4月から成人年齢が18歳に引き下げられるのを前に3月27日のNHKスペシャルで「18歳で大人というけれど〜成人年齢を引き下げを考える」という特集が組まれた。
4月から大人になる18歳の若者にスタジオに来てもらい、議論した。
ーー大人ってどういうイメージですか?
渡邉すみれさん(古民家を使って鎌倉で地域おこし)「大人になるってこと自体を受け入れられないというか、自分の中で全然イメージができない感じです」
小浜桃奈さん(WEBマガジン編集長、総フォロワー54万人)「大人と子どもって住む世界が違う。子どもって学校という狭い世界にしかいないのに、高校を卒業した段階で成人ですと言われても、私たちは大人として考える力を養えてるかって言ったら、学校だけの学びじゃ学び足りないなという部分がある」
杉山夏生さん(ポルトガルにバレエ留学中)「これ、やってもいい?って聞いていたことを自分で即決しなければならない。考えることがとても増えるかなって思いました」
成人となる18歳、19歳、およそ1000人を対象にしたアンケート(成人になったらやってみたいこと)によると、一番多かったのが「クレジットカードを作る」(45%)。「アルバイト」(37%)、選挙での投票(22%)と続く。
ーー既に実現している選挙での投票も、3番目に挙がっています。
渡邉すみれさん「どの政党が何をしているのか分からない。自分でまずそこにアクセスしてみるというその一歩が踏み出せないという人が周りに多かっ
た」
学校現場のリポートの後、成人になることでやりやすくなる「起業」がテーマに。
ーーこれまでは未成年であるが故の壁もあったと思うんですけれど、今回、成人年齢が引き下げられたことで、どんなことに期待しますか。
渡部透馬さん(地元愛媛で起業)「契約に関して親の同意が必要なくなるということで、さまざまな契約を自分の判断で結べるということに大きな期待感を抱いています」
テーマは「そもそも、なぜ今、成人年齢引き下げ?」に。
◆成人年齢引き下げの背景
少子高齢化、若者の活力が必要→2015年、選挙権、18歳に引き下げ→社会・経済活動でも18歳から大人として扱うべき→2022年4月1日〜成人年齢18歳へと引き下げ
ーー若い人たちの社会参加の促進という狙いがあるんですが、これってどうです?
安達晴野さん(学校の“頭髪指導”に問題提起)「自分の意見が社会に聞き入れられるとか、自分の意見で社会が変わるといった可能性を信じることができない。自分の意見はきっと聞いてもらえないし、社会も変わらないだろうという諦めムードを感じる」
社会から一定の役割を期待され、4月から、民法上の大人になる18歳、19歳。けれど、実際は、社会の側がどれだけ新成人たちを大人として受け入れようとしているのかが見えないという18歳の若者たち。学校教育や行政だけでなく、もっと幅広く18歳に何を望むのかを議論した方がいいのではないかと感じた。
番組では、後半、消費者トラブルに巻き込まれるが未成年者取消権(親の同意を得ずに結んだ契約は、原則あとから取り消し可能)で守られた大学生(当時未成年)が、ビデオ通話で登場する。
渡部透馬さん「僕も起業する前に一回だまされかけたことがあって。SNSの知り合いが、共通の話題とかを出してきて、どうにか信じ込ませようとするんです。どちらかというと知識が全くない人よりも、お金を稼ぎたいなとか、チャレンジしたいなとかいう気持ちの強い人が信じやすいかもしれないです」
消費者トラブルにあいかけた大学生「相手から何かを持ちかけられたときはすべて無視でいいと思います。相手からの行動で自分が行動するのはやめた方がいい」
17ー18歳の子供を持つ親たちの座談会の後、テーマは「自立ってなんなの?」に。
杉山夏生さん「自立ってなんだろうと疑問に思っている部分も正直言ってある。自立したいんだけど、何をしたらいいの?とすごく聞くんですよ。何をもって自立というのかって、考え方は人それぞれだと思います」
この番組のハイライトは、先輩から“新成人へ”。
トップモデルとして世界の第一線で活躍してきた冨永愛さん。一躍有名になったのは17歳の時の写真。このころ、大人に抱いていたのは、不信感でした。
「あのころの私から見た大人は会社だったり世の中だったり、そういったルールの中で生きているだけ。私はその反骨心があったから海外に行っても日本の外に出ても戦えるエネルギーがあったんですよ。やりたいことを見つけてがむしゃらにそれを頑張っているうちに大人になった、っていう感じですね」
実は冨永さんの息子は、ままなく成人になります。その成長を支えるため、心がけてきたことがあります。
「子ども自身が決めたことにできるだけ『ノー』と言わない。『やってみな』って言うようにしています。自分で失敗しないとわかんないじゃないですか。『これだと失敗するから』って、もちろん、私も言っちゃうときはあるんですけど、でもそれは自分が経験してるからわかることであって、子どもはそれを経験しないと自分のものにできないじゃないですか、その失敗を。できるだけ自分で失敗するように自分で決めたことを自分で失敗して学ぶようにやってもらってます」
「今の若い子たちが漠然と不安を抱えていても何を考えてなかったとしてもあ、それはそれでいいんですよ。その年代なんだもん。ただ、年齢は毎年確実に一つ一つ増えていって勝手に『大人』という分類になるから、その中でなるだけいい経験をして、なるだけいい失敗をして、自分がなりたい自分になってもらいたい。なりたい大人じゃなくていいんです。なりたい自分であればいいんですよ。ただ、どういう大人になるか。それは、It’s your choice」
決めてくれました。
大人が一人ひとりの人生をこうやって子どもたちに聞かせてあげればいいんじゃないか。そのきっかけが18歳になったタイミングーーとなればいいと思った。手ぐすねを引いて18歳の成人を待つのが悪徳業者というのでは寂しすぎる。