰を続けています。この記事を書いている8月23日時点では、1BTC=11,915円です。
 参考:AFP通信(2013年04月11日)「仮想通貨「ビットコイン」、人気急上昇で価値高騰」

相場高騰のメカニズム自体は簡単な理屈です。
ビットコインは予め、その貨幣価値を流通量によってコントロールする仕組みを備えています。先に述べた「採掘」では、採掘量そのものが最初から仕組みによって制限されています。アメゴールドのように、クリックすればするだけ貯まるというようなものではないのです。
そして採掘量は将来的に徐々に減り続け、最終的には2,100万BTCに達すると新たな採掘はできなくなるルールです。他方、普通に考えれば市場ではBTCを必要とする人々は徐々に増えていきますから、結果としてビットコインの希少性は高まり、為替相場は高騰します。
要するに、相場の高騰は最初から決まっているんですね。

もちろん、再びハッキングのような事件が起きれば信用は損なわれ、BTCも大暴落するので、これを一種のバブルと考えることもできます。ただ、今のところ経済学では、何をもってして「バブル」と呼ぶのかの定義は無いので、ビットコインが実体経済なのかバブル経済なのかを線引きするは困難ですけどね。
しかしこの相場高騰が永遠に続くはずはありません。少なくとも、ビットコインを投資目的で運用している人は、誰もがそう思っている筈です。2,100万BTCに達する前に、いずれ誰かが保有する大量のBTCを売り抜こうとした瞬間、バブルが弾けるだけのように思います。



【初期投資者の優位性】

ところで、今の世の中に存在する全ての貨幣は、先にそれを手にした人ほど、後に大きな価値を得ることができます。金が金を生むという金融法則は、資本主義経済が持つ不変則だからです。

ビットコインについても同じことが言え、これを最初に取得した人は莫大な富を得られると考えられます。実際、ビットコインが流通し始めた2009年頃の相場は1BTC=1セント以下だったそうですから、ざっくり計算しても僅か4年で価値は1万倍以上。
以下のリンク先には、「Facebookは自分たちのアイデアだ」としてザッカーバーグを訴えたウィンクルボス兄弟も、ビットコインの相場によって約11億円を稼いだという逸話が掲載されています。
 参考:ZUU online(2013/08/04)「21世紀の通貨革命?~ビットコインについてのまとめ~」

って、やっぱりこれを読んでいると私はどうしても、壮大なネズミ講ではないのかという考えに至ります。過去記事で書いたマルチの天才達も、同じようなこと言っていましたしね。でも、そんな壮大な規模のネズミ講を考えつく人って、ひょっとすると誰にも止められないくらい大天才なのかも知れません。
 参考:過去記事「マルチ商法に勧誘された教訓(1)」
 参考:過去記事「マルチ商法に勧誘された教訓(2)」



あぁ、書けば書くほど深みにはまっていきます・・・。
実際に、BTCを購入して自分が体験してみればその価値も実感できるのでしょうが、小心者で調査資金にも乏しい私には、ちょっとその勇気がありません。それだけに記事も、何だか不完全燃焼ですね。個人的には、こうした話題自体は嫌いじゃないんですけど。

今シリーズはこれで終わりです。最後まで読んで下さりありがとうございました。皆さんも、ビットコインをご利用の際は、計画的によろしくお願い致します。(おい)



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