Q.

現在、こちらのクリニックに転院して1回目の融解移植後の結果待ちです。凍結胚が残り2個あります。

前の病院では、新鮮胚移植1回、凍結胚移植4回(良好胚2、桑実胚2)しましたが、結果カスリもしませんでした。今回こちらの病院で計6回目の移植になります。

 

もし今回もダメなら、着床不全の母体検査を考えています。慢性子宮内膜炎の可能性もあるかもしれないと心配です。年齢も40歳を超えており、AMHがかなり低く毎回卵は1つしか取れないこともあり、早く治療を進めたいと思ってます。

 

A.

『年齢も40歳を超えており、AMHがかなり低く毎回卵は1つしか取れない』とのことですから、現在2個ある凍結胚に追加採卵し、希望個数を確保しても良いと思います。その後に慢性子宮内膜炎の有無(CD-138)検査を含め着床不全原因検査を行ってから胚移植を行うことをお勧めします。

 

着床不全の検査、治療には数ヶ月を要する場合があり、年齢が高く、卵巣機能不全が低下している状態では、採卵を優先し受精卵を確保することも検討して良いと考えます。

 

着床不全の要因・検査

  • 良好胚を移植した場合でも、妊娠率60−70%という報告が数多く、残りの30−40%は胚染色体以外の因子が関連していると考えられています。
  • その一つの因子が子宮内環境です。慢性子宮内膜炎(CE)は、主に細菌性病原体が子宮内に感染して起こる子宮内膜の持続的な炎症とされ、不妊症の患者では約30%で認められ、反復着床不全および 不育症患者の有病率は60%に達すると言われています。
  • 近年、子宮内に存在する乳酸桿菌の割合や、慢性子宮内膜炎と着床障害の関連性が注目されています。