「不妊」は特別なことではありません
👉 6人に1人が生涯で不妊を経験します(これは世界共通のデータです)
👉 不妊は決して珍しいものではなく**誰にでも起こりうる“ありふれた医療課題”**なのです
不妊の原因は「女性だけ」ではありません
👉「女性側の問題が多いのでは?」といった誤解がよくあります
実際のデータでは…
- 女性のみ:30.6%
- 男性のみ:18.7%
- 男女両方:26.3%
👉 男性因子は合計で45.1%に関与
👉 つまり約半分は男性側も関係している
まず大事なのは「1年」という目安
👉 WHOの定義では、12か月間、避妊なしで妊娠しない場合=不妊
👉 ただし、こういった場合は、もっと早く受診が推奨されます。
- 35歳以上
- 月経異常あり
最初にやるべきことはシンプル
最新ガイドラインが強調しているのは意外なことです。
👉 「まずはしっかり話を聞くこと」
👉 WHOは“良い診療”としてこれらを最重要としています
- 必要な検査だけ選ぶ
- 患者の価値観を尊重
- 心理的サポートも考慮
不妊の原因で多いもの
女性側では
- 排卵障害:26.1%
- 卵管閉塞:17.7%
- 癒着:14.8%
男性側では
- 精索静脈瘤:13.1%
- 精巣機能低下:12%
👉 「排卵」と「卵管」が特に重要です
検査はどう進む?(実は順番がある)
女性の場合
👉 まず確認するのは排卵しているか
- 月経の約7日前にプロゲステロン測定が推奨されています
👉 卵管が通っているか
- HSG(子宮卵管造影)
- HyCoSy(超音波検査)
👉 さらに必要なら子宮内の評価(SISなど)
男性の場合
👉 精液検査が基本
👉 異常があれば最低11週間後に再検査
原因が分からないケースもある
👉 約10.8%は原因不明。これを「原因不明不妊」と呼びます
治療は“段階的”に進めるのが基本
WHOの考え方は明確です。
👉 いきなり高度治療ではない
Step 1:まずは自然経過を見る
👉 3〜6か月の経過観察(タイミング+生活改善)
Step 2:人工授精(IUI)
- 排卵誘発+IUI
- 1〜6周期程度
Step 3:体外受精(IVF)
👉 上記で結果が出ない場合
PCOSの治療は変わってきている
多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)では
👉 第一選択はレトロゾール。従来のクロミフェンより推奨されています
👉生活習慣、実はかなり重要です
WHOは強く推奨しています。特に重要なのは
- 禁煙
- 体重管理
- 運動
- アルコール調整
そしてもう一つ大事なこと禁煙指導は「30秒〜3分」でOK。これでも効果ありとされています
医師としてのまとめ
このガイドラインから伝えたいことは3つです
✔ 不妊は誰にでも起こる(6人に1人)
✔ 男女両方を同時に診ることが重要
✔ 治療は「段階的に進める」のが基本
患者さんへのメッセージ
👉 不妊治療は「何をやるか」よりも 「順番」がとても大切です
👉焦って いきなり体外受精ではなく
👉 最適なステップを踏むことが成功への近道
👉そしてもう一つ大事なこと。 不妊は「個人の問題」ではなく カップルの問題。一緒に向き合うことが治療成功の第一歩です
📚参考文献(MLA形式)
World Health Organization Guideline Development Group for Infertility.
“Recommendations from the WHO Guideline for the Prevention, Diagnosis, and Treatment of Infertility.”
Human Reproduction, vol. 41, no. 1, 2026, pp. 25–38.
