レスベラトロールは、ブドウの果皮や赤ワインやピーナッツの渋皮などに含まれるポリフェノールの一種です。

 

酵母の長寿遺伝子を活性して寿命を延長する」と報告(Howitz KT et al., Nature, 425, 191-196. 2003年)され、夢の長寿薬かもしれないと話題になりました。

しかしながら、その後「レスベラトロールは長寿遺伝子を直接活性化しない」との報告   Beher D et al., Chem Biol Drug Des, 74, 619-624. 2009年)がありました。

一方、レスベラトロールは、「抗がん、抗動脈硬化、抗肥満、抗糖尿病、抗炎症などに対して有益な効果があると動物実験で報告がありました( Yu W et al.,  J Cell Biochem, 113, 752-759. 2012年)が、このサーチュイン遺伝子による寿命延長作用は、酵母、線虫、ハエでの動物実験での報告であり、ヒトについての報告ではありません

 

サーチュイン遺伝子は、飢餓やカロリー制限によって活性化しますので、「サルではカロリーを30%減らすと寿命が20~30%延びる」と報告されています。なお、レスベラトロール摂取の場合には、カロリー制限や運動の必要はないということです。

 

したがって、いわゆる健康食品として国内で流通しているレスベラトロールは、国が健康の保持増進効果を確認したものではなく、分類上は一般食品であり、安全性に関してもその摂取基準や上限量も設定されていません。