10月19日(日)は、二十五菩薩練供養が行われる即成院(そくじょういん。泉涌寺の塔頭)に行くことにして、その周辺を散策することに。要は、泉涌寺界隈ということだが。

 

いやあ、泉涌寺にはこれまで3回は行ったと思うのだけど、この周辺はあまりに見るべき寺が多すぎて、まだまだ回りきれない。今回も、結局回りきれていない。そういう場所が京都中にあるわけです。だんだん恐ろしくなってくるけど。

ところで、今日は、この二十五菩薩の他にも、上賀茂神社の笠懸け、野宮神社の斎宮行列、各地の神社のお祭りなどが集中する日。みんなはどうしているのだろう?

桂川からJR京都線(東海道本線)で京都駅に出てJR奈良線に乗り換えて最初の駅が東福寺。この駅って、京阪と乗り入れているせいでものすごく面白いのだけどそれはともかく駅前の本町通からすぐに九条通に登って左に進む。由緒ありげな萬寿寺が左手にあるのだけど、こちらは拝観やっていません。少し先の角から泉涌寺通に入って、あとはまっすぐ。途中、泉涌寺の門があって、まさにそこに今日のお目当ての即成院があるのだけど、まだ早いのでまっすく進む。

泉小中学校があるけど、これは去年は月輪中だったんだよね、小中一貫校になったんで名前が変わっているのだが、とにかくそこで右に曲がって月当りを登って行くと、悲田院に出る。おお!すばらしい!市内が一望ですよこれは!左大文字、鳥居、舟形などの送り火が見えるではありませんか。いやあ、これはすばらしい。ただ、残念なことに、お寺は閉まっている様子。これでは御朱印もいただけない。また後で来ることにして、泉涌寺への道に戻る。

泉涌寺の門を通り過ぎると何人かの皇族陵があって、さらにその先には雲龍院がある。ここまで足を伸ばしたことはないのだがせっかくなのでお参りすることに。こちらは見所を丁寧に解説するチラシまでいただけて、なかなかご親切。報道ステーションの青山愛さんのお勧め、という解説まで書かれている。障子から見えるお庭の話なんですけどね。いやあ、こちらのお庭も、心が落ち着きますねえ。とてもすばらしい。枯山水もすばらしくて、菊のご紋になってます。その中心に立つ燈籠は徳川慶喜が寄進したものだそうな。悟りの窓も、興味深い。鷹峯の源光庵を思い出しますね。こちらは「悟り」だけだけど。走り大黒も面白い。美味しそうな臭が立ち込める台所にある、というのがすばらしい。

雲龍院を出ると、すぐに泉涌寺への道があるのでそちらを進むと、門から入った所に出ます。断らずにそのまま進んでいくことも物理的には可能。しかし、そんなことをして仏罰が当たったら、大変。きちんと申告して拝観料を納めます。めず、楊貴妃観音にお参り。その前では皇室の葬儀と泉涌寺をテーマにした展示をやっていて、なかなか興味深い。ことお寺は何と言っても仏殿に下って進む景色がすばらしい。こんなに雅な景色も、京都広しといえどもそうはないのではあるまいか。仏殿の中も落ち着きますね。そして、仏殿と舎利殿の重なった景色の優雅さ。ああ。今回は奥の方までは伺いませんでした。

泉涌寺を出て下に行き、右に曲がると、西国三十三ヶ所の十五番札所の今熊野観音寺。

ここは、ぼけ封じや頭痛封じなど、頭に効く観音様として人気とのこと。枕カバーも売ってます。もみじがたくさんあるので、紅葉の頃にはすごいことになっているんだろうなあ。

泉涌寺からの道に戻って下って行くと、右手には戒光寺。丈六さんと呼ばれる釈迦如来像は、後水尾天皇が刺客に襲われた時に身代わりになったとの伝承あり。首の血のような汚れがそのなごりだそうで。

即成院に戻って特別拝観券を買います。千円。境内はたくさんの善男善女でいっぱい。お稚児さんの格好をしたかわいらしい子どもたちもいます。

お練りは午後1時からなんだが、それに先立って、福引きをやります。いかにも大阪、という感じのおっちゃん(会社の会長さん)がおもしろおかしく話しながら、福引きの品を披露していく。私は「夏の甲子園」というのだったんだけと、これは「暑い時に開く」ということで、扇子が景品。「官僚の天下り」というのは、ポストを求めてのものだというわけで、ポストカード。これが大阪の感覚か。

お笑いの福引きが終わったら、いよいよお練り。山伏がほら貝を吹いて進んだ後にお稚児さんが練り歩く。中には泣いてしまった子どもも。お稚児さんたちが2回練り歩き、散華をまいて道を清めたら、いよいよ二十五菩薩のお出まし。最初の地蔵菩薩は信徒代表らしいのだが、その次からは中学生くらいの大きさの菩薩さまが続く。最初の二人は両手を合わせて右左に大きく回しながら歩くのでかなり大変。それから後ろは単に歩いてだけのような。

二十五菩薩がまた本堂に戻ってから極楽踊りをして、今日のお練りはおしまい。本堂内を拝観します。本物の二十五菩薩を拝観。菩薩さまをやっていた女の子(中学生?)がお面を外して記念撮影してました。本当にお疲れさまでした。

こちらのお寺は、最近ぴあから出版された「関西の寺社」でも紹介されていて、その本も売られていた。

即成院を出て、周辺の法音院にもお参りするが、ちょっと淋しい感じ。また悲田院に戻るけど、やっぱり閉まっています。これでは、御朱印もいただけないなあ。

このあたりには、他にも来迎院、善能寺、新善光寺といったお寺があって、まだうかがったことがないのだけど、既に遅いので今日はここまでに。

日吉が丘高校の脇を通って東福寺の横に降りて本町通を北に進み、瀧尾神社に立ち寄る。こちらの神社には前にもお参りしたことがあるけど、その時は不覚にも拝殿の天井を見ませんでした。こんなにすばらしい竜かおられたなんて………

本町通で塩小路まで出て、京都駅へ。JRで桂川まで戻る。イオンはものすごく混んでいます。

 

いただいた御朱印

雲龍院(本尊、走り大黒)

今熊野観音寺(洛陽三十三観音)

泉涌寺(洛陽三十三観音すなわち楊貴妃観音)

即成院

20,986歩