Q.

来月の体外受精に向けて、ナファレリール点鼻薬とプレマリンの服用が明日から始まります。が、今周期は人工授精をしています。

 

薬の注意点をよく読んでいると、「妊娠の可能性がある場合は処方してはいけない。動物実験でも流産などの報告あり。」とされています。

 

私としては妊娠の可能性があると思うと、体外受精を1ヶ月伸ばすか悩んでいます。

このまま進めても大丈夫でしょうか

 

A.

薬剤の影響に関しては大きく3つの時期に分けられます。

  1. all or none (全か無か)の法則が働く時期:排卵から2週間まで(着床診断日)

  2. 催奇形性が問題になる時期:排卵から2週間から6週間

  3. 胎児毒性が問題になる時期

添付文書に記載されている、『妊娠の可能性がある場合』と『妊娠反応陽性となる可能性がある時期』を意味しており、排卵後2週間以降、つまり上記の2の時期を示しています。

 

ナファレリールとプレマリンは、排卵(人工授精)後7日目(1週間)から内服開始していただきますが、高温相が続いて月経が開始しない場合、人工授精後14日目には妊娠診断しに受診していただき、妊娠反応(着床診断)陽性であればナファレリールおよびプレマリンを中止した上で、治療対応を追加するようにしています。

 

高温7日目から妊娠判定まで薬剤(ナファレリールとプレマリン)を使用する時期は  all or none (全か無か)の法則が働く時期にあたり、催奇形性を心配されることはありません。



以下の記事もご確認ください。

妊娠時の薬剤使用について

妊娠中の薬剤服用について

妊娠と薬情報センターとは?

妊娠と薬:薬剤添付文書

妊娠と薬:時期による妊娠・胎児への影響