凍結融解胚移植は、日本で広く行われるようになってきました。

それには次のような理由があげられます。

  1. 日本産科婦人科学会のデータベースによると、日本全国の統計で、体外受精の妊娠率は、すべての年齢において、凍結融解胚移植>新鮮胚移植となっています。
  2. 卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の予防 (Reprod Biol Endocrinol 2012; 10: 32)
  3. 子宮外妊娠の予防 (Fertil Steril 2012; 98: 1490)
  4. 周産期リスク(分娩前の出血、早産、低出生体重児、周産期死亡)の低下 (Fertil Steril 2012; 98: 368)
  5. 凍結融解胚移植で大きな赤ちゃんが生まれている。凍結融解胚移植は新鮮胚移植の1.34倍有意に大きい赤ちゃんを出生し、1.91倍有意に巨大児を出生しました。また、凍結融解胚移植は自然妊娠と比べ、1.41倍有意に大きい赤ちゃんを出生し、1.67倍有意に巨大児を出生しました。ヒトで赤ちゃんが大きくなるのは、母体のBMIが高い場合、出産歴がある場合、長く体外培養した場合との報告があります。赤ちゃんが大きいというのはメリットなのかデメリットなのかについては、現段階では不明です。(Hum Reprod 2014; 29: 618
  6. 胚盤胞の凍結融解胚移植では1卵性のふたご(1絨毛膜性双胎)が増加
  7. 前置胎盤(胎盤が子宮の入口(内子宮口)にかかっているものを指し、帝王切開による出産が必要になるだけではなく、妊娠中の大出血や輸血、産後の子宮摘出の一因にもなる、重篤な疾患です。)は、新鮮胚移植と比べ、自然周期融解胚移植で前置胎盤のリスクは0.44倍に有意に低下していましたが、ホルモン補充周期融解胚移植でのリスク低下は認めませんでした。 (Hum Reprod 2014; 29: 2787)。

 

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