トリガー(きっかけ)とは、排卵期におこる黄体形成ホルモン(LH)のサージ(一過性増加)を作ることを意味します。


LHサージの開始から、1日半程度後に排卵すると考えられますので、体外受精などの採卵は、トリガーから1日半後の排卵直前に行うようにします。


採卵する前に排卵が起こってしまうと採卵できませんので、調節卵巣刺激法においては、この自然のLHサージが起こらないようにGnRH antagonist(アンタゴニスト法)やGnRH agonist 点鼻薬(long 法・short 法)や黄体ホルモン(PPOS 法)を用いて排卵抑制します。


こうして卵胞成熟が確認できたところで、トリガーの実施日/時間を決めて採卵予定を決定します。トリガーから1日半後に排卵が起こると想定されますので、その直前に採卵をおこないます。このため採卵は2日前に決定することになります。

 

トリガーから採卵までの時間を延長することで、より多くの成熟卵子が得られる可能性はありますが、採卵前に排卵してしまう可能性が高まります。


低刺激法は、基本的に排卵抑制できない卵巣刺激方法になりますので、採卵前の排卵のリスクがあります。
 

このため当院では下記を基本としています。


 ・低刺激法(クロミフェン法・レトロゾール法)、トリガーから35時間半に採卵
 ・調節卵巣刺激法(PPOS・アンタゴニスト法・ロング法・ショート法)、トリガーから36時間半に採卵
 

いずれにしても、卵胞成熟に合わせ(超音波検査や採血検査で確認)、もっとも適切な時期にトリガー設定する必要があります。