杉並区職員労働組合 児童館学童保育分科会主催の

 

「第32回地方自治研究会

考えよう 子どもの『けんり』とこれからの『居場所』」

 

パネルディスカッションに登壇させていただきました。

 

●基調報告~居場所としての児童館

始めに児童館から基調報告がありました。

 

テーマは「杉並における子どもの居場所の変遷と現在に至る過程の紹介」

 

子どもの居場所としての児童館の役割について

社会状況の変化とともに変わってきたことなどについて

お話いただきました。

 

また、児童館に来ている子どもたちのアンケートも

紹介していただき、

児童館では体を動かしたり友達と一緒に遊んだりしたい

という、子どもたちの希望がよくわかりました。

 

「子ども基本法」の制定や「子ども家庭庁」の設置という国の動きに合わせて

杉並区も「子どもの権利擁護条例」の制定が検討されています。

 

すべての子どもたちの権利が保証されることを

心から願います。

 

●それぞれの立場から「居場所」についてパネルディスカッション

続いて、パネルリストそれぞれから

自己紹介と活動の紹介、

子どもと接するとき大切にしていることについて、

順にお話をしていきました。

 

登壇者は、教育学准教授、子育て支援NPO代表、児童養護施設長、障碍児の理解啓発活動メンバー、そして、不登校の親の会から私が参加させていただきました。

 

子どもの居場所を考えて活動されている皆さんからは

 

・子どもの声が反映されること

・孤立の子育てを防ぐこと

・地域の中で子どもが育っていくこと

・子どもは親の所有物ではないこと

 

……などのお話がありました。

 

私からは不登校の親の会としての活動紹介と、

不登校の子どもの居場所は

まずは「家」が安心できる居場所になること、

子どもの成長を信じて待つこと、

などをお話させていただきました。

 

●これからの「子どもの居場所」について

後半は、これからの子どもの居場所について、

話が進められました。

 

・大人が独りよがりにならず、多様な居場所があるとよい

・これからの居場所は「増やす」「つなぐ」「みがく」「ふりかえる」を意識して作っていくことが大切。

・財源の確保など行政との協力も必要。

・子どもには「安心して生きる権利」「自分らしく生きる権利」「豊かに育つ権利」「意見を表明する権利」が必要。

・地域の人と一緒に「子育て」をしていくことが大切。

・アクティブではない子どもが動き出すには「好きなことをきっかけにする」「信頼できる大人との出会い」が必要。

 

また、お話を聞いてくださった参加者のみなさんには、

休憩中に付箋で感想や意見などを書いてもらいました。

 

「不登校の子どもが、学校の建物を見ただけで恐怖を感じるという現実を初めて知った」という感想があり、

不登校の子どもたちの不安感を

伝えていく必要があることを改めて感じました。

 

それぞれの立場からは、子どもの居場所に求めるものが異なるため、

さまざまな居場所がたくさんあるのが望ましいということを、

まとめとして教育学准教授の先生からお話がありました。

 

●パネラーとしてパネルディスカッションに参加して感じたこと

 

最初、パネラーとしてお声をかけていただいたとき

正直、このメンバーの中で、私に何ができるんだろう?

と、不安に感じました。

 

前日に、「何を話したらいいんだろう?」と、

次男に相談したら

 

「立場によって居場所の考え方は違うから

あまり『不登校の子どもは』という言い方は

しない方がいい」

と、言われました。

 

小学校から学校に行けなかった次男ですが

まさに言ってくれた通りの展開になり、

わが子ながらその鋭さに少しびっくりしてしまいました。

 

不登校を経験すると、

こういう鋭い感覚を持てるんだということを

改めて感じます。

 

また、杉並区内だけでも

いろいろな活動をしている方がいることを知ることができ、

とてもよい経験になりました。

 

いろいろな方々と協力しながら

不登校の子どもたちが安心して過ごせる場を

作っていけるとよいな、と思いました。