■ご質問内容

子宮内膜が厚くならないため、アルギニンサプリを処方され、内服予定です。

 

一日一包と書いてあり、特にいつ内服するかは言われなかったのですが、一日のうちで内服する効果的なタイミングなどあれば教えてください。

 

一包に10粒入っているようなのですが、一度に全部飲むのか、何粒かずつ朝昼晩に分けたほうがよいのかなどもありましたら教えてください。

 

■当院の回答

子宮内膜発育不全の原因は、子宮内膜の血流不全によるものと考えられています。

 

この血流改善の治療法として、L-アルギニンが有効であることが報告されています。

 

★ L-アルギニンの子宮内膜を厚くする効果についての論文

 Fertility and sterility vol. 93,6 (2010): 1851-8. doi:10.1016/j.fertnstert.2008.12.062Takasaki, Akihisa et al. “Endometrial growth and uterine blood flow: a pilot study for improving endometrial thickness in the patients with a thin endometrium.”

アルギニンは子宮放射状動脈の血流と内膜を増加させる効果が期待できます。子宮内膜(EM)が8mm以下と薄く、子宮放射状動脈抵抗値(RA-RI)の高い61例の患者に対し、ビタミンE(600mg/日)、 L-アルギニン(6g/日)を服用してもらい比較しました。

 

結果、ビタミンEはEMを52%改善し、RA-RIを72%改善したのに比べ、 L-アルギニンはEMを67%改善し、RA-RIを89%改善しました。

 

★ 血管内皮細胞から産生される一酸化窒素(NO)は,おもに cyclicGMP(cGMP)を活性化することによって,血管平滑筋を弛緩させ血流を増加させます.L-アルギニンは 、NO の基質として働いてcGMPを増加させることで、血流増加作用を発揮します。

 

★ アルギニンは天然に存在するアミノ酸のひとつで、体内でグルタミン酸から生成されますが、健康を維持するためには生成量は十分とはいえず不足分を補う必要があります。 

 

★ アルギニンは成長ホルモンの分泌に大きく関係することが知られていますが、その他にも様々な作用があり、不妊治療を受ける男性や女性にも効果が期待できることが報告されています。

 

★ アルギニンの推奨摂取

L-アルギニンは月経3日目頃より服用します。

1日量を2~3 回に分けて摂取が目安です。