【ご質問内容】

現在残っている凍結胚盤胞のグレードが 4ABと 4BCです。しかしながら、5 日目の胚盤胞にも関わらず、大きさが 150μm程度で あり小さいです。大きさが小さい胚は、大きい胚よりも染色体異数胚の可能性が高くなるという報告や論文を見ました。とても不安です。このことに対して、どのように考えて治療に臨んだらよろしいでしょうか?

 

【当院からの回答】

 胚盤胞は、拡大の程度(Exp)、内細胞塊(ICM)、外細胞層(TE)、胚盤胞直径、凍結時胚齢(5 日目か、6 日目か)などで評価し、 当院では、女性年齢、AMH、BMI、なども含めて胚それぞれの妊娠予測確率を算出しています。

  • 拡大の程度(Exp)
  • 内細胞塊(ICM)
  • 外細胞層(TE)
  • 胚盤胞直径
  • 凍結時胚齢(5 日目か、6 日目か)
  • 女性年齢
  • 胚移植回数
  • 抗ミュラ管ホルモンAMH値
  • 体重指数BMI


上記を含め、それぞれの胚盤胞の妊娠予測確率を算出しています。

 

ただし、胚の形態は、妊娠率や正常核型胚の割合とはある程度関連はしますが、正常胚と異数体を識別できるものではありません。

 

2020 年から着床前染色体異数性検査PGT-A研究が我が国においても開始されています。PGT-AではA:正常核型胚、B:モザイク胚、C:異数体、D:判定不能の結果が判定されます。採卵時女性年齢に最も強く影響を受けA胚が少なくなります。また、A胚を移植しても、妊娠率は 60-70%にとどまっています。

 

このように当院の妊娠予測確率も絶対的なものではありませんが、

胚グレード(Gardner分類など)だけでなく、

胚選択に有効であった因子を加えて算出しています。

移植胚の順番を決めるときの指標とお考えください。