⼀般の皆様へ 

不妊治療における精⼦凍結の費⽤が変更になります 

  ⽇本産科婦⼈科学会 理事⻑ 加藤聖⼦ 

  ⽣殖・内分泌委員会委員⻑ 岩瀬 明  

 

  • 令和 6 年度の診療報酬改定により精⼦凍結保存管理料が新設されます。 
  • あわせて選定療養にも精⼦の凍結⼜は融解の項⽬が新設されます。 
  • 選定療養とは患者の快適性や利便性などにかかる療養であり、保険給付の対象ではありま せんが、保険診療との併⽤が認められる治療です。 

 

精⼦凍結保存管理料(保険診療)が適応となるのは・・・ 

  • 精巣内精⼦採取術によって得られた精巣内精⼦と⾼度乏精⼦症患者における射出精⼦を 体外受精・顕微授精に⽤いることを⽬的として凍結保存をおこなう場合が対象となります。 
  • 医療上必要があると認められる場合に⾏われるもので、精⼦凍結を考慮する⾼度の乏精⼦ 症の基準としては精⼦濃度として 5×106/mL 未満が⽬安となります (参考文献1)。 
  • 実際に精⼦凍結保存を⾏うかどうかについては、治療スケジュールなども検討し担当医と相談する必要があります。 

 

精⼦凍結保存管理料の費⽤は・・・ 

  • 精巣内精⼦採取術によって得られた精巣内精⼦を凍結する場合と⾼度乏精⼦症患者における射出精⼦を凍結する場合で保険点数が異なります。 
  • 治療を受ける施設によらず管理料は⼀定です。 
  • 別途、精⼦凍結保存維持管理料の費⽤も必要となる場合があります。 
  • 保険診療の範囲で凍結した精⼦を使⽤する場合、融解に対する追加費⽤は発⽣しません。

 

 選定療養(⾃費診療)が適応となるのは・・・ 

  • 医療上必要があると認められない、患者の都合により⾏われる精⼦の凍結⼜は融解が対象となります。
  •  選定療養における精⼦の凍結⼜は融解にかかる費⽤は治療を受ける施設によって異なります。
  •  保険診療(体外受精・顕微授精ほか)との併⽤が可能です。 
  • 選定療養を⾏っていない施設もあります。 

 

【参考⽂献 】

1) ⽣殖・内分泌委員会報告. ⽇産婦誌(2024) 第 76 巻 6 号 p627―629 https://fa.kyorin.co.jp/jsog/readPDF.php?file=76/6/076060627.pdf

 

当院では、泌尿器科専門医による男性不妊外来を行っており、精巣精子採取術、精子凍結保存なども行っています。

 

保険診療費は診療報酬で決められています(1点10円)。

選定療養費(自費)は医療機関で決めることになっています。


  • 精子凍結保存管理料(精子凍結と1年までの保管料)(保険適用1000点、3割負担で3000円、当院の選定療養費11000円)
  • 精子凍結維持管理料(1年を超えての年間の保管料) (保険適用700点、3割負担で2100円、当院の選定療養費7700円)