2月2日(土)は、京都に出かけて「京の冬の旅」と壬生寺と吉田神社の節分を見る。

吉田神社の鬼を見たかったのだけど、30分前に到着したのでは遅すぎて、肉眼では全くわからない。撮った映像をよく見たら何か映っているかも。

大阪駅→(JR京都線)→京都駅(朝ごはんたべる。)→(市バス)→御室仁和寺→転法輪寺→蓮華寺→御室駅→(嵐山電鉄北野線)→帷子ノ辻駅→(嵐山電鉄嵐山線)→四条大宮駅→(親子丼食べる。)→壬生寺→善想寺→大宮駅→(阪急)→四条河原町駅→祇園四条駅→(京阪)→出町柳駅→吉田神社(大安の節分沢庵を買う。)→百万遍→(市バス)→京都駅(パスタ食べる。)→(JR京都線)→大阪駅

21287歩

いただいた御朱印

転法輪寺、善想寺、吉田神社

【京都駅の土井】

京都駅に着いたらまずは朝ごはん。八条口には朝ごはんを出すお店がいくつかある。

いつも行列ができている竃炊きたてごはん土井に行列がなかったので入ってみる。朝9時で、開店したばかりだからなあ。

朝ごはんバイキング800円。

ごはんとみそ汁はおかわり自由で、あとはバイキング。おかずは日替りらしい。このお店はしば漬けで有名な「土井」がやっている店なので、もちろん漬け物もたくさん盛り付けられている。

おかずは何種類かあるのだが、たとえば焼魚といった、メインとなるおかずがあるわけではなく、脇役的な、というか「ごはんのおとも」という感じのおかずが並んでいる。

たたきごぼうが、山椒がピリリ!としてとてもおいしい。やはり京都は山椒だな。

もちろん、漬け物もおいしく、なかでははくさいの漬け物が絶品。これはうまい。

【転法輪寺に向かう】

それでは、今日の最初の目的地の、「京の冬の旅」で公開している転法輪寺に行きましょう。駅の北口のバスターミナルへ。バスおたくなのだろうか、次々にやって来るバスをビデオ撮影している少年たちの集団がいる。26番のバスに乗る。バスは西大路通りを北に向かい、北野の手前の一条通で左折して西に向かう。そして、御室仁和寺のバス停で降りる。市バスは均一料金なのがうれしい。

目指すのは転法輪寺なのだけど、せっかくなので目の前にある仁和寺の仁王門をくぐってみましょう。

こちらの仁王はかなり朽ちている感じなんだけど、それがなかなかたまらない魅力。

この時間帯は境内にはまだあまり人はいないけど、4月の桜の時期になったらここは大変な混雑になるんですよね。ここの御室桜は、かなりの遅咲きで、京都の花見はここで終わるのです。

【転法輪寺】

仁王門の先に少し進んでから右に曲がり、そこの出口を出ると向かい側は蓮華寺。ここは後にお参りいたしましょう。左折して少し歩くと転法輪寺の、特徴的な、竜宮城みたいな門が見えてくる。

この転法輪寺は、「京の冬の旅」ガイドブック(200円。以下「ガイド」)によると、「「御室大仏」と裸の阿弥陀如来像を祀る寺」とのこと。拝観料は600円。

本堂に入ると、たくさんの人が来ていて、担当の方が寺の解説。途中、ご住職も登場してごあいさつ。

こちらのお寺はこれまでは檀家にしか見せていなかったのだけど、今の住職の考えとして、できるだけ一般にお見せしようということにしたのだそうな。

みんなが仏像の写真を普通に撮影していて、それって、いいの?と思っていたら、いいらしい。しかも、どうせならSNSにあげてほしいとも書いてあり、ぶったまげる。ここには文化財として保護しなければならないものもないので構わないと書いてあるんだけど・・・

ここは、江戸時代に関通上人が建てたお寺で、当時は北野にあったんだけど、だんだん騒がしい場所になってきたので昭和初期にもっと静かな御室に移転したのだとのこと。こちらのご本尊は京都市内最大のもので、「大仏」とも呼ばれていて、北野から御室に搬送するときに、市電の電線をどうするのかという問題が起き、市電側の英断で電線を切断したのだそうな。それは確かにすごい。

この「御室大仏」は、桜町天皇追善のために作られたもので、光背には天皇の鏡がはめ込まれています。

説明では触れられなかったけど、この桜町天皇は、女性天皇なんですよね。それを知らないと、鏡がどうこう言われてもピンと来ないのでは。

一方、本堂の外が騒がしい。やたらとよく通る声で話をしている女性がいる。京都にはまだ行ったことのないお寺がたくさんありまして、などと話しているのだけど、とにかくうるさく、そのせいで、解説の声がよく聞こえない。邪魔だなあと思っていたら、「今日は転法輪寺からの中継です。」と言い出した。京都放送KBSラジオの生放送が始まったのでした。

本堂の向かって左側には涅槃図がかけられている。作者はわからないらしいけど、なかなか立派なもの。江戸時代には海外の動物の実物を見ずに想像で書いているので、虎と豹が雄雌に描かれていたり、犀が、甲羅を背負った鹿のように描かれているのが面白い。そして、こちらの涅槃図には、猫も描かれている。基本的は涅槃図には猫は描かれず、だから東福寺の涅槃図は猫の描かれているものとして人気があるのだけど、こちらのお話では、江戸時代になると猫は結構描かれるようになったのだとのこと。

ここには日本で二番目に大きい木魚というのもあるのだけど、一番というのはどこにあるのだろう?

ご本尊の後ろ側に回ると、裸体阿弥陀如来立像が安置されている。こういう仏像は全国に5体しかないとのこと。裸体に袴のようなものをつけている姿。

本堂から出ると、座敷にいろいろ展示されている。開山の関通上人の座像もあるのだけど、、顔が笑福亭鶴瓶にそっくりではないか。

今回の公開を記念した御朱印が5種類も用意されている。普通の御朱印もあるのだけど、それは御朱印帳を買わないと手に入らない。ちょっとどうなのかなあ、と思うところ。

【五智山蓮華寺】

転法輪寺はそのくらいにして、その近くの蓮華寺へ。

京都の「蓮華寺」といえば、右京区にある、紅葉がきれいなお寺が有名だと思うけど、こちら左京区の蓮華寺は「五智山蓮華寺」と呼んだ方がわかりやすいか。やはり目を引くのは、五智如来。

大日如来、阿閦如来、宝生如来、阿弥陀如来、不空成就如来の五智ですね。

不動堂にもお参りする。

【嵐電乗り継ぎ】

仁和寺仁王門から正面に進むとすぐに嵐電北野線の御室仁和寺駅に着く。右から読む「御室驛」の看板がなかなか良い。北野線で帷子ノ辻駅に向かうんだけと、この途中の鳴滝・宇多野間は「桜のトンネル」で大人気の場所。

帷子ノ辻で四条大宮行きに乗り換える。

【とり伊の親子丼】

四条大宮に着いて、さて、お昼はどうするか。ネットで調べたら、近くに親子丼がおいしいお店があるらしいので、猪熊通に出て、そこから南に向かうと、「とり伊」が見えてくる。店の中に入ると、おお、3人ほどが立って待っている。

店内は座敷もあるけど大半が向い合わせのカウンター。親子丼らしいものをかっこんでいる客もいるけど、お肉をじゅーじゅー焼いている客もいる。鶏肉を焼いたり鍋にしたりする鶏肉料理のお店が親子丼を出しているんですね。

もちろん、親子丼を注文。

なんと、690円。

おお、うまいっ!卵の濃厚なとろとろ感。鶏肉も旨味がすごい。全体の味付けはかなり濃い。

京都らしくさんしょうをかけると、味がまた新たな展開に。

さらに南に行った角は天道神社。

御祭神は天照大神、八幡大神、春日大明神。やはり鳥居は新明造り。

ここから西に向かい、大宮通を過ぎてさらに進むと屋台が見えてきて、人がどんどん増えてきて、壬生寺門前に到着する。

【壬生寺の護摩焚き】

たくさんの屋台がある中で、いかにも壬生寺らしいのは、奉納用の包絡を売っていること。一つ500円らしいんだけど、名前を書いてお寺に奉納したら、次の狂言のときにド派手に使ってもらえるわけです。使い方というのは、狂言の最後にどど~んと崩すのです。

お客さんは、包絡がみぞとに崩落するさまを見て大喜びするわけで。

境内はえらく混雑しているのだけど、まずは本堂にお参り。紅白の餅がみっしりと供えられている。こちらのご本尊は地蔵菩薩。

本堂の前には護摩焚きの準備ができている実際に始まるにはまだ30分あるけど、見るのによい場所はもう埋まっている。

しばらくしてほら貝が鳴って山伏が入場。山伏の問答が始まるのだけど、マイクの声は聞こえるものの、姿は見えない。どこなのだろう。

山伏問答というのは、やって来た山伏が本物なのかどうかを確かめるための問答で、山伏か身に付けているものとかの由来を尋ねるもの。

とにかくそのやり取りが済んで、山伏が本当に聖護院の山伏だと確認したあとは、山伏が四つの方角と護摩に矢を放つ。邪気を払う、ということらしいけど、これって、結構危ないのではなかろうか。観客からはどよめきがあがる。さらに、斧でえいえいと護摩に切りかかるしぐさをしたり、読経があったりして、いよいよ点火。まずは煙がもうもうと立ち上がってきた。私の立っていたところは比較的煙が来ない方なんだけど、風下の所はちょっとひどい感じに。あれは煙いだろう。煙の中から炎も立ち上がってくる。なかなか燃え方は良く、何度も水をかけている。積み重ねられている護摩木が次々に放り込まれて炎はますます立ち上がり、熱気が感じられるようになってくる。前に聖護院の護摩焚きを見たときには観客も一斉に般若心経を唱えだし、すごい感じになったのだけど、今回はそういうことにならず。

一通り護摩が焚かれた後、山伏が退場。

いやあ、なかなかすごかった。

護摩焚きの奥の方には壬生狂言の会場があり、この期間中は無料で見られます。そのせいか、大行列。これは前に見たことがある。

【善想寺】

次は、「京の冬の旅」で公開中の善想寺へ。

大宮駅まで戻り、大宮通を北に進む。普通に商店と住宅が混在している街で、こんなところに文化財ってあるのだろうか、と思って歩いていたら、唐突にありました。こちらも拝観料は600円。

本堂に上がると解説が始まっている。こちらのご本尊は阿弥陀三尊像(阿弥陀如来、観音菩薩(慈悲)、勢至菩薩(智恵))なのだけと、特徴は、阿弥陀三尊像か三組あること。確かに、それは珍しいのかもしれない。

善光寺を模した三尊は舟形の光背が見どころらしい。印の結び方が独自なのだそうな。

境内の墓所には石仏があり、その近くには池坊家の墓もある。でも、池坊といえば、六角堂(頂法寺)の住職なのでは?どうしてこのお寺に墓があるのだろう?

地蔵堂には、伝教大師最澄が彫ったとされる地蔵菩薩座像。田植えを手伝ってくれたので泥足地蔵とも、難産の苦しみを引き受けたので汗出し地蔵とも呼ばれているとのこと。

ちょうど今日の拝観受付が終わったところ。

午後4時というのはちょっと早いけど、この季節は早く暗くなるのでちょうど良いのかも。

さて、それではそろそろ吉田神社に向かいましょう。

【吉田神社の節分】

大宮駅から阪急で河原町に出て、四条大橋を渡る。ここか、の光景はやはりなかなか良いですね。寒いけど、鴨川にはたくさんのカップルが座っている。等間隔座りの法則はちゃんと守られています。

京阪の祇園四条から出町柳へ。百万遍で右折して吉田神社の正面に進む。京大の前の通りは屋台でみっしり。やはり、すごい。

本当にいろいろな屋台があるなあ。でも、ぶらぶら見ているわけにはいかない。鬼が登場するのは午後6時。既に時刻は5時を回っている。ちょっと間に合わないかも。と焦りつつ人混みの中を進んでいく。鳥居を過ぎたところの坂に通行規制がかかるのではと思ったんだけど、それはまだだった。

石段を上ると巨大なおたきあげが見えてくる。これの点火は翌日の午後11時。前に京都に住んでいたときに、これを見たかったのだけど、出町柳発の終電に間に合わないんじゃないかと心配で断念したのです。まして、大阪に住んでいる今は断念せざるを得ない。

拝殿の前がなんだかすごいことになっている。人がみっしりと立っているのです。鬼が登場するにはまだ30分あるのだけど、立錐の余地がないというのは、このこと。でも、こんなに離れていたら、鬼って、見えるのだろうか?

時刻になって、会場内がどよめく。一斉にスマホをある方向に向けているので、きっと鬼はそちらにいるのでしょう。こん棒らしいものがちらりと見えた。でも、それだけ。

こんなに狭い場所にこんなにたくさん集まるというのは、ちょっと無理があるのかも。

よくわからないうちに鬼の登場は終わったらしい。本殿への参拝もなかなかの混雑ぶり。とにかくなんとかお参りできた。

福豆を買う行列ができている。ここの福豆には豪華景品の抽選がついてるからなあ。景品が展示されているけど、車とか、すごいものが並んでいる。

さて、せっかくなので、もっと上にある大元宮まで行きましょう。吉田神社の節分と言えば、ここの通り道だよね。

ここからは坂道に屋台がたっている。お酒の店もあって。とてもおいしそうなんだけと、飲んだら無事に坂道を帰れなくなるおそれが。

上りきったところが大元宮。おお、行列になっている。いつもは大元宮の奥の方には進めないんだけど、節分のと気には入れる。大元宮はとても不思議な形をした建物。そして左右には全国の神様が祀られている。そして一番奥には内宮と外宮。ここにお参りすれば、全国の神々にお参りしたということになるわけです。

出口も行列がある。どうやら、ここも福豆の行列。縁起の良い売り場なのだろうか。有楽町の宝くじ売り場みたいな。

ここに漬け物やの「大安」が出店しているので、大根漬け物を買う。縁起物の節分沢庵だそうです。

おいしそうなお酒を横目でにらみながら坂道を降りていく。

料理の神様である山蔭神社にはうどんのお店が出ているのだけど、大行列ですね。前に来たときは呼び込みをしていたんだけど、今日は混んでいるなあ。

お菓子の神様とされる菓祖神社では参拝者にお茶が出るようだけど、ここも行列になっているのでスルー。

「豆政」の出店があるので試食。なかなかおいしい。鳥居を出たところに「順正」の出店がある。せっかくなので湯豆腐をいただく。

百万遍のバス停からバスで京都駅へ。

これで今日の散策はおしまい。