繰り返し胚移植しても着床判定で陽性結果が得られない場合、反復着床不全(RIF)と呼びます。

 

着床しない原因として子宮に問題があると考えがちですが、妊娠成立のためには、胚因子と着床因子、両方がそろう必要があります。

 

Fertil Steril 2021; 115: 45

着床前胚染色体異数性検査PGT-Aでの正常胚を3回移植すると95.2%の方の胚が着床し、92.6%の方が出産に至る。真の着床不全は5%未満であり、考えられているより極めて少ない

 

 

 Fertil Steril 2023; 120: 45

2022年の反復着床不全ワークショップにおいて発表された論文の系統的レビュー

( 年齢別の着床率をPGT胚、非PGT胚で比較したデータ)

 

 

 Fertil Steril 2023; 120: 45

非PGT-A胚の場合、何回移植して妊娠しない場合に着床不全といえるのか?

 

 

これらの研究報告から、着床しない原因として胚(受精卵)の染色体異数性異常の関与が大きいと考えられ、

上記の年齢による正常胚率を意識しての次回対策の必要性を再認識する必要があるといえます。

 

このため年齢が高い方に対する戦略としては、着床不全検査にかかる時間、費用を十分に検討する必要があります。