これまで帝王切開瘢痕部修復の術式として、腹腔鏡手術、子宮鏡手術の報告がありました。

子宮鏡手術Fertil Steril 2018; 110: 555https://youtu.be/Up9gN0BKEgcでは、膀胱損傷のリスクや手術が不完全になる可能性があるため、残存筋層が3mm以上の場合に行うべきとされていますが、低侵襲です。

 

腹腔鏡手術ではFertil Steril 2017; 107: 289Fertil Steril 2019; 111: 607https://youtu.be/ck1ROwQmULg) では完全に瘢痕部の除去が可能ですが、侵襲性が高く、かつ手術者の高い技術を必要とすると考えられます。そのため、いずれの方法が良いかについては議論が分れるところでした。

 

 

Fertil Steril 2017; 107: 289より

 

今回報告された膣式手術Fertil Steril 2019; 111: 828https://youtu.be/taXh-W8VAjgは、直視下に確実に修復できるのはもちろんですが、低侵襲、低コスト、表面的に無傷で可能です。産婦人科医は、膣式に子宮筋腫を切除したり、子宮を摘出することに慣れています。帝王切開部位と内子宮口からの距離、膀胱との位置関係を超音波検査、子宮鏡で確認して評価する必要がありますが、通常の帝王切開レベルで行われている場合、最も実施しやすい手術手技と思われます。Video reportであり、百聞は一見にしかず、です。