胚移植は、不妊治療の重要なステップの一つです。この大切な時期の適切な過ごし方をご紹介します。

 

胚移植後の日常生活

胚移植後の生活においては、家事やデスクワーク、自転車の利用など日常的な活動は問題ありません。

 

しかし、胚盤胞移植の場合、とくに移植後1〜3日は着床の可能性が高い時期です。この時期には、走ることや激しい運動、性交など、子宮収縮を助長する活動や腹部を圧迫する動作は避けることが推奨されます。

 

安静についての最新の知見

安静を保つことが、必ずしも着床率や妊娠率を高めるわけではありません。実際、胚移植後に10分間ベッド上で安静にした群とそうでない群を比較した研究では、妊娠率に有意差が認められませんでした。また、安静の有無やフィブリン糊の使用が妊娠率に影響を与えないことも、メタアナリシスにより明らかにされています。

 

高温環境の避けることについて

着床期には、腹部を高温に長時間さらすこと(例: サウナや温泉など)は避けるべきです。高温は配偶子や受精卵に悪影響を及ぼす可能性があるため、注意が必要です。

 

夫婦生活に関するアドバイス

着床を促すため、また胚の流出や妊娠率の低下を避けるために、移植当日や着床が予想される期間の性交は控えることが望ましいです。

 

膣座薬などの薬剤使用について

膣座薬など処方されている薬は忘れないように使用しましょう。座薬や貼付薬の挿入や貼り替えは、入浴後としましょう。それ以外は、普段通りに過ごし、心身ともにリラックスすることが大切です。

 

まとめ

胚移植後は、日常生活は問題なく行えますが、激しい運動、腹部への圧迫、高温環境は避けたほうが良いです。また、心身のリラックスを心がけ、無理をしないようにしましょう。安静の必要性については、最新の研究では、「厳格な安静は必ずしも必要でない」ことが示されています。