【医療安全ニュース】

 

妊活中・妊娠中の薬剤使用について

望妊治療中に風邪や他の病気で他医から薬を処方されるときは、当院で服用中の薬や妊娠中であれば妊娠初期であることなどを処方医に必ずお伝えください。

 

薬剤の使用が必要か、または妊娠や胎児に影響を与える可能性があるかを考慮することが重要で、妊娠または妊娠している可能性のある婦人に禁忌とされている薬剤もあります(日本医師会https://www.med.or.jp/anzen/manual/pdf/jirei_05_02.pdf)。

 

ほとんどの薬剤は有益性投与(「投与しないこと」及び「投与しないことが望ましい」のいずれにも当てはまらない薬剤を、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ投与する)となっています。

 

妊娠前から使用していた薬剤も、甲状腺機能低下症や潜在性甲状腺機能低下治療薬、インスリン抵抗性治療薬、高プロラクチン血症治療薬などが多く挙げられると思います。これらの薬剤の使用に関しては、医師との相談が必要です。特に甲状腺機能低下症やインスリン抵抗性治療薬の場合、妊娠中の適切な管理が重要です。

 

漢方薬も一般的には安全と考えられがちですが、妊娠成立後は一部の生薬成分を含む漢方薬の使用を中止する必要があります。麻黄や附子、桃仁、牡丹皮、大黄などの生薬成分は妊娠中に避けるべきです。

 

妊娠中や妊活中の薬剤の使用については、慎重な判断と医師の指示に従うことが大切です。自己判断せず、必ず専門家と相談してください。

 

国立成育医療研究センター「妊娠と薬情報センター」

https://www.ncchd.go.jp/kusuri/