→親日国よせ集め(東南アジア地域)
→親日国よせ集め(南アジア地域)
やっと3回目まで来ました。あと何回で完結するのやらよくわかりませんが、今回はオセアニア地域の親日国を探ってみました。
オセアニアとはいっても、日本を嫌うアジアの国を明らかにするというのが当初目的でしたので、対象はミクロネシアとポリネシア、さらに大東亜戦争の影響がありそうなメラネシア諸国に限りました。オーストラリア連邦、ニュージーランド、フランスの植民地であるニューカレドニア、ハワイなどについては、語る必要が無いので除きます。
【パプアニューギニア独立国】
今回取り上げる国の中で唯一、小さな諸島国家ではありません。そして、日本統治下での経験を今でも忘れておらず、非常に親日の国だそうです。これについては丸谷元人さんのエピソードがとても具体的です。
(ハート出版社長のブログより引用)
初めて現地を訪れたとき、ほとんど人気のない道を歩いていると、頭の上大きな荷物を載せた、しわくちゃのおばさんが「あんたはどこからきたのか?チャイナか?コーリアか?」と聞いてきた。「ジャパンだ」というと、ニッコリ笑っただけで、そのまま通り過ぎてしまった。すっかりそのことを忘れていると、いつの間にかどこから集まったのか大勢の現地の人に取り囲まれ、主食の里芋料理をふるまわれた。あまり味もないが、みんなと地べたに座り「おいしい、おいしい」と食べると、みんな喜んでくれたという。
(中略)
ほとんどの現地人は日本人が大好きで、ぜひもっと日本人にパプアニューギニアに来てほしいという。なぜなら日本人は白人のように威張らず、島民たちと一緒になって生活し戦ったから。日本兵の遺徳が祖先たちによって伝承されているわけである。日本人がパプアユーギニアに来て活躍して貰わないと、資源が豊富なこの国はチャイナがドンドン進出し、その影響下におかれようとしているという。
(引用ここまで)
ココダ 遙かなる戦いの道―ニューギニア南海支隊・世界最強の抵抗/ハート出版

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【パラオ共和国】
キリスト教国で、多くの日本人移民の子孫たちが暮らしています。橋や電気、教育や医療などの現在のインフラ基盤を作ったのは、ドイツ植民地時代ではなく日本統治時代であると考える人がほとんどです。30年以上に渡る統治時代の教育によって、パラオ語の中に日本語が使われていたり、今でも日本人の名前を付ける人が多く、とても親日的です。ちなみに、国旗の形は日の丸に由来していると考えている人もいるようですね。
【ミクロネシア連邦】
この国にも日本人移民の子孫たちが大勢暮らしています。トシヲ・ナカヤマ初代大統領、エマニュエル・マニー・モリ現大統領はともに日系人です。日本統治時代、そして今でも続く教育やインフラの整備支援によって、熱烈な親日家が多いそうです。特に、ミクロネシア50の島々を結び同国のライフラインとして活躍しているキャロライン・ボイジャー号という貨客船については、東奥日報WEB版より引用します。
(東奥日報2011年9月30日の記事より引用)
この船は、日本が13年前に政府開発援助で供与したものである。離島からの教師や学生、時には患者など一般の人々から、水、食糧、家畜、ディーゼル燃料、ワクチンなどいろいろなモノを運搬し、ある時は捜索・救助、選挙の際には、投票箱の輸送までさまざまな用途に使用されており、文字通り、島民にとってライフラインとなっている。
(引用ここまで)
【マーシャル諸島共和国】
パラオやミクロネシアと同様に親日家が多く、今でも日本人移民の子孫たちが大勢暮らしています。MOMOTAROという名前のスーパーがあったり、マーシャル語の一部に日本が使われていたりします。ところで、同国出身者で後にアメリカへ渡ったシドニー・ギューリックという牧師がいます。「青い目の人形運動」によって、日米の緊張緩和に尽力したというエピソードは心に沁みるものがありました。ご興味のある方はWikipedhiaの解説がわかり易いのでご覧ください。
参考:青い目の人形
【キリバス共和国】
日本統治時代にいくつもの日本軍の飛行場があり、戦後も利用されていました。しかし、94年火山噴火で埋もれてしまったため、日本は新ラバウル空港の整備に協力しています。教育とインフラを提供した日本に親日感情を抱いてくれている国です。さらに詳しいサイトからも引用させて頂きました。
(世界のニュースは…より一部引用)
アノテ・トン大統領は極真空手の有段者であり、尊敬する人物は宮本武蔵。キリバス国民も、日本のカツオ漁船に乗ることを夢見ており(給料がいい)、気合の入った若者の腕には「安全第一」の刺青(いれずみ)があるほどだ。
(中略)
オーストラリアと関係が深いにも関わらず、日本の捕鯨に中立の立場をとってくれている(オーストラリアは全面禁止を要請)。
(引用ここまで)
【ソロモン諸島】
ガダルカナル島をはじめ大東亜戦争の激戦地のひとつとなりました。ここでは2万人以上の日本兵が戦いと飢餓で亡くなっていて、今でも日米の慰霊祭や遺骨収集が毎年行われています。にもかかわらず、ありがたいことに親日国です。ソロモン近海はカツオやマグロの一大漁場であり、ここで捕れた魚がかつお節やツナ缶の原料にもなっています。
【ツバル】
海水面の上昇や浸食によって、悲しいですが「沈みゆく国」として知られるようになりました。その意味で、京都議定書を推進した日本にはとても親日的です。86年に漁業協定を締結以来、ツバルのEEZ内で日本漁船が操業しています。日本から支払われる入漁料が重要な財源ともなっているそうです。
【トンガ王国】
日本が統治したことはありません。むしろ、イギリス軍として日本と戦った側ですが、親日国です。ラグビーで有名ですが、日本のチームにも選手が所属しています。武蔵丸の父親もトンガ出身です。JICAなどの活動によって小学校のカリキュラムにはそろばんがあり、日本語が高校の卒業試験などの選択科目となっています。島のあちこちに日の丸があるそうですが、これは日本が整備した水道設備によるもので、それに敬意を表してくれています。アホエイツ・ツポウ6世国王も度々来日しています。
ところで、ナウル共和国も日本の占領圏にあった国ですが、戦後日本との関係が浅く、またリン鉱石の採掘によって海外からの移住者も多く、親日とは言えないようです。また、バヌアツ共和国、フィジー共和国、サモア独立国については情報が少なく調べきれませんでした。
さて、総じてわかったことは、戦後に行った開発援助よりも、日本統治時代に行われたインフラ整備や教育が深く浸透していて、今なお評価されているということです。そこが、東南アジアや南アジア諸国における事情とは異なりますね。日本軍の進駐によって被害もあっただろうと思いますし、何よりもこの地域は激戦地になりました。それでもなお、親日でいてくれる国がこれだけあるという事実は、タブーにしてはならないと強く感じました。
また、オセアニア諸国はいまだにオーストラリアを初めとする欧米社会から大きな影響を受け続けています。経済的な恩恵を受ける側面もありますが、領海や資源を狙われることに対しては強く反発している構図も見えてきました。さらに加えて、その間隙を突いて中国が影響力を及ぼしつつあるというのも知りました。まだまだアジアで日本がやるべきことはありそうですね。
今回も最後まで読んでくださって、ありがとうございました。今回の地域はこれまでと違い、ネット上の情報がとても乏しかったです。主に外務省やJICA、NGOや政府系海外支援組織のサイト、青年海外協力隊で現地に駐留した方の情報などから調べました。楽しいですがちょっと息切れしてきましたね・・・。次回は、東アジアにおける中国・韓国・北朝鮮以外の地域について書いて、このシリーズを完結するつもりです。ご興味があればどうぞまた読んでください。
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