2月7日は、京都府南部の南山城地方を散策。この、京都と奈良に挟まれた地方には、実はなかなかすばらしいお寺が散在しているのです。昨年(平成25年)には、南山城の古寺をテーマにした展示が京都国立博物館で行われたくらいですから。

そのついでに(どちらが「ついで」なのだろう?)温泉に入ってくる。35,149歩。今の歩数計で測り始めた1月14日以降で2番目に多い歩数。ちなみに、一番多いのは奈良の若草山山焼きを見に行った1月24日の49,004歩。

 

京田辺市の酬恩寺(一休寺)

→京田辺市の観音寺(御本尊の十一面観音菩薩立像は国宝)

→笠置町の笠置寺(弥勒磨崖仏が有名)

→笠置町の日帰り温泉施設「わかさぎ温泉」に入浴

 

京都駅から近鉄奈良線に乗って新田辺駅へ。本当はJR奈良線で行くつもりだったんだが、次の電車までかなり間隔があったので近鉄にしたのです。そのくらい行き当たりばったりばったりの無計画な散策というわけで。

新田辺駅からJR京田辺駅を経由して酬恩庵に向かう。途中、なかなか良さそうな神社があったので立ち寄る。棚倉孫神社です。お参りしてからふと見ると、なんと、野菜で作ったお神輿すなわちずいき神輿が展示されているではないですか!京都の北野天満宮のそれは見たことがあるけど、こんなに近くからじっくり見られるというのは、というか誰も見ていないから触ろうと思ったら触れちゃうように無造作においてあるんだがもちろん触りませんけど(キッパリ!)、とにかくすごい!こういう、お思いがけない宝が転がっているから、散策はやめられないのです。

それはともかく、元の道に戻って酬恩庵に向かう。あちこちに一休さんの絵やらエピソードとかが書かれている。そう言えば、近鉄新田辺駅とJR京田辺駅の前に、ほうきで掃除をしている一休さんの像が立っていたなあ。そうです、酬恩庵の通称は一休寺。一休さんが晩年を過ごしたお寺なのです。

9時過ぎにお寺に到着して拝観。拝観料は500円。

まずは一休さんのお墓を見る。と言っても扉ごしですが。扉には菊の御紋。だって、一休さんって、皇族なんですもの。だからこのお寺は宮内庁の管理。

方丈の枯山水を見る。なんと、そてつが植えられている。枯山水にそてつというのもなかなか衝撃的な組み合わせ。一休さんのお墓の建物の屋根が借景になっています。なかなかすばらしいながめ。方丈の中には一休さんの像が祀られている。ご本人の毛やひげが植え付けられているのだそうです。襖絵は狩野探幽というのが、正直言ってこの手のはよくわからないのだ。う裏手の庭も、遠くの景色と一体になって、なかなかみごと。通る場所が狭いのでじっくり見ていて良いのかためらわれるのだが、なかなかすばらしい。

御朱印をお願いしようと思ったんだけど、誰もいないので、いったん方丈から出て、また戻ってくることにする。

本堂にお参りしてから境内を散策。ここにも一休さんの像はあるし、「このはしわたるべからず」と書いた札が橋の隣に立ってます。最近作られたと思われるなこなか変わった形の像もたくさん立っている。

墓地には、戦国大名六角承禎の墓があります。南近江の観音寺城(安土城のすぐそば)にいた大名で、織田信長の上洛を妨害する役割で登場しますね。

方丈に戻ったら、係の人がいたので御朱印をお願いして方丈をもう一回回る。さっきは誰もいなかったんだが、今度は男女のカップルとか親子連れとかが来ている。子供たちはアニメの一休さんを知っているのだろうか?一休寺納豆を試食させていただく。大徳寺納豆と同じ物だと思うけど、やはりかなりクセがある。

門を出たら、「薪神社」というのが近くにあるらしいので立ち寄る。「能楽発祥の地」の碑が立っているのだが、解説がありません。どういうことなのだろう?

来た道を戻ってJR京田辺駅から学研都市線(片町線)で三山木駅へ。途中の同志社大前駅までは便が多いのだが、そのとなりの三山木まで行く便は30分に一本。

駅前のまいどおおきに食堂で昼ごはんを食べてから観音寺に向かう。遠くの丘の上には同志社大の建物が見える。京都上京区にある建物と同じ色のレンガ作りなんですね。こだわりがあるのだろうか?

20分くらい歩くと鶏肉料理のお店が見えてくる。しまった!既に昼ごはんは食べている。とってもおいしそうな雰囲気が店全体から漂ってくるのだが。「香珍」という表記があるのだけど、コーチンって、こう書くの?

その先にようやく観音寺が見えてくる。途中に案内図が全くないのでちょっと心配になっていたのです。

受付に声をかけて、本堂を案内していただく。拝観料は400円。御本尊の十一面観音像を開帳していただく。

ああ。

これは、すばらしい。

金がほとんど剥がれていて、その下のうるしがむき出しになっているので、全体が黒く見えるのだけど、それが重量感を感じさせている。すぐ近くまで行って手を合わせます。ありがたいありがたい。説明によると、十一面観音像で国宝に指定されているのは全国で7体あり、奈良時代作なのはこちらを含めて2体とのこと。いやあ、すばらしいの一言。それ以上言える言葉がないです。

お堂の外には竹が並べられているのだけど、これは奈良の東大寺のお水取りに使われる竹とのこと。

お堂の隣の高台に登ると、昔の塔の礎石が残っている。昔はとても大きなお寺だったんだけど、平重衡による南都焼き討ちなどでみんな焼けてしまい、今は本堂一つが残っているだけなのです。

三山木駅に戻り、ここで30分電車を待つ。近くに寿福寺があるのだけど、拝観には事前予約が必要とのことで、今回はやめておく。

学研都市線で木津駅まで行き、大和路線(か関西本線てで加茂駅へ。ここで関西本線に乗り換えるのだがここでも30分待つ。このあたりの時間のロスはややもったいないか。

関西本線はなんと一両編成。JRで一両編成というのは珍しいのではないだろうか。鉄オタではないので(笑)、よく知らないが。

電車内の案内を見てびっくりしたのは、この先ではICOCA(東日本のSUICA)が使えないということ。まだ時間があったので、いったん改札を出て、笠置駅までの200円の切符を買ったのです。仮にも「本線」を名乗っているのだら、ICOCAくらい使えるようにはできないものなのでしょうか。

笠置駅までの車窓風景はなかなかすばらしい。渓谷の向こう側の山の中のあちこちに、観光地っぽい建物がちらほら見える。

笠置駅を降りると、いきなり、合戦をしている像というか人形みたいなのが目に入ってくる。元弘の変の際に後醍醐天皇が笠置山にこもったわけだけど、その際の戦いぶりを示しているわけです。

少し歩くと、「登山口」との表示があり、ここからかなり急な坂が続く。30分以上かかってはあはあして、ようやく寺に到着。拝観料は300円。

ちょうど団体客が来ていて、お寺の人が大きな声で解説しているので、一緒に聞く。お堂ができる前から人々は大きな石を信仰していたという趣旨のお話。

ものすごくでっかい石を見上げながら進むと、磨崖仏が見えてくる。残念ながら元弘の変の火で傷んでいて、肉眼では全くわからないのだけど、最近、デジタル技術で弥勒菩薩のお姿がわかってきたのです。これ、この前の歴史秘話ヒストリアにちょこっと紹介されていました。

ここから狭い道を進むと、どでかい虚空菩薩磨崖仏。こちらは肉眼ではっきりわかります。進んでいくと、巨石がごろごろ。岩の間のかなり狭い所を通る場所もある。上の方からのながめはなかなか良いです。向こうの山は桜かなあ。

後醍醐天皇行在所を見学してから降りていくと、入口に戻る。宝物館に十一面観音像。こちらは金色のまま。かなり修復されていて原型とは変わっているらしい。文化財指定はないようです。

来た坂道をがくがくしながら降りていき、駅の近くの天然温泉「白さぎの湯」に入る。入場料は800円。お湯は透明で、ぬるぬるする。いやあ、気持ち良いのだ。露天風呂もあって、そこから庭に出て外をながめられるみたい。寒いので、そこまではしませんが。温泉だから、お湯から出ても体がぽっかぽっかするのです。

笠置駅は窓口が閉まっていて完全に無人になってます。この駅から電車に乗るのは、私一人。寂しい駅です。

関西線で加茂駅へ、そこで大和路線(関西本線)に乗り換えて木津駅へ、そこで奈良線に乗り換えて京都駅へ。

なかなかすばらしいお寺を回れて温泉にも入れて有意義でした。

いただいた御朱印

酬恩庵(一休寺)

観音寺

笠置寺

 

 

 

 

平成27年2月7日( 土)の朝ご飯は
いわし明太+はたはた鍋残り+からし菜おひたし+梅干し+大安節分大根+淡路島牛乳
晴れて、とても寒い!風が冷たい!霜が降りてる!
これから、南山城に向かいます。

 

 

 

平成27年2月7日( 土)の夕ご飯は
イオンで刺身が半額になるのを見計らって(笑)、刺身たくさん(ぶり、びんちょうはぐろ、甘えび)+めかぶ+白菜と壬生菜と油揚げのみそ汁
温泉のおかげで体はぽかぽか。