■ご質問内容
体外受精を検討してるのですが、仕事等の付き合いでアルコール飲む機会があると思うのですが、いつがダメとかありますでしょうか?
■当院からの回答
妊活中のアルコール摂取について
妊娠を目指している方のアルコール摂取には制限を設けるべきであると、
米国生殖医学会(ASRM)は以下の指針を提示しています。
- 妊娠前のアルコール摂取1日1単位(20g)まで、妊娠中のアルコールはゼロ
- 不妊治療中は、アルコール摂取量が多くなるほど妊娠率が低下します。
- アルコールの目安は、少量が週に50g未満、多量が週に140g以上です。
- 女性は男性に比べ身体(肝臓)が小さく、また体脂肪率が高い(アルコールは脂肪に溶けにくい)ので、血中アルコール濃度が男性よりも高くなります。
- アルコール分解酵素などの個人差もありますが、習慣的な飲酒量としては週2回の休肝日を設け、男性20g、女性9g以下が適量といえます。
純アルコール量(g)=アルコール度数 x 飲酒量(mL)x 0.8(比重)
【アルコール10gの目安】
- アルコール度数5%のビール 250mL(1缶)
- アルコール度数5%の缶酎ハイ 250mL(1缶)
- アルコール度数12%のワイン 104mL(1/8本)
- アルコール度数14%の日本酒 89mL(0.5合)
妊娠中のアルコール摂取について
- 妊娠中の女性が飲酒すると、少量であってもアルコールは胎盤を通して胎児の血中に移行して生まれてくる赤ちゃんに影響します。
- 体重の減少・顔面などの奇形・脳の障害など、さまざまな悪影響が出てくる可能性があり、胎児性アルコール症候群(FAS)と言われています。
- 妊娠と気づく前の飲酒も、その時期の胎児の発育に影響し、それが大量飲酒であればFASや流産の危険があります。
- 少量の飲酒でFASが生じる可能性は低いとは言え、妊娠中の女性における飲酒の安全域は証明されていないため、妊娠中の飲酒は避けるべきでしょう。