■ご質問内容

体外受精(通常媒精)にするか、顕微授精にするか、両方実施のスプリット法にするか、を事前に決めるのではなく、採卵後に卵子数と精子所見により決定(変更)することは可能でしょうか?

 

■当院からの回答

現在、厚労省からの指示により、初回の生殖補助医療の治療計画作成時に下記の治療方針を事前説明し相談の上、同意を頂く手順となっています。

  1. 卵巣刺激方法
  • 調節卵巣刺激(黄体ホルモン法・アンタゴニスト法・ロング法・ショート法)
  • 低刺激法(クロミッド法・レトロゾール法)
  • 自然周期

 2.媒精方法

  • 体外受精(通常媒精:1つの卵子に対し、数万の精子を一緒にして培養)
  • 顕微授精(1つの卵子の細胞質に、1つの精子を注入)
  • スプリット(体外受精での受精障害リスクの考慮から、体外受精と顕微授精の両方実施)

 3.移植形態

  • 新鮮胚移植(採卵周期に胚移植、移植可能胚が残った場合は凍結保存)
  • 融解胚移植(移植可能胚を全て凍結保存)

 

体外受精/顕微授精についての補足説明

  • 精子所見が体外受精(通常媒精)可能である基準を満たしていても、受精卵ができなかったり、受精率が低かったりする場合があります。
  • 精子所見が体外受精(通常媒精)可能である基準を満たしている場合卵子数が少ない場合でも、顕微授精を行うことによる治療成績の向上は認められていません。
  • 男性因子が認められない場合の顕微授精についても、通常法と比較して成績向上する報告は見られません。
  • 精液所見に関わらず顕微授精を希望される場合は、治療計画作成時にお申し出ください。

 

媒精方法の見直し(変更)

  • 体外受精(通常媒精)で受精卵ができなかったり、受精率が低かった場合、次回採卵では顕微授精をおすすめします。
  • 体外受精(通常媒精)と顕微授精では、採卵後の卵子の前準備(取り扱い)が異なります。媒精方法の希望変更は採卵までにお申し出ください。治療計画の見直しを行う必要があります。
  • 当日の精液所見で顕微授精が必要と判断される場合は、体外受精(通常媒精)やスプリット媒精を予定していても、顕微授精の必要性について培養士より説明をさせていただきます。医師の確認の上で、体外受精(通常媒精)やスプリット媒精の予定から顕微授精に変更する場合があります。