AMH値は正常胚率(正常胚ができる割合)に影響を与えることはないことが2023年の下記論文で報告されています。

 

Fertil Steril 2023; 119: 444

初回採卵とPGT-A(不妊症926名)またはPGT-M(非不妊症214名)を受けた40歳未満の女性を対象に、AMH値と正常胚率の関係を後方視的に調査しました。

 

その結果、AMH値が正常胚率に影響を与えることはないことが示されました。

 

この研究では、不妊症だけでなく不妊症でない女性(PGT-M実施者)も対象にしているため、AMHと正常胚率の関連についての疑問に答えが示されたといえます。ただし、この研究は後方視的検査であるため、原因と結果を明確に結びつけることはできません。

 

また、コメントによると、AMHは卵子の数量を示す指標であり、卵子の質を示す指標ではないことが強調されています。

 

 

年齢別解析においても、正常胚率、モザイク胚率、異常胚率に有意差を認めませんでした。

 

 

AMH値が低いと採卵できる卵子数は少なくなりますが、AMH値が低いことが正常胚率に影響することはないということですね。正常胚率への影響は、女性加齢によるところが大きいと考えられます。