排卵誘発剤の使用量が正常な胚の割合には影響しないことが明らかになりました。

 

Hum Reprod 2020; 35: 1082

2013〜2017年に採卵を実施した2230採卵周期、930単一正常胚移植周期の培養成績および妊娠成績を後方視的に比較検討しました。

 

過去最大規模の検討であり、刺激日数、排卵誘発剤総使用量、採卵数、最大E2値、最大卵胞径で正常胚率は変わらないことを示しています。

 

これまでは、刺激薬の使用によって異常な胚が増える可能性が指摘されていました。しかし、この研究によれば、排卵誘発剤の使用量が増えたからといって、正常な胚の割合が低下することはありませんでした。

 

このことから不妊治療を行う際には、卵巣過剰刺激症候群は避けなければなりませんが、排卵誘発剤の使用量について過度な心配をする必要はありません。基本とする卵巣刺激方法や治療成績など、医療機関情報を良く知って受診する必要がありますね。