PPOS(Progestin-primed ovarian stimulation)は、2014年の最初の報告後、日本においても MPA、デュファストン®️、ルトラール®️、ジェノゲストなど様々な黄体ホルモン剤を用いて行われています。
黄体ホルモンの選び方は、①排卵しないこと、②費用対効果です。
MPAを用いた先行論文が多いので、海外ではMPAが使用される施設が多いですが、日本では、デュファストン®️やルトラール®️を用いてPPOSを実施されることが多くなっています。
当院ではルトラール®️を用いたPPOS法を採用していますが、
ルトラール®️の使用量と排卵抑制効果についての論文をご紹介します。
Fertility & ReproductionVol. 02, No. 01, pp. 21-26 (2020)
Yuya Takeshige, et al. Dose-Dependent Chlormadinone Acetate Can Suppress Premature LH Surge in Parallel with LH Value Reduction
ルトラールを12、6、4、2 mg/日服用したPPOS法の4群、およびGnRHアンタゴニスト法を用いた群の231周期で実施しました。
ルトラール-PPOS群では、月経周期3日目よりルトラール+hMG / FSHの連日注射を実施しました。早発LHサージ率、培養成績、臨床成績を検討しました。
結果:
早発LHサージはルトラール12、6、4mg/日-PPOS群で完全に抑制できました。GnRHアンタゴニスト法では一部に早発LHサージ が認められました(5.9%、7/118)。しかし、どの群でも排卵は認められず、臨床成績は同等でした。
結論:
ルトラールは内服薬で費用対効果も高いためルトラール-PPOS群は有用な卵巣刺激法であることが認められました。ルトラール4 mg/日を連日服用することで、早発LHサージを起こすことなく卵巣刺激を行うことができました。
当検討でルトラール2mg/日ではなく4mg/日を推奨した理由は2mg/日の1例が途中で早発性LHサージ(LH:12.0mIU/mL)を示したからです。この段階で、投与量を2mg/日から4mg/日に変更したところ、早発LHサージは抑制され(LH:4.5mIU/mL)、回収卵子数、結果も異常ない結果に落ち着いています。
当院においても、月経周期3日目よりルトラール2 mg/日の連日服用を基本とし、卵胞数が多く血液中エストラジオール値が高値の場合、LH値が上昇傾向の場合、卵胞径が大きいが卵巣刺激を継続する場合、などではルトラールを増やして内服していただくことにより早発LHサージは抑制されています。