■ご質問内容

妊娠初期なのですが、この間まで便秘だとおもったら、今日は激しくお腹を下してしまいました。ずっとお腹もゴロゴロいってます。妊娠初期の下痢が、流産につながることはありますか?

 

■当院からの回答

妊娠すると女性ホルモンであるエストロゲン(E2)や黄体ホルモン(P)が飛躍的に増加します。

 

妊娠中と非妊娠時の血中濃度は、それぞれ非妊娠時の150~200倍、20~30倍になっています。

  • E2(30000~40000 pg/mL vs 200 pg/mL)
  • P(200~300 ng/mL vs. 10 ng/mL)

女性ホルモンの影響

「プロゲステロン」という、妊娠すると盛んに分泌される女性ホルモンの影響により自律神経が乱れ、下痢につながることがあります。このホルモンは、腸の動きを抑制して便秘になりやすくするため、なかには便秘と下痢を繰り返す人もいます。

 

妊娠中には、このように大量の女性ホルモンにより、「眠い、だるい、気持ち悪い、微熱、動作が緩慢、めまい、便秘、腹部不快感、おりもの増加、湿疹、動悸、むくみ、乳房痛、乳房不快感、感覚減退、心身不安定など」さまざまな症状が出現します。

 

便秘

妊婦さんが便秘になりやすいことはよく知られています。その原因には、つわりによる栄養の偏りや水分不足、運動不足などがあげられます。妊娠後期には、大きくなった子宮が大腸を圧迫することで腸の動きを鈍くしてしまうことも、便秘につながるといわれています。

 

つわりの影響

妊娠によって吐き気や嘔吐などが引き起こされる「つわり」があります。特定の食べ物しか受け付けなくなったり、食べることすらままならなくなってしまったりと、症状には個人差があります。


食べられる物を食べられるときに食べるしかないのですが、口当たりのよいゼリーやアイスクリーム、冷たい飲み物ばかりを口にして下痢になってしまうこともあります。

 

また、脂っこいものや味の濃いものしか食べられないというケースもあり。そのような刺激の強い食べ物が下痢の原因になっている場合もあります。

 

下痢は、子宮収縮と連動していますので、なるべく下痢を起こさないようにした方がよいと考えられます。子宮収縮は出血の一因ともなります。下痢徴候がみられたら、早めに治療するのが良いと思います。