- 子宮内膜ポリープ(サイズ・数・位置)確認
- 子宮内膜の異常血管や発赤の確認
- 子宮卵管口の確認
- 子宮内膜のスクラッチ効果
- 子宮内腔の変形(着床不全の原因となる可能性がある)確認
子宮鏡の実施時期
- 着床判定が陰性であったときの月経開始前
- 着床判定が陰性であったときの月経終了後(月経周期6~9日目)
子宮鏡後の出血
数日間は出血がある可能性がありますが、徐々に茶色に変化し量も減少します。
検査後1週間以上出血が続くようであれば受診してください。
下記の論文は慢性子宮内膜炎(CE)の診断に子宮鏡が有効か否かを検討したものです。
Fertil Steril 2019; 111: 772
子宮鏡+内膜細胞CD138染色を同時に実施した方1189名を対象に、慢性子宮内膜炎の診断精度を後方視的に検討しました。
子宮鏡による慢性子宮内膜炎の診断は、感度59.3%、特異度69.7%、陽性的中率42.1%、陰性的中率82.8%、診断精度66.9%でした。
子宮鏡検査で充血、浮腫、マイクロポリープが認められると慢性子宮内膜炎の存在を疑う所見とされていますが、慢性子宮内膜炎(CE)の確定診断には、CD138細胞免疫染色検査が必要です。
この研究論文は、「慢性子宮内膜炎の診断に子宮鏡が有効か否かを後方視的に検討しています」が、診断精度67%でCD138免疫染色検査の代用にはならない(子宮鏡は子宮内腔を直視下に観察でき、予備検査や子宮内膜スクラッチの意味合いは期待できる)としています。
このため子宮内膜炎の確定診断にはCD138免疫染色検査が必要になりますが、いまのところCD138免疫染色検査は保険診療は認められておらず、全額自費扱い(保険診療と併用できない)になります。
子宮鏡で異常所見を認めた場合には、EMMA/ALICE検査(子宮内フローラ)を先進医療(自費だが保険診療と併用できる)として追加検査する選択肢があります。
EMMA/ALICE検査(子宮内フローラ)先進医療については下記をご確認ください!
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