挙児希望で外来を訪れる女性でしばしば子宮内膜症が見つかります。子宮内膜症の手術を行うと卵巣予備能が低下することは産婦人科医師には広く知られるようになってきました。

 

チョコレート嚢腫が存在するだけでAMH(卵巣予備機能)が低下し、術後のAMH低下は術前のAMHに比例することが示されています(Hum Reprod 2013; 28: 2140)。

 

内膜症性嚢胞(チョコレート嚢腫)が存在するだけでAMHが低下し、術後のAMH低下は術前のAMHに比例することを示しています。術後は1ヶ月、6ヶ月共にさらにAMHは減少しましたが、AMH低下の程度は、年齢、片側•両側、嚢胞のサイズ、切除標本の原始卵胞数とは関連がなく、術前のAMH値のみが術後のAMH低下の程度に関連していました。
 

最初からAMHが低下している群で予後不良となりますが、なぜ最初から低下しているのかは明らかではありません。

 

術後もAMHの低下が進行することを考慮すると、術前にAMHが低下している方では、悪性を除外できれば、手術は可能な限り後回しにし、お子さんを産み終わった後に手術を行うのがおすすめです。