病気を創る人々 | この国のタブー

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 以前の記事の続きです。前回の投稿はこちらをご覧ください。
 →先生のジレンマ



医者のいない世界の実現。
病気の100%予防、または専門的な知識や技能に頼らずとも怪我や病気を完治できるようになる。そんな世界があったら良いなぁというのはあくまで夢の世界ですよね。


先日、妻が5歳の娘を、生まれて初めての虫歯治療に連れて行きました。小さいですが3個所もあったそうです・・・。
恐らく、虫歯だらけの私の血を受け継いでしまったのだろうと思います。こればかりは本人に責任が無いだけに、親として恥ずべきこととつくづく反省です。歯磨き教室にでも行ってみようかなと調べてみると、自治体だけでなく矯正歯科クリニックも実施しているんですね。勉強不足でした。

さてこの歯科医ですが、妻に気になる指摘もしてくれました。それは、下の歯の並びが良くないというものです。少し成長が早いのか、娘は既に下の歯の3本目が抜けていますので、歯並びも親としては気にし始めています。歯科医の指摘は次のようなものでした。

「並びが悪いだけでなく、それが影響して噛み合わせも良くありません。このままでは歯並びが顎の成長に影響を及ぼして、顎関節症などに繋がる可能性もありますし、顔の輪郭形成にも良くありません。当院併設の矯正歯科で、今からの治療を勧めます。」

要するに、歯並びが悪くてブスになっちゃうから治療しましょうってことです。顎関節症は保険治療ですが、歯並びとの因果関係もよく分からないようなので予防は保険外治療です。しかし、一人娘にこんな指摘を受ければ、親も心中穏やかでは居られません。妻が友人に聞いたところによれば、トータルで軽く50万超え。場合によっては100万円。って車でも手放しますか・・・?



【その医療は福祉ですか】

そもそも、矯正歯科クリニックの治療というか施術は、ほとんどが保険適用外のようです。保険適用の病気もありますが、これはどちらかと言えば口腔外科の領域で、ひょっとすると医院とか医療法人とかクリニックとかを名乗るための口実かも知れません。
これは要するに、医療の領域ではあっても美容整形と同じで、福祉ではなくて商売ということです。治療を窓口にして保険外サービスを初診から推奨。っていい商売ですよね。
 参考:歯科医ナビ「歯科と歯科口腔外科の違いは?」



【病気と治療はどこまで?】

最近、どこまでが病気や治療でどこからがサービスなのか、よくわからない霊感商法みたいな医療が進んでいるようです。

例えば喫煙は病気ではありませんが、ニコチン中毒であると考えることもできます。疫学統計においては病気のリスクを高めることが明らかですから、禁煙は保険適用の「治療」になったそうです。TVCM凄いですよね。
しかし、愛煙家の私もこんな制度には大反対します。治療したい人のコストをタバコに上乗せするならまだしも、医療保険を使うことには全く同意できません。ヘビースモーカーでも100歳まで健康な人もいますよね。それをひとまとめにして、病気扱いされる謂れはありません。「タバコで病気になったら保険適用外」と言われる方がまだ納得できます。
 参考:ファイザー製薬「すぐ禁煙.JP」

また一方で、肥満も同じく病気ではありませんが、生活習慣病のリスクを高めるので病人扱いすることになりました。へそ周りが、男性で85cm以上、女性で90cm以上あり、なおかつ血中の脂質異常、高血圧、高血糖の3つの内の2つが該当すれば、メタボリック症候群と定義されます。
私は血中脂肪も血圧も血糖値も極めて低いですが、明らかに中年太りです。野菜と魚中心で揚げ物や肉はいつも控えているものの、要するに飲み過ぎです。しかし病気予備軍と言われてしまえば、肩身がどんどん狭くなります。単なるデブじゃなく、病気のデブです。ってもう放っといてもらいたいです。
 参考:厚生労働省「あなたは大丈夫?メタボリックシンドロームをチェックしよう!」

というようなことを書いていると、自分の自己管理能力の低さに気付いて一層惨めですが、それでもこの主張を呼び水にするには大きな理由があります。



【病気予防は企業経済】

禁煙も肥満防止も、それを病気であるとする論拠は疫学統計です。つまりは健康に寄与するというのが理由です。しかし、実際には病気になる人もならない人もいるのですが、そうした個人差は無視されます。もしその論理がまかり通るならば、そもそも酒もタバコも販売を禁止すべきです。ほとんどの食品メーカーや飲食店チェーンは、CMを規制し増税対象になるはずですよね。しかし、実際にはそうなりません。本当は予防する気が無いからです。
 参考:ロイター通信(2013年 04月 23日)「ブラジルでマクドナルドに罰金、「ハッピーミール」問題視」

恐らく、健康への寄与というのは理由のひとつに過ぎないのです。実際に優先されているのは経済性であると私は確信しています。その事実を示す資料が、ネット上には溢れています。企業の労働生産性への寄与、社会保険の支出抑制、家計の負担軽減という子供でもわかるような内容をご丁寧に分析した論文まであります。
 参考:Google検索「禁煙 経済性」

企業の論理は冷徹で残酷です。社会のためなどということは二の次、三の次です。「うつ病」が国民病と呼ばれるようになっても、金にならないので予防支援には消極的である事実を見れば明らかでしょう。一方で、金になる禁煙とメタボには諸手を挙げて賛同します。そしてこれらを牽引する最大の利益団体が、医療業界と製薬業界です。



【インフルエンザワクチンは効かない?】

子供の頃、インフルエンザの予防接種というのがありましたが、やがて廃止されました。その切っ掛けを造った1990年の前橋レポートは、今日では広く知られるようになりました。簡単に言えば、「予防接種を受けた子供とそうでない子供には罹患率に有意な差が無かった」ことを、実証的に疫学統計調査したレポートです。以降、集団予防接種は廃止になりました。
最近では「重篤化を防ぐ」という言い回しも聞かれるようになりましたが、これにも否定的な医師が少なくありません。私個人は、インフルエンザワクチンは効かないとまでは思っていませんが、有効性については世界的に両論あるのが事実です。従ってもう20年以上ワクチンを打っていませんし、家族にも打たせません。
 参考:Kangaeroo-Net「前橋レポート」



【大量の抗生物質が生んだもの】

皆さんはそもそも、「風邪」という病名は無いことをご存知ですか。大まかに言えば、様々なウィルスの呼吸器(鼻腔や咽頭等の上気道)感染症で、様々な炎症を引き起こす病気の総称です。つまり、「様々な様々」であり、明確に定義されているわけではないのです。
 参考:Wikipedia記事「風邪」

風邪で通院するとしばしば抗生物質を処方されますが、抗生物質は細菌を殺すものであってウィルスには効きませんので、抗生物質を摂取しても治癒が早まることはありません。ウィルスに効くのは唯一、抗ウィルス薬だけですが、インフルエンザウィルスは何種類もあるので、タミフルなど一部ウィルスに対する薬があるに過ぎません。
 参考:Wikipedia記事「オセルタミビル」

ただし抗生物質は、ウィルスによって生じた炎症部位から入り込む細菌感染症を予防する効果はあります。つまり合併症の重篤化を防ぐ予防薬なのです。しかしその弊害として、人類はMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)などの多剤耐性菌を生み出してしまいました。この菌に効く薬は存在しません。しかも抗生物質は人間だけでなく、家畜や養殖魚にも予防薬として大量投与されていますので、未知の細菌が毎日のように生み出されています。
 参考:西日本新聞(2006年04月24日)「抗生物質、風邪には効果薄 乱用で耐性菌増加」



【抗がん剤は薬なのか?】

こういう誤解された薬はいくらでも存在します。次の例を挙げてみましょう。

抗癌剤の多くは毒物や劇物ですが、その成分はがん細胞だけに作用するわけではないので、過酷な副作用がどうしても避けられません。近年、癌治療患者の多くは、その死因が癌ではなく抗癌剤の副作用だという指摘があります。
 参考:近藤誠がん研究所・セカンドオピニオン外来

ただし、この手の議論はいつも飛躍して、治療しない方が長生きするだとか、投薬治療の効果がゼロであるとか、真性の悪性腫瘍は治癒が不可能だとかの誤解を生み、その都度批判されています。しかし、外科治療や抗癌剤を使用しない方が良かったというケースが、相当数隠されているのはどうも事実のようです。癌保険の販売会社サイトでもそのような記述が増えてきました。
 参考:はじめてガン保険「抗がん剤は毒だが全く効かないとは言えない」



【子宮頸がんワクチンの効果】

先日、有効性の低さに加えて、重篤な副作用を招く可能性が高いということで、中高生への無料接種には特に反対の声が強かった「子宮頸がんワクチン」ですが、ついに厚労省による推奨が中止されました。
 参考:全国子宮頸がんワクチン被害者連絡会

子宮頸がんは人口10万人当たり約11人が罹患する病気で、その内の約3名が亡くなります。発症原因のヒトパピローマウイルス(HPV)には様々な遺伝子型がありますが、現在処方されている薬は、日本人が罹患する子宮頸がんの6割弱のHPV遺伝子型にのみ有効です。つまり結果論から試算してみると、ワクチン接種によって予防できるであろう人は0.007%、命が助かるであろう人は0.002%しかいません。
 参考:緑井レディースクリニック資料「子宮頸がんの罹患率と死亡率(日本人女性)」

加えて、このワクチンの効能が現在わかっている5年以上続く保証はどこにもないのです。中学生に摂取しても、主な感染源である性交渉が始まる頃まで効能が持続するという保証はありません。



【安易な向精神薬治療】

向精神薬による治療の問題は過去記事でも触れていますが、この分野の謎は語ればキリがありません。ひとつ取り上げるとすれば、ADHD(注意欠陥・多動性障害)という発達障害は本当に謎だらけです。原因も症状も診断も曖昧で、病気や障害なのかどうかもよくわかりません。最初にこれを病気だと言った米国でも、未だに議論が収まらないどころか、つい先日もこの病気の権威が製薬会社主導による捏造であると告発したと報じられました。つまり病気ではない可能性がある病気です。
 参考:Gigazin(2013年05月29日)「ADHDは作られた病であることを「ADHDの父」が死ぬ前に認める」

ちなみに、「ADHD」をググるとWikiの次に上がってくるのは「ADHD.co.jp」というサイトですが、まさに米国の製薬会社日本法人が運営しています。つまり医師と製薬業界が積極的に病気をつくっては、薬を処方して金儲けをするという構図です。
 参考:日本イーライリリー「ADHD.co.jp」



【健康食品は魔法の薬】

上記まで述べれば明らかなように、医療の背後には常に薬、つまり製薬会社の影が見え隠れします。少し余談ですが、最近は製薬業界のみならず、食品業界までもがその利権に群がるようになってしまいました。

臨床実験に基づく有意な効能が確認されないものは、薬事法でいう「薬」ではありません。ただし、一定の効能が認められるものに限っては、健康食品という位置付けで販売することができますが、これが誤解の温床となっています。
 参考:Wikipedia記事「健康食品」

代表的なものは、サプリメントなどの栄養補助食品と、お茶やヨーグルトなどの特定保健用食品、いわゆる特保です。これらと薬の境界線は何でしょうか。簡単です。プラセボによる思い込み作用と有意な差が得られていないのです。

薬物の治験では通常、単に効能が生じただけでは認可されません。それが、プラセボによるものではないことを証明する必要があるからです。つまりこれら健康食品は、思い込みによる効果なのかどうかが見極められなかったということになります。CMでグラフが示されると私達はいつも誤解してしまうのですが、空のカプセル錠剤でも同様の効果があることを忘れてはなりません。
 参考:はてなダイアリー(2008-12-18)誤用される「プラセボ効果」



【風が吹けば桶屋が儲かる】

病気をつくれば医者が儲かる。医者が儲かれば薬も売れる。薬が売れるから食品業界も薬屋になる。当事者達には夢のような錬金術なのでしょうが、恐らくこんな屁理屈によって病気は創られていきます。

医療が発達すれば病人は減る。そんなことは子供でもわかる論理ですが、それでは食えない人が出てきます。だから病人は増え続けます。PETを使えば、すごく小さな癌も全て発見できるでしょう。しかし、その腫瘍が本当に死を招くものかどうかはわかりません。
病気の予防にもあらゆる薬が登場します。しかし医薬品の開発コストは巨大化していますから、あらゆる新薬は10倍も20倍も価格が高騰しています。これらは全て医療費となって、私達の暮らしを圧迫します。


自己管理のできない私が偉そうに言うことではありませんが、しかしひと言申したい。

「健康に努めろって言うなら先生、あなたの血液検査結果も見せて下さいよ。だっていつも私のは見てるじゃないですかw」

本日も最後まで読んで頂きありがとうございました。



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