■ご質問内容

初回採卵で受精卵を3個凍結できました。子宮内膜ポリープがあり、手術を希望しています。手術してどのくらいで胚移植をするのが良いのでしょうか?

 

■当院からの回答

 子宮内膜ポリープ手術後、胚移植を行う最適なタイミングについて、子宮鏡下内膜ポリープ切除術から凍結融解胚移植までの期間が120日を超えると、妊娠率が低下する可能性があります(Tu YAら、2020年の研究)。この研究では、手術群とコントロール群間で患者の背景、移植条件、臨床妊娠率、生児獲得率などに差が見られなかったことも報告されています。

Jehn-Hsiahn Yangら、2015年の研究

  1. 120日の間隔を超える場合、生化学妊娠率および臨床的妊娠率が低下する可能性が高まる一方で、術後120日以内に凍結融解胚移植を行った場合、生化学妊娠率と臨床的妊娠率が高くなりました。
  2. さらに、子宮鏡下内膜ポリープ切除術後は内膜が早く再生することが報告されており、1ヶ月後には約90%の内膜再生率が示されています。
  3. また、待機期間が長いとポリープの再発リスクが高まることも知られています。例えば、待機期間が1年未満の場合と比較して、1~2年、2~3年、3年以上の待機期間では、ポリープ再発のオッズ比がそれぞれ1.27、2.33、3.92となります。

したがって、子宮内膜ポリープ切除術後は、内膜再生が早く、待機期間が長いと再発リスクが高まります。

 

胚移植を行う際には、術後120日以内のタイミングを検討することが、妊娠率を向上させる一因となる可能性があると言えます。

 

ただし、具体的なタイミングは医師との相談が必要です。