先週の連休は好天に恵まれ、
しかも東北の高山は紅葉が見頃になっています。
14日は祝日スポーツの日。
念願だった錦秋の秋田駒ヶ岳に登ってきました。

コースは岩手県境の国見温泉から尾根に上がり、
登りはかつて中生保内登山口として賑わった
金十郎尾根を辿って主峰の一つ男岳を目指しました。

そして登山客で賑わう浄土平から
最高峰男女岳(おなめだけ)を往復。
下りは快適な横長根を辿る周遊コースです。


国見温泉からの登山口。
温泉も駐車場も満車状態でした。
出発は午前9時。
2年ぶりの本格的な紅葉登山です。


暫くは整備された階段状の道をいきます。


尾根に突き上げる直登ルートは急坂のイメージでしたが、
意外と緩やかに高度を上げていきます。


40分ほどで1175mの稜線に出ました。


横長根の分岐。
名前の通り横に長い尾根です。
通常は右折して上を目指すのですが、
私は左に折れ高度を下げて行きます。
そのわけは・・・


向かい側に見える尾根(金十郎尾根)を登りたいから。


この尾根はかつて秋田側の正面登山口であったと思われる
中生保内口の登路だからです。

池田昭二さんの名書『忘れがたい山』の記事の中でも、
痛快で何度も読み返している「飢餓山行」。
私が生まれた昭和34年の夏8月、
池昭さんと守利先生は田沢湖から歩き始めて、
中生保内から金十郎尾根を辿って駒ヶ岳に登っています。
なお池昭さんの記録ではこの中生保内口は、
途中に白滝という滝があることから「白滝コース」と呼んでいます。


さあ横長根を回り込んで金十郎尾根を目指します。
正面に鳥海山が見えるのが嬉しい。
先週はさぞや鳥海山も賑わっていたことでしょう。


尾根の鞍部から見上げる左手尖っているのが男岳(おだけ)1623m、
右手丸いのが女岳(めだけ)1513mです。
藪のすぐ手前には噴火口跡でしょうか、姿見の池が在ります。
ここまで横長根分岐から30分。


中生保内口(白滝コース)との合流地点、御坪。
さあいよいよ金十郎尾根に歩みを進めます。


顕著な尾根筋が男岳に突き上げています。
鳥海山の長坂道東竜巻を連想させます。
すると女岳が規模は違えど、鍋森ドームに見えてきます。


右手東側には横長根が競り上がっています。
金十郎尾根と横長根に挟まれた広大な窪地は
かつての溶岩流の跡地なのがよく分かりました。


金十郎尾根の登路は草地のイメージでしたが、
実際は腰くらいの笹の道でした。
途中まで刈り払いされています。


喧噪の山頂部周辺と比べ登山者は格段に少ない。


その分静かな山歩きが楽しめました。
振り返ると田沢湖の絶景と故郷の鳥海山がいつも望めるのですから。


女岳の真横近くに来て驚きました。
新しい溶岩が流れた黒々とした跡が生々しくも残っているではありませんか。
活火山である女岳に登路が存在しない理由が解りました。


水沢温泉からの登山口と合流しました。


眼下に水沢温泉の高原と、
右手にアルパこまくさホテルが見えます。
ほとんどの登山客はここからバスで北側の八合目まで上がって来ます。
奥に見えるのが森吉山。


見慣れない標柱が在りました。
火山観測用基点とあります。


眼前に顕著に屹立した岩場が見えて来ました。
地図にある五百羅漢のようです。


北西斜面の紅葉。


右手には女岳の溶岩流が間近に黒光りしています。
先端は妖怪の舌のようで恐ろしい。


五百羅漢は東側斜面を巻きます。


なるほど数多の羅漢群に見えますね。
ここは西風が遮られるから地形的にも有難い、
合掌


さあいよいよ男岳に取りつきます。


徐々に登山者も増えてきました。


辿ってきた金十郎尾根の全景。
堂々としたいい尾根です。
惚れ惚れしますね。


女岳の北側の谷が見えてきました。
噴火口を持つ丸い火山は小岳1409mと言うらしい。
ムーミン谷を縦断して横長根に連絡できます。
ここはチングルマやイワカガミのお花畑の名所と言われています。
ただここから谷に下るのは急で険しい。
左手奥に早池峰山が見えています。


男岳への上りも傾斜が急になってきました。
本日の正念場です。


でも振り返ると嬉しい鳥海山。


そして美しい金十郎尾根と田沢湖。


女岳の向こうには秋田岩手県境の山々、
和賀岳など奥羽山脈の背骨が連なっています。
左手奥はたぶん焼石山塊と栗駒山。


ようやく男岳山頂が近づいてきました。


ここまで来て初めて駒ヶ岳北面の風景が開けてきました。
浄土平の向こう堂々と聳えるのは岩手山。
一昨年のこの時期松川温泉から往復して初めて登りました。
先日噴火警戒レベルが上がって登山規制が敷かれていましたが、
現在はどうなんでしょうか。

  →岩手山 前編 2022.10.20

  →岩手山 後編 2022.10.21


秋田駒ヶ岳の主峰、男岳1623m山頂です。
時刻は11時50分。

65年前の夏、早朝田沢湖から歩き始めた
池昭さんと守利先生は14時20分に男岳に到達しています。
そしてここで初めて登山者(国見峠から登って来た親子連れ6名)
と出会ったと書いています。


ちょうどお昼時。
絶景を眺めながらのランチは格別でしょう。


午後に下る予定の横長根の直線を引いたような
起伏のない稜線歩きも楽しみです。

横長根が県境なのでこちら側は秋田県。
秋田側の方が里に近く、生保内や田沢湖からは
いかにも「おらが山」と言う感じで見上げられる駒ヶ岳。
名前が秋田駒ヶ岳というのも頷けますね。

続きは明日へ。