【ご質問内容】

Q1:凍結している受精卵が何個かある場合、融解移植する受精卵の優先順位は何を基準に決めるのですか? 凍結日(採卵から5日目、6日目)より胚グレードを優先しますか?

 

Q2:融解胚移植の胚盤胞の選定ですが、D18日目に移植予定です。5日目4BB.4BC.3BC.があるにも関わらず、6日目4BBを移植しましょうと言われたのですが、なぜ5日目の胚盤胞ではなく6日目の胚盤胞なのでしょうか?

 

Q3妊娠予測確率が変動するのはなぜですか?

 

 

【当院からの回答】

たとえば下記の場合 どの胚盤胞から移植するのがよいでしょう?

  1. 採卵5日目の胚盤胞 4BB ⇔ 採卵6日目の胚盤胞 4BA
  2. 採卵5日目の胚盤胞 3BC ⇔ 採卵6日目の胚盤胞 4CA
  3. 採卵5日目の胚盤胞 3BB ⇔ 採卵5日目の胚盤胞 3BB(Day5の同じクレード胚が2つ以上ある)
  4. 35歳時に採卵の採卵5日目の胚盤胞 4BB ⇔ 38歳時に採卵の採卵5日目の胚盤胞 4AA

 

  • 内細胞塊ICM (A>B>C)
  • 栄養外胚葉TE (A>B>C)
  • 胞胚腔の広がり(6>5>4>3)
  • 凍結胚齢 (5 日目>6 日目)

 

 

当院では、胚盤胞の形態評価(ガードナー分類など)だけでなく、女性年齢、胚盤胞の直径、BMI 値など10項目のパラメータを用いて、ひとつ一つの胚盤胞の妊娠予測確率を算出し、それらのデータをお示して移植する胚盤胞を相談して決めるようにしています。

 

 

たとえば「同じ形態評価グレードの胚があるとき」、「2年前の凍結胚と今年の凍結胚があるとき」、「5日目の4BCと6日目の4BBがあるとき」などに、10項目のパラメータ評価を加えることで、より妊娠が期待できる確率が高い胚盤胞を選択して移植することができます。

 

この妊娠予測確率の算出項目には、移植回数も含んでいますので、移植して妊娠結果が得られなかった場合に、残っている胚盤胞の妊娠予測確率が下がって表現されます。

 

計算上での表現ですので、「凍結している胚盤胞に変化があって確率が下がった」ということではありません。また、「凍結期間の延長によって確率が下がる」わけでもありません。

 

凍結している「どの胚盤胞から移植しようか」というとき、医師から提示される妊娠予測確率を1つの目安としてご相談いただければと思います。

 

なお、PGT-A結果が分かっている胚については、その結果をもとに胚移植順を決めることになります。モザイク胚の移植は、選択としては後のほうになります。