■ご質問内容

本日、胚移植をして頂きました。その際、なかなかチューブが入らず、硬めのチューブを使用しても入らず。最終的には何か刺して?入れることになりました。こちらもはじめての移植で、緊張していたこともあり、良く分かっていなかったのですが、想像以上に痛くてびっくりしました。中止は避けたいと思い乗り越えられましたが、真っ最中では質問する余裕もなく。帰ってからは不安も高まっています。こうした事例は良くあるのでしょうか?また予想される事はないですか?胚移植のコーナーの所に、稀にこうする事があるくらいでも良いので、記載されていたら、心の準備も出来たかなと思います。

 

■当院からの回答

胚移植を行う場合、外筒と内筒(受精卵が直接入れる)の2重構造となったカテーテルを使用します。通常は柔らかいスタイレット(芯)を入れた状態で子宮内に挿入し、子宮内に外筒が入った後にスタイレットを抜き内筒を挿入します(全胚移植の80%程度)

 

子宮の屈曲が強い場合、前屈では子宮頸管後壁に、後屈では前壁に、外筒が当たり先に進まない場合があります。そのような場合には、少し固めの腰のあるスタイレットを使用します(全胚移植の20%程度)。芯を曲げた状態で挿入することができ、頸管部分が強く曲がっていてもカテーテルを進めることができます。ただ頸管の前後壁にコスレル(接触する)ため、ある程度の痛みを伴うことがあります。

 

それでも挿入困難な場合は、強い前屈であれば膀胱に尿が溜まって子宮の向きが変わるのを待つか、あるいは子宮頚部を把持鉗子で掴み、足側(下方)に引くことにより子宮の屈曲を緩やかにしてカテーテル挿入を試みる場合があります(全胚移植の1%未満)

 

医師は、出来る限り痛みがないような胚移植を心がけておりますが、上記のような状況で固めのスタイレット、把持鉗子を使用せざるを得なかったのではないかと思います。

 

前屈が強い場合には、尿が溜まっている(膀胱が膨らんでいる)ことにより、子宮の曲がりが緩むため、胚移植がスムーズになる場合がありますので、胚移植前の排尿を少し我慢していただくようお願いしています。

ご心配をお掛けしました。