- 卵子は、胎生期(妊娠4-5頃)に第一減数分裂の途中まで発育し休眠状態となったものが原始卵胞という単位で卵巣に保管されています。
- この卵子(原始卵胞)は個人差がありますが、月経があってもなくても減少していきます
- 休眠状態から目覚めた原始卵胞は約6か月かけて月経頃の胞状卵胞に発育します
- 原始卵胞から発育開始する卵子は、卵子数の減少とともに減っていきます
- 月経頃の胞状卵胞は、下垂体からのFSHの刺激により、通常1つだけが成熟卵胞(グラーフ卵胞)に達し、その中の卵子が排卵します。
- 抗ミュラー管ホルモン(AMH)は、休眠状態から目覚めた原始卵胞から月経頃の胞状卵胞に達するまでの約6か月にわたって変化していく卵胞が造っているホルモンです。
- AMH値は、原始卵胞から月経頃の胞状卵胞にまで発育しつつある卵胞が造っているAMHの総和になります
- AMHは、活動的になってきている卵子の数的評価に有用です
- AMHは、卵子の質的評価ができるものではありません。卵子の質的な評価は女性年齢くらいしかありません
- AMH値は血液採取して調べる検査法です
- 月経周期によるAMH値の変動はほとんどありません
- AMH値は、個人差がありますが、排卵があってもなくても次第に低値になっていきます
当院も加盟しているJISARTのデータ
AMH値と女性年齢
- AMH値が自分の年齢相当であれば、卵巣予備能は年齢相当と考えられます
- AMH値が低い場合は、活動的になってきている卵胞が少なくなっていると考えられます
- AMH値が高い場合は、活動的になってきている卵胞が多いと考えられます
- AMH値が高値で月経不順な場合は、多嚢胞性卵巣症候群というタイプの排卵障害の可能性があります
- AMH検査は、現在、採卵を予定している方のみが保険診療適用です。それ以外の方は不妊治療の保険診療を開始した後では、混合診療(該当検査だけではなく、全ての検査治療が自費になる)とみなされるため、希望されてもできなくなります
- 当院では採卵予定の方の卵巣刺激法&排卵抑制法を、AMH値、FSH値、月経期の超音波検査による胞状卵胞数、過去の刺激に対する反応結果などを踏まえ、個別化して相談して決めています