Q.

歯科のレントゲンはいつしても問題ないとのことですが、パノラマなども同時に検査することになりました。避けるべき時期がありますか?いつでも大丈夫ですか?

 

A.

胎児への影響は、被爆時期(先天異常と妊娠時期)と被爆線量(妊娠中の主な検査の被ばく線量)により異なります。

 被爆時期(先天異常と妊娠時期)

 

 放射線量のおおよその目安

放射線技師会雑誌No47 10号より

上記から

  • 受精後10(13)日(妊娠検査が陽性になる前)までの被ばくでは奇形発生率の上昇はないと考えられます。
  • 受精後11(14)日~妊娠10週までの胎児被ばくは奇形を誘発する可能性がありますが、50mGy未満の被ばく線量では奇形発生率の上昇はありません。
  • 妊娠10~26週では中枢神経障害を起こす可能性がありますが、100mGy未満では胎児中枢神経障害の発生率増加はありません。

したがって医療用被ばくでは、腹部CTおよび骨盤部CTを除くほとんどの場合、胎児への影響はないレベルと考えてよいと思われます。もちろん子宮卵管造影検査は、月経(通常月経か基礎体温などで確認しましょう)開始日から10日以内に実施が基本です。

 

歯科治療でのレントゲン検査についても問題ないと思われますが、心配な方は防護エプロン(鉛のプロテクター)を腹部につければX線の影響を遮蔽することができます。

 

吸収線量:グレイ(Gy)

物質がどれだけ放射線のエネルギーを吸収したかを表す量です。1Gyは物質1kg当り、1ジュールのエネルギー吸収を与える量です。

 

線量:シーベルト(Sv)

放射線が人体に及ぼす影響を含めた線量です。

 

線量=吸収線量×放射線荷重計数×(組織荷重計数)