日本にいると、日本の教育制度が当たり前だと思いがちですが、
海外に目を向けてみると、
それが当たり前ではないことがわかります。
子どもの幸福度調査で、毎年上位に来るオランダには
「イエナプラン」という、独創的な教育方法があります。
そもそも欧米には「子どもの自発性を育てる」という
基本的な考え方が存在しています。
イエナプランでは、それを実現するため、
異なる年齢の子どもたちを一つのグループにして「ファミリー」と呼び、
教室を「リビングルーム」と考えます。
子どもたち同士で話し合ったり、教え合ったりすることで、
コミュニケーション能力や自主性が養われるといいます。
学習内容は、子どもたちの自由意志にゆだねられ、
先生は、子どもたちの中に入って学習のサポートをするという役目を担います。
日本のように、親が教育の多くを学校に求めることはなく、
保護者も積極的に子どもたちの教育に関わるため、
親子のコミュニケーションも密接になるそうです。
日本的な感覚でいうと、
学習が子どもの自由意志にゆだねられるなんて、
学力がつかないのではないか……と思われるかもしれませんが、
自主性がはぐくまれることによって、
より自発的に学習に取り組む姿勢が身につくのだと
考えられます。
徹底的に管理して、テストの点数を上げることに
注力している日本の教育とは異なり、
イエナプランでは子どもが幸福に生きていくことを
中心に考えているのです。
海外の教育事情を知ると、
「不登校」がなぜ、こんなに多くの人を苦しめるのか、
その理由の一つに
日本独自の教育制度があるのではないかと思うに至るのです。