6月24日(日)は、奈良県の高取山に行き、壺阪寺へ。帰りにはキトラ古墳にも行く。
南森町→天王寺駅=あべの橋駅→(近鉄南大阪線・吉野線)→壺阪山駅→宗泉寺→高取城跡→壺阪寺→(バス)→壺阪山駅→光栄寺(人面石)→キトラ古墳→飛鳥駅→(近鉄吉野線・南大阪線)
→あべの橋駅=天王寺駅→南森町駅
36427歩
天王寺駅というかあべの橋駅近くでモーニングを食べてから近鉄の急行に乗り、壺阪山駅へ。
駅を出て車の交通の多い通りを渡ると、昔風の家並みが続く通りに出る。ここを右に曲がると高取城に、まっすぐ進むとキトラ古墳に出るらしいのだが、まずは左に向かい、子嶋寺へ。お寺は閉まっているようなんだが、お参りしてから道を戻って高取城方面に進む。
高取はどうやら薬の街らしい。道路のあちこちに、薬草が描かれたプレートがあります。この道は土佐街道と言うらしく、立て札によると、土佐から連れてこられた人たちが住んでいた場所とのこと。
なかなか興味深い町並みです。
道端には高取城を再現した絵もある。
道はだんだん山の中に入っていく。左手にとても立派な長屋門が見えてきて、家老屋敷の門なんだけど、今は旧藩主植村家が住んでいるらしい。
天気予報では雨は降らないはずなんだが、どうも怪しい。ポツンと何か当たったような気もする。傘を持ってこなかったし、コンビニのようなものはとてもありそうにないし、これ以上進むのはやめた方がいいのかなあ、とぐずぐす考えながらでも前に進む。
長屋門を過ぎてから一気に「田舎道」っぽくなり、田んぼの脇をてくてく進む。水車小屋とかもあり、さらに進むと砂防ダムがある。
さらに進むと宗泉寺。本堂の裏側には植村家のお墓がある。
お寺の方からは、これから高取城ですか、大変ですね、との声をかけられる。なんでも、次の土曜日にNHKがお城の番組をやるらしく、どの程度写るのかはわからないけど高取城も紹介されるのだとのこと。
ここから山道になり、車は通れなくなる。
あくまでも寺参りに来たつもりなんだが、ひょっとしたら、「登山」をやってしまっているのだろうか?
と思ったら、おおおお!
木が倒れていて、道がない!
どうするの?
お寺の人も、通行止めになっているとは言っていなかったぞ。
ということは、この、倒れた木を乗り越えて進むのだろうか。ちょうど水が流れていてなんだかすごい状態の場所なんだが、まあとにかく恐る恐る木を越えて進む。
なんだかどんどん道が険しくなっていく。
一升坂というのもあり、この坂で石を運んだら一升加増ということらしい。そのくらいとんでもない坂なんですね。
まあ、よじ登るような場所ではないので、ちょっときつめのハイキング、という感じなんだとは思うんだけど、私のような、山登り的なことをやっていない人間にはかなりしんどい。
だいたい、通りすぎる人がまったくいないのだが、どうなっておるのだろう?
と、はあはあぜえぜえしていたら、ようやく、猿石に到着。
この石は、明日香村で見つかったものをここまで運んできたものこのとこ。まあ確かに猿ですね。
そこから少し上ると石垣がたくさんでてくる。
それにしても、よくもまあこんなに高いところにこんなにたくさんの石を運んできたものだ、と思うとともに、よくもまあこんなところまで通っていたものだと、当時のおさむらいさんに同情。「通勤」という形態ではなかったのだろうか。
そして、本丸跡に到着。
いやあ、しんどかった。
石垣が、思っていたよりはるかにでかい!なんじゃこれは。
本丸への昇り口には、なぜか熊の彫り物が立っている。それにしても、よくもこんなに高いところにこれだけ多くの石を運んだものだとあきれる。こんなところに城を作って、実用性から見てどうだったのだろうか?だいたい、山の下に家老屋敷があったということは、みんな、城の下に住んでいた、つまりこの城は実用的ではなかったということなのでは?
と、疲れきった頭のなかにいくつもの「?」マークが並ぶ。
それはそれとして、今は石垣しか残っていないけど、城は明治時代に取り壊されたとのこと。もしもそのとき壊されずに今も残っていたら、どんなに壮観だったことか。世界遺産に間違いなくなっていたろうし、外国人も喜ぶ観光資源として、大活躍だったことでしょう。高取の町もそのお膝元としてたくさんのホテルが立ち並んでいたのではないか。どんどん想像(妄想)が膨らんでいく。
さて、城跡はこのくらいにして壺阪寺に向かおう。
た思うのだが、下り道も結構きつい,
だいいち、道なのかどうかがよくわからない場所もある。道が崩れていてロープを伝って降りるしかないところもある。
はあはあしていたら、道路に出た。国有林の看板も立っている。
そこから再び山道に入る。そしてかなり歩くと、おお!観音様がたくさん!
そしてふと見上げると、大きな岩に羅漢像が彫られている。なるほど、これが五百羅漢か。それにしても、よくもまあこんなに不便なところに作ったものだ。
そこから急なところを降りたりして道路に出て少し歩くと、ああ、壺阪寺が見えてきた。ほっとする。
でも、入り口はどこだ?
結構歩いて、ようやくバス乗り場に降りるところに出る。
大型バスが結構止まっている。そうか、ここは西国三十三ヶ所の札所でした。
ここの観音様は目の病気に「効く」とのこと。
まずはおなかがすいたので境内にある「つぼさか茶屋」できつねうどんをいただく。800円は高いなあと思いながら食べたのだが、ここの人気メニューはさらに100円プラスしたカレーうどんか、山菜うどんだったらしい。
三重塔の周りではあじさいが咲いていてなかなか絵になる。
本堂は「礼堂」と「八角堂」から成っていて、入ると、おお!ご本尊の観音様。これはかなりエキゾチック!すごい迫力ですね。
ここは澤市とお里の物語の舞台とのこと。その「物語」自体を知らないのだが、座頭の澤市が、自分がいたらお里が不幸になると身投げをし、お里も後追い。それが観音様のお慈悲で命は助かり目も見えるようになったというお話。
その澤市の杖というのが特別展示されていて、触ると夫婦円満のご利益ありとのありがたい話。もちろん触りました。
本堂内にはいろいろ展示されている。本堂の裏側に出てみると、二上山が見える。ここでは目の病の祈祷を受け付けていて、申し込むとそれ専用の御朱印もいただけるのだが、まあ、それはいいでしょう。
帰りはバスに乗ろうと思っていて、その時間が気になってきてここからはかなり駆け足。
境内あちこちにどてかい仏像がおられます。
めがね供養観音というのはなかなか面白い。実際にめがねが置かれている。お釈迦様の生涯を描いたレリーフがなかなかの迫力で、時間あればじっくり見たいんだがそれはまたの機会に。
境内のなかで、道路の下を通って行くところにとっても巨大な観音立像とこれまた巨大な釈迦涅槃像がある。観音様の手がごろんと置かれていたりもする。異空間の雰囲気が立ち込める不思議空間。でもとにかく先を急ぐ。桜の時期には「桜大仏」になる釈迦座像もちら見で済ませて手口へ急ぐ。
ああ、間に合った。
壺阪山駅に戻ってから、朝行った子嶋寺のすぐそばにある光栄寺へ。ここの庭に「人面石」があるというのだが。
ああ、これか。
確かに人面だ。これは面白い。でも、わかりにくい。もっとわかりやすい看板を出すなりしていただきたいところ。さらに欲を言えば、石の向きを少し変えて、見やすくしていただけないものかなあ。
さて、これで高取で見るべきものは見たと思うんだが、せっかくなので近くにあるらしいキトラ古墳に行きましょう。
少し歩くと古墳に着く。本当に近いんだ。
古墳は二重構造の円墳。大きな円墳の上に小さな円墳がちょこんと乗ってる。
これが、高松塚とならんで、他に例を見ないすばらしい壁画残されていた場所だとはとても思えないくらいにちょこんとした外観。
近くに展示施設があるのでそちらへ。一階はどうやら本物の保存施設らしく、中の方は真っ暗。もちろんフラッシュ撮影は厳禁。何も見えないけど、なんだかすごい。
地下の方には石室のレプリカとかもあって、こちらは撮影自由。
石室レプリカにも頼めば中に入れるみたいなんだが、まあ、外からのぞくだけでも充分興奮できる。なお、レプリカに傷をつけたら賠償してもらうとも書いてある。
驚いたのは、入り口の朱雀。ここは盗掘にあっていて、賊は石室の入り口を破壊したわけだが、朱雀の絵は奇跡的にギリギリ破壊されなかったのです。賊はそんなこと知らなかったろうし、知ってても関心なかったろうし、そもそも石室の外からはどこに絵があるかなんてわからないし、破壊されなかったのは本当に偶然なんだけど、そのようにして残ったというのはすごい。奥の正面には玄武で、これはきれいに残っているのだが、左右の白虎と青龍は傷みが激しい。
これらの壁画を巨大に拡大した映像も映されていて、すごい迫力。
そして天井には満点の星。高松塚にも星座は描かれているのだけどそちらは抽象的というか理念的な星座で、こちらは具象的というか本物に近い描き方になっていて、そういうのは日本で唯一とのこと。とにかくすごい。
発見当時のNHK映像も上映されていて、最初はファイバースコープで中を見て、とんでもないものがあることがわかってから、あまりにもろい壁画を壊さないように大変な苦労をしたことがわかる。
なかなかすばらしい展示施設。そして、入場無料。
なお、「キトラ」という名前には諸説あり、「亀虎」とは限らないらしい。
いやあ、すばらしかったですね。
感動しつつ明日香の風景をながめつつ飛鳥駅を目指す。途中、方向を間違えてしまったりもするけど、なんとか「猿石」にたどりつく。朝に行った高取山の猿石と同じく江戸時代に掘り出されたもので、今は内親王陵内に置かれている、謎の石像。飛鳥にはこの手の謎の物が多すぎる。でも、「猿」ではないなあ。
飛鳥駅まで歩いて、これで今日の散策はおしまい。
いただいた御朱印
壺阪寺
6月24日(日)の朝ごはんは、
天王寺の「パールズ」のツナサンドのモーニング。550円
ツナサンドは少ししょっぱい。
近くでフレンチトーストを食べていて、これはなかなかうまそう。
6月24日(日)のお昼は、
奈良県高取町の壺阪寺境内の「つぼさか茶屋」で、きつねうどん。800円
いつも思うんだが、関西のうどんは結構しょっぱい。見た目は薄いんだが。
この店の名物はインドカレーなのだろうか。
隣の席で、この前のテレビに出ていたとかなんとか言ってるんだが、どのメニューなのだろう。きつねうどんではないと思う(笑)。
6月24日(日)の夕ごはんは、
天神橋筋の一丁目のアジアン料理店で、ほろ酔いセットに空芯菜とにんにくの炒め物。
自家製のチャーシューが、ちょっと変わった香りもして、なかなかうまい。
他の店はえらく混んでいるのに対してここは他に客がまったくいないので、落ち着ける。