出産後あるいは流死産後、次回妊娠までの期間は、短すぎても長すぎても、妊娠予後が不良になる可能性があります。

2005年にWHO(世界保健機関)は「出産後2年、流産後半年以上の期間を空ける」ことを推奨していましたが、その後に発表された論文で「出産後12ヶ月未満と60ヶ月以上では、早産、低出生体重児、胎児発育遅延が有意に増加する」と報告しています。

論文(Fertil Steril 2018; 109: 840)では、出産後12ヶ月未満と60ヶ月以上では、早産37週未満での出産)、低出生体重児(2500g未満での出生)、胎児発育遅延が有意に増加していた」、また「流死産の場合は60ヶ月以上でのみ、早産、低出生体重児、胎児発育遅延が有意に増加していた」と報告しています。 

次回妊娠までの期間が短すぎると、ホルモンバランスなどが元に戻っておらず、次の妊娠準備ができていないことが推測されます。

 

次回妊娠までの期間が長すぎると、女性の加齢による卵巣機能低下が大きく関わっていると考えられます。


このようなことから当院では流産後で妊娠を急ぐ必要があるときにも、「自然に月経が始まった」または「流産から3週間待っても排卵がない(基礎体温が高温にならない)」ときに来院していただいき、相談のうえで治療計画を立てるようにしています。


出産後の場合は授乳を中止したうえで、月経開始または授乳中止後2カ月以上経っても月経が始まらないときの受診をお勧めしています。