5月18日(土)は、秘仏めぐり。

毎月18日は観音さまのご縁日なので、藤井寺付近の3つのお寺が秘仏を御開帳(なぜか観音さまでない仏さまも。)。それとは別に西宮にある神呪寺(かんのうじ)が毎年5月18日だけご本尊の秘仏を御開帳。そこで、この合計4ヶ所を回ることにして、ついでに世界文化遺産がほぼ決まった古市古墳群にも立ち寄る。意外に風が冷たい。

今日、とても驚いたことが二つ。一つは、大阪の「柏原市」の読み方。てっきり「かしわばら」だと思っていたら、「かしわら」だった。近鉄の駅の放送で知った。でも、同じく近鉄で行ける奈良の橿原が「かしはら」なのと、とても紛らわしいのではないか。

もう一つは、近鉄の堅下(かたしも)駅の堅下が、「カタシモワイン」の「カタシモ」であることに気づいたこと。

この二つとも、現地に行ってはじめてわかったこと。やはり、現場に行くことが大事。

阪急梅田駅→(阪急神戸線)→夙川(しゅくがわ)駅→(阪急甲陽線)→甲陽園駅→(徒歩約30分)→神呪寺(秘仏のご本尊の如意輪観音像ほか拝観)→甲山大師前駅バス停→(阪神バス)→JR西宮駅→(JR神戸線)→大阪駅→(大阪環状線)→天王寺駅→(立ち食いそば食べる。)→大阪阿部野橋駅→(近鉄南大阪線)→藤井寺駅→葛井寺(秘仏のご本尊の千手観音像を拝観)→アイセルシュラホール(藤井寺市のマンホールカードもらう。)→仲哀天皇陵→野中寺(やちゅうじ。秘仏の弥勒菩薩像を拝観)→野々上八幡神社→応神天皇陵→道明寺(秘仏の十一面観音像を拝観)→道明寺天満宮→道明寺駅→(近鉄道明寺線)→柏原(かしわら)駅→柏原黒田神社→堅下駅→(近鉄大阪線)→鶴橋駅→延羽の湯(温泉につかる。)→鶴橋駅→(大阪環状線)→京橋駅→(東西線)→大阪天満宮駅

32709歩

神呪寺、野中寺、そして柏原は初訪問

阪急甲陽線、近鉄道明寺線は初乗車で全線乗車。いずれの路線も出発して二駅で終点。

いただいた御朱印

神呪寺(如意殿)、野中寺(薬師如来)、道明寺(十一面観世音)

 

 

【神呪寺へ向かう】

今回の秘仏は藤井寺付近のグループ(3寺)と西宮(神呪寺のみ)に分かれていて、どちらから回るか多少悩み、結局直感で神呪寺を先に回ったんだけどこれは正解だった。

梅田の阪急駅近くで信じられないほどうまいパンケーキを食してゴキゲンになってから阪急の神戸線、そして夙川(しゅくがわ)で甲陽線に乗り継ぐ。甲陽線には初乗車。

夙川を出ると、苦楽園、甲陽園と、いずれも「園」が付く駅。何か謂れがあるのだろうか。ずっと公園のような感じの隣を走っていて、関係ありそう。

終点の甲陽園で降りると、何もなく、普通の住宅街。いや、普通ではない。山が迫っていて、かつ、山の斜面に家がたくさん建っている。神戸みたいなイメージ。

駅に地図があるにはあるのだけど神呪寺が範囲外。実は神呪寺への道が書いてあるガイドブック(駅からウォーキング関西)を宿舎に忘れてきたのでした。

仕方ないのでスマホで調べると駅前の道を少し歩いて大きな(といっても、比較的、という程度の話。)道にぶち当たったらそこで左折してひたすら進めば良いらしい。

進んでいくと、地下壕の説明がある。戦時中、紫電改を作るために地下壕を作ったとのこと。この周辺は花崗岩が風化したもろいところなので、埋め戻したとのこと。おいおい。そもそもそんなところに地下壕を作ってはいかんのでは。それにしても、このあたりにはえらく豪勢な感じの家が多い。道から門まで登っていく構造。門から先は平坦なのだろうか。

大きな通りとぶつかった。これが甲山大師道。ここからむちゃくちゃ登りがきつい。これ、かなりすごいぞ。家も懸造り(かけづくり)みたいになっている。京都の清水寺みたいな、あんなやつ。

思うのだけど、こういう、ものすごく坂のきつい場所って、若いうちはいいのかもしれないけど、歳をとって足が弱ったらとても住めないのではなかろうか。駐車場から玄関まで階段をずずっと登らないといけないところもあるわけで。

そんなことを思っていたら、甲山森林公園に着く。でも、そこから先の道がえらく狭い。車も結構走っていて、これはなかなか怖い。

そうしたら、ようやく神呪寺に到着した。やれやれ。足は既にがくがく。だらしない話だけど仕方ない。

実は、歩いてきた車道とは別に歩行者用の道もあったらしい。なあんだ。

【神呪寺】

山門がなかなか立派。そしてそこからずずっと本堂まで石段が続いている。これはなかなか良い感じ。「融通観音大祭」と書いてある。石段をずいずい登って本堂へ。かなりたくさんの人が来ている。

本堂のご本尊は外からもわずかに見えるのだけど、お堂の中にも入れる。脇の方に入り口がある。葉書を持っていない方は住所をお書きくださいとのこと。来年、案内の葉書が届くらしい。ちょっと来年は来るのは難しいような気もするのだけど・・・

なんと、拝観料は無料。これはすごい。

仏像の案内を渡され、それには如意輪観音坐像(重要文化財)、弘法大師坐像(重要文化財)、不動明王坐像(重要文化財)、聖観音立像(重要文化財)の説明。このうちの如意輪観音坐像が、一年に一度の仏さま。何と、そのすぐそばにまで近づいて拝観できる。触ろうと思えば触れる。やらないけど。

この観音さまは、観心寺(大阪府河内長野市)、室生寺(奈良県宇陀市)と並んで三大如意輪。他の二つは見たことは見たのだけど記憶があまりはっきりしないのが正直なところだけど、おそらくはきれいに整ったお顔だったはず。ところがこちらの観音さまは人間離れした整い方はしておらず、とてもリアルで人間っぽい。これは面白い。あまりそういうことは書かれていないと思うけど、かなりユニークな観音像では。

といっても、行列を作って順番に拝んでいるので、実際に仏さまを間近に拝観したのはほんの短時間のこと。

仏さまを一通り拝観してから少したつと着飾ったお坊さんたちが入場。そして法要が始まる。これを拝見できたので、先にこちらにお邪魔して正解だったと思うわけ。

お経なのかなんだかわからないことを読み上げながら、僧侶が散華をはらりと後ろに投げる。これはなかなか美しい。でも、あの角度で投げられると、散華は堂内に座っている、おそらくは檀家などの関係者にしか届かないのです。まあ仕方ないけど。

しばらく儀式を見てから退出。

甲山の説明が書いてあって、甲山は安山岩、周囲は花崗岩とのこと。ブラタモリみたいだなあ。甲山の名前の由来は、神功皇后が甲を埋めたこととのこと。

確かに兵庫県には神功皇后がらみの場所が多いように思う。前に神戸の御影に行ったら、神功皇后が顔(御影)を映した井戸が地名の由来だと書いてあったのでした。

石段を下りたところに池があり、睡蓮がきれい。

【阪神バスで西宮駅へ】

近くにバス停がある。さっきの危ない道を歩くのも面倒なのでバスに乗ろう。

阪急と阪神のバス停なんだけど、阪急の行き先がまったく知らない場所。阪神はJRと阪神の西宮駅に行くようなので、そっちに乗ることにする。

バスは大師道を降りてから甲陽園駅とは逆の方向に向かっていく。広田神社前というバス停がある。これには興味が引かれるのだけと、まったく知らない土地だし、とうやらまだ駅は遠そうなので今回は断念する。

【葛井寺へ】

JR西宮駅で降りて、大阪駅へ戻り、環状線に乗り換えて天王寺駅へ。

いつも思うのだけど、大阪環状線は「環状線」ではないと思う。現に今日乗ったのも、紀州快速すなわち和歌山行き。天王寺から先は京橋方面に進むのではなく、「環状線」を外れて阪和線に入るわけです。山手線のようにずっとぐるぐる回るわけでもないのに「環状線」と呼ぶのはおかしいのではないだろうか。

それはともかく天王寺駅でそばをすすってからあべのハルカスの下にある(もちろん、駅の上に後からハルカスを作ったんだけど。)近鉄大阪阿部野橋駅へ。

ここから河内長野行きの南大阪線に乗って今度は藤井寺に向かう。考えてみれば、前回藤井寺に来たのは、3月の梅の季節。その時は道明寺天満宮の梅園に来て、そのついでに藤井寺、さらには応神天皇陵や誉田(こんだ)八幡宮まで行ったのでした。

藤井寺駅で降りて、葛井寺にむかう。発音は「ふじいでら」だけど、地名は藤井寺、お寺は葛井寺。面倒だ。アーケードを過ぎるとそこは葛井寺。

おっ!御朱印をいただこうという行列ができている。前に来たときは人があまりいなかったのに。屋台のおっちゃんが、「令和の時二時間待ちだった」と話している。「令和の時」というのは、おそらく、令和元年の初日の5月1日の意味。あちこちの寺社が大にぎわいだったらしい。ちなみに私もその日にお寺に行ったけどその日の御朱印はいただいておりません。

別にそのような御朱印が欲しいとは思わないのでその列は無視してご本尊拝観の方へ。拝観料は500円。

こちらは仏像の間近までは行けない。こちらの最大の特徴は、手の数。千手観音の名の通り、千本の手があるらしい。確かにみっしり。生えている、という感じ。この手の数の多さは、苦しんでいる人の救済を表している。

本堂の奥の方では、葛井寺をテーマにしたテレビ番組を録画したのを上映。

【古市古墳群】

葛井寺の山門を出て、まっすぐ進む。このあたりは昔の土蔵がそのまま残っていて、なかなか良い感じ。酒蔵もある。

次に目指す野中寺(やちゅうじ)はまだまだ先なのだけど、その途中にアイセルシュラホールがある。これは、藤井寺市の生涯学習施設。「シュラ」とは、修羅のことで、古代に古墳の材料の巨石を運んだそりのこと。この建物の形も修羅をもじったもの。こちらでマンホールカードをいただける。

少し進むと仲哀天皇陵(岡ミサンザイ古墳)。仲哀天皇ご自身はあまりご活躍しておられず、后の神功皇后や息子の応神天皇の方が有名ですよね。

驚いたのは、この天皇陵の入り口のところで立ちしょんべんをしているおっちゃんがいたこと。

何ということ。このおっちゃんには天罰が下るのでは。

【野中寺】

さらに進んで野中寺(やちゅうじ)に到着。

あれ?

秘仏御開帳といった表示がない。人もいない。

ちょっと戸惑いつつ、境内へ。

よく知らなかったのだけどここはかなり歴史のあるお寺で、飛鳥時代に建立されたもので、聖徳太子ゆかりの「河内の三太子」の「中の太子」とのこと。上も下もお参りしたことがないのだけど。

戦乱で伽藍は焼失して、今の建物は江戸時代以降のものとのことなんだけど、以前の礎石が残っていて、史跡指定されています。

本堂は薬師如来を安置し、その隣には地蔵堂があって、さらにその隣には石棺が置かれている。これは別の場所で発掘されたのをもってきたとのこと。どうしてここで展示しているのかは説明がない。

奥の方に寺務所があるようなのでそちらに行くと、そこが拝観受け付け。拝観料は500円。

庭に面した部屋に案内されると、先に三人の参拝者がいて、その前に弥勒菩薩像が安置されている。金属製で、かなり小さい。いかにも飛鳥時代風な、固い感じの表情。説明は途中から聞いたのだけど、像の台座の銘文が結構見えるとのこと。すぐ近くから見ると確かに文字が読める。

地蔵菩薩像も拝観できる。

墓地にはお染・久松の墓があるとのことなので行ってみる。確かにある。しかし、その「お染・久松」なるものを知らないのでなんとも。このパターンは、たぶん浄瑠璃とかの題材になった心中カップルなのでは。お初・徳兵衛のような。

【応神天皇陵】

お寺の前の通りをたらたらと歩いていき、応神天皇陵に向かう。この周辺はあちこちにこんもりした木の植わっている場所があるんだけど、おそらくそれは古墳。

すべてが世界文化遺産(予定)の構成資産なのかは知らないけど、でも、こんなにたくさんあるのはすごい。この地域は都市化圧力がかなりすごいわけで、現にたくさんの古墳が住宅に変貌している。そんな中、天皇陵として宮内庁が管理しているのはともかくとして、そうでないものを保全できたというのはなかなかすごいこと。

と思って進み、突き当たりを左に曲がり、進んでいくと、右側に開けた場所があって、応神天皇陵の説明がある。緑の地帯が続いているのだけど、これは壕の外側。よく見ると、前方後円墳のくびれらしいものがわかる。

天皇陵の奉拝所まで行くと、何人かが来ている。やはり、世界文化遺産が確実になったというのが影響しているのだろうか。

【道明寺】

時刻を見ると、ちょっとやばい。最終目的地の道明寺の秘仏御開帳は午後4時までで、これでは間に合わないかもしれない。焦りながら道を急ぐ。

今年の3月に、道明寺天満宮の梅を見に来てそのついでに散策していた時に見たことのある道明寺の入り口が見えてきた。ああ、間に合った。

境内に入ると、いつもは閉じられている本堂が開帳されている。拝観料は500円。

本堂に入ると、ご本尊の十一面観音立像がガラスに覆われている。とても整った感じの仏さま。

【道明寺天満宮】

これで今日の目的は達したわけだが、せっかくなのですぐ近くの天満宮へ。本殿の裏手の梅林にも行ってみる。ここには花が咲いているときに来たのだけど、もちろん今は咲いておらず、青々とした葉っぱの中に実がたくさん実っている。

ここの境内には古代のそりの修羅が復元展示されていて、その隣には大坂の陣の道明寺の戦いをモチーフにした絵画作品が展示されている。後藤又兵衛、真田幸村(信繁)、伊達政宗のイメージとのことで、又兵衛が真ん中。アート過ぎてよくわからないのだけど。

道明寺駅に行くと、駅前には道明寺の戦いの記念碑もたっている。

【近鉄道明寺線】

まだ午後4時を少し過ぎた時間帯。大阪市内に帰るにはちょっと早いか。

道明寺駅から近鉄の盲腸線のような謎の路線が出ているので、せっかくだからその道明寺線に乗って終点の柏原まで行くことにいたしましょう。

道明寺駅に入ると、ICカードを使って柏原駅で降りる場合はタッチしてね、ということをしつこく書いている。

そして、駅の放送を耳にして驚いたのが、柏原を「かしわら」と呼ぶこと。てっきり、「かしわばら」だと思ってた。柏原芳恵も「かしわばら」だし。

そして、放送では「かしはら行きの急行が」云々とも言っている。この「かしはら」は奈良県の橿原。つまり、道明寺からはかしわら(柏原)とかしはら(橿原)の両方行きが出ているということ。これ、乗り間違える人がいないのだろうか。

発車すると車窓はのどかな田舎の感じに。そしてたった二駅で終点の柏原駅に着く。

ホームには、確かに、近鉄から降車する人はタッチしてねというものがある。でも、こことは別に改札を出るときにもタッチをするのだけど、これはどうことなのだろう。

【柏原】

駅を出ると、農事試験場の解説がある。

駅の近くに柏原黒田神社というのがあるらしいので、お参りすることにする。駅を出て適当に歩いていたらかなりの大回りになってしまったけど、何とか黒田神社に到着してお参り。こちらはもとは別の神社だったのだけど戦後の復興の時に藤井寺にある神社から分祀したものとのこと。

柏原駅に戻ったけどそのままもう少し歩くと、近鉄大阪線の堅下(かたしも)駅があるようなのでそこまで歩きましょう。

柏原市のマンホールはブドウをデザインしたものらしく、向こうの山には「柏原のぶどう」のでっかい看板もある。そうか、ここはぶどうの産地なんだ。カタシモワインの「カタシモ」って、この「堅下」のことだったんだ。

堅下駅のホームで待っていたら、えらく待つ。特急とかがぶいぶい通過するのです。このような小さな駅はなかなか電車が止まらないみたい。近鉄の特急は有料だからわかるけど、それ以外の急行とか快速急行とかいったたぐいのやつは、どれがどれだかさっぱりわからない。

と思いながらようやく来た電車に乗り、鶴橋で降りる。

【温泉】

焼き肉の臭いが立ち込める駅から出て温泉のスーパー銭湯「延羽の湯」へ。

特にくせのないあっさりしたお湯につかる。

ここに入ったのはたぶん2回目だけど、鶴橋だからコリアンの会話が多いのかなあと思っていたら、そうでもない。

これで、今日の散策はおしまい。

 

 

5月18日(土)の朝ごはんは、

梅田地下街の「ベルヴィル」のミルフィーユパンケーキのモーニング。2枚でドリンクついて390円。ちなみに4枚だと490円

うそっ!

何、これっ?

信じられないくらいにふわっふわっ。

口のなかで本当にとろける。

これは悶絶。

おかわりしたくなる(笑)

サラダとかのついたトーストなどのモーニングもあるのだけど、メニューにでっかく書いてあり、看板メニューらしいものなのでこれにしたのだけど、これは正解。

なお、大阪の喫茶店なので、店内は煙い煙い。

大阪府大阪市北区角田町 梅田地下街 ノースモール1

 

5月18日(土)のお昼は、

天王寺駅の「南海そば」のいか天そば。390円

う~む。

駅の立ち食いそばは嫌いじゃないんだけど、これはちょっとぐちゃぐちゃ感。天ぷらもなんだかなあ、。

5月18日(土)の夕ごはんは、

「餃子の王将」で、中華そばと餃子。

831円