■ご質問内容

子宮内膜の厚みに関する質問です。今回ホルモン補充で移植予定でしたが内膜が薄くキャンセルになりました。調べていると、大豆製品に含まれるイソフラボンが抗エストロゲン作用を示すため内膜が厚くならないこともあるという情報がありました。


自覚としてはサプリメントで大豆由来のものを摂取していたり、黒豆茶という大豆から抽出されたお茶をのんでいたのですが、これらが関係することはあるのでしょうか?

 

■当院からの回答

質問ありがとうございます。

大豆製品に含まれるイソフラボンは植物性エストロゲンに分類されます。長期投与で子宮内膜増殖症のリスクがあるとされていますが、短期的にも、長期的にも、内膜肥厚を抑制する効果についての報告は見当たりませんでした

 

ただし、植物性エストロゲン(大豆)が子宮内膜に与える影響をインビトロで検討し、高濃度のダイゼインやゲニスタインは、脱落膜化前後の子宮内膜に大きな変化をもたらし、着床能低下の可能性を示唆しています。(Fertil Steril 2019; 112: 947

 

* 詳細は以下も参考にしてください。

 

「大豆イソフラボンを含む特定保健用食品の安全性評価の基本的な考え方」

厚生労働省食品安全委員会(2006年)、
 

A) エストロゲンレセプター (ER)を介する作用(低濃度で作用する)
ERα:子宮、膣、卵巣、乳腺、視床下部、血管内皮細胞、血管平滑筋
ERβ:前立腺、卵巣、肺、脳、血管、骨

B) 大豆イソフラボン長期摂取による閉経後の女性への影響として

  1. 子宮内膜増殖症(子宮体癌の前癌病変)の増加:これは、ERα作用によるものであり、大豆イソフラボン上乗せ摂取(通常の食事以外の摂取)による閉経前女性への影響として150mg/日でリスクが高くなります。閉経後でも生理様の不正出血が起こり、子宮癌との鑑別が必要になります。
  2. 生理不順(月経周期の延長):これは、大豆イソフラボン57mg/日でリスクが高くなります。