7月26日のクローズアップ現代は「バーゲン・ジャパン 世界に買われる“安い日本”(1)不動産」。円安も影響して物価が高騰していることは伝えられているが、こんなに日本が売られているとは知らなかった。バブルのころ、日本は世界の不動産を買い漁ったが、その後の長引く不況や円安の加速で、「買われる側」へと変化した。
「人口1万4000人の北海道・惧知安町。市街地から7Kmのリゾートエリア。いま別荘やコンドミニアムの建設が急速に進んでいます」「こうした施設の持ち主はほとんどが外国人。地域の開発も彼らが主導しています。その一人、富裕層向けの宿泊施設を運営するマイケル・チェンさんです」「マイケルさんが管理するこの施設は1泊なんと350万円」
マイケル・チェン「ここの売りの一つ、インフィニティ温泉です。天気がいいと山がきれいに見えます。
「最低7泊からですが、この冬の予約はすでに1月まで埋まっているといいます」
マイケル・チェン「泊まって食べて滞在するすべてのサービスが(1週間で)2000万円というのは確かに大金ですが、超富裕層にとってはたいした額ではありません。世界から彼らを呼び寄せれば日本にお金を落とします。これは地元経済にとっていいことなんです」
「世界のマネーはコロナ禍の町に仕事を生み出しています」「地元のペンションはオフシーズンにもかかわらず、工事関係者で連日満室」「北海道全域から職人が集まり富裕層を迎える工事が進んでいます」
開発は進んだものの…自治体のジレンマとは
「バルブ崩壊後の低迷から町を再生させた世界の投資。固定資産税による町の収入はこの5年で5億円以上増えました」
「しかしいま、自治体は課題に直面しています」「これは今年3月に町が作った財政シミュレーションです」「なんと町の財政は令和6年に赤字になり、その後も膨れ上がる恐れがあることが明らかになりました」「いったいなぜなのか」「財政のひっ迫をまねく大きな要因の一つが上水道の整備費用です」「外国資本による建設ラッシュでリゾートエリアへの水道の供給量を大幅に増やす必要が出てきたのです」
「町の水道課では去年、およそ2億円かけて不足分を賄う水源を掘り当てました。しかしここからリゾートエリアまで6Km以上の水道管をひかなければなりません。総事業費は65億円。町の税収のほぼ2年分に当たります」
都市計画、都市行政が専門の明治大学教授の野澤千枝さんは「観光地はもともと人口が少なくて風光明媚なところが多い。もともとインフラが整っていないエリアに開発案件が積み重なると後追い的な整備が住民の負担になる可能性もある」と語る。野澤さんはいまの状況を「無防備過ぎる」という。「外資が地域とコミュニケーションをとるような窓口を作りながらより地域の利益になるような形に誘導していくことが必要」だ。